10 ベクトル空間 ベクトル空間の定義と例

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ベクトル空間 ベクトル空間の定義と例
【10−1】 実数を成分とする (m, n) 型行列全体の集合は,通常の行列の和とスカラー倍のもとで,R 上の
ベクトル空間であることを確かめよ。
【10−2】 次の問いに答えよ.
(1) x を変数とする 3 次の実数係数多項式全体の集合は R 上のベクトル空間であるかを調べよ。
(2) x を変数とする 3 次以下の実数係数多項式全体の集合は R 上のベクトル空間であるかを調べよ。
(3) x を変数とする 3 次以下の実数係数多項式全体の集合は C 上のベクトル空間であるかを調べよ。
【10−3】 閉区間 [a, b] で定義された連続な実数値関数全体の集合 C[a, b] は R 上のベクトル空間である
ことを確かめよ。
【10−4】 K 上のベクトル空間 V において,
(1)
零元 0 は一意的に定まることを示せ.
(2)
x ∈ V に対し,その逆元 x′ は一意的に定まることを示せ.
【10−5】 K 上のベクトル空間 V において,次のことを示せ.ただし,x ∈ V , k ∈ K とする。
(1)
k0 = 0
(2)
0x = 0
(3)
kx = 0 ならば,k = 0 または x = 0
(4)
(−1)x = −x
【10−6】 K 上のベクトル空間 V の元 x, y, z に対して,x = y + z と z = x − y とは同値であることを
示せ.
補充問題
【10−7】 W1 , W2 を K 上のベクトル空間 V の部分空間とするとき,次を示せ.
(1) W1 ∩ W2 = {x | x ∈ W1 かつ x ∈ W2 } は V の部分空間である.
(2) W1 + W2 = {x | x = x1 + x2 , x1 ∈ W1 , x2 ∈ W2 } は V の部分空間である.
【10−8】(n, n) 型のエルミート行列の全体集合は,通常の行列の和とスカラー倍のもとで C 上のベクトル
空間ではないが,R 上のベクトル空間になることを示せ.