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第6学年 道徳学習指導案
日
時
11 月 27 日(水)5限目
指導者
作田
場 所
6年教室
1
主題名 ふるさとの未来を思って 4-(7)郷土愛
2
資料名 白砂青松を願って(ふるさとがはぐくむどうとくいしかわ)
3
ねらい 白砂青松への願いと先人の努力を知り、郷土を愛する心をもつ。
誠
・石川県で郷土の未来を思い、白砂青松を願った先人の苦労と努力を知る。
・北村さんのお話から、根上地区にも郷土の未来を思い、白砂青松を願った取り組みをし
ていることを知り、その努力を継承し発展させていこうとする意欲をもつ。
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主題設定の理由
(1)ねらいとする価値について
内容項目4-(7)は「郷土や我が国の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を
愛する心をもつ。
」をねらいとしている。この段階においては、郷土を愛する心が日本全体に開か
れたものへと発展し、国を愛する心が児童の内面から自覚されることが大切である。そのためは、
郷土や我が国の発展に尽くし伝統と文化を育てた先人の努力を知り、自分もまたそれを継承し発展
させていくべき責務があることを自覚し、そのために努めようとする心構えを育てる必要がある。
児童が進学する根上中学校では「松々レンジャーズ」と称した松原再生プロジェクトの活動があ
る。北村さん(高坂・根上緑を守る会会長)の「何とかせんといかんのや」という思いに生徒会が
応えて立ち上がった、生徒会主体のボラティンア活動である。
本資料では白砂青松を願った先人の思いと努力、それと関連付けて北村さんの話から根上地区の
白砂青松を願う思いと努力を知ることで、児童が北村さんの活動を受け継ぐ意欲を持ち、さらには
松原再生プロジェクトの活動に少しでも参加し発展に努めてくれることを願っている。
(2)児童について
元気で活発な児童が多い。道徳の時間では積極的に意見を発表する児童、発表は控え目だがワー
クシート等に教師が驚くほど深い考えを書く児童がいる。
郷土に関する学習として、3年生の総合的な学習で郷土の名産「丸いも」について、地域の方を
ゲストティーチャーに招き、丸いもと郷土への思いについて学習している。また、校区には獅子舞
や虫送り太鼓など、郷土の伝統文化が継承されている地区があり、多くの高学年児童が参加し伝統
を受け継いでいる。しかし、同じ地区でも新興住宅地では参加していない児童もおり、郷土に対す
る思いは個人によって差があると思われる。
児童は9月の秋の遠足で高坂町の根上山に行った時、ゲストティーチャーの北村さんと会ったこ
とがある。その時児童は、北村さんからクロマツの植林方法と育て方についての話を聞いたが、北
村さんがどんな思いでこのような取り組みをしているのかまでは知らない。
(3)ねらいにせまるために
本時の展開部では、児童に本資料は配布せず、教師の読み聞かせと写真資料等で話の内容を捉え
させるようにする。本資料の話を2つに分けて考えさせたいためである。
1つ目は、「先人の郷土への思いからなる苦労や努力」の話である。十兵衛と七座衛門が失敗を
しても希望を捨てず、苦労を惜しまずクロマツを植える取り組みを続けられたのは、資料の話より
どんな思いからか考えさせ、
「村人たちの“幸せ”のため」、「そんな思いのための“努力(がんば
り)
”
」からであることをおさえたい。2つ目は、本時で中心に問いたい「今も人々が千里浜でクロ
マツの苗木を植え続けているのはどんな願いか」の話である。ここでは、児童一人一人に記述させ
て考えを持たせ、願いを出させたい。その中から松林を単に守るだけでなく、受け継ぐ・伝えるな
ど「これからの未来へも」という願いをおさえたい。
最後に、地元根上地区でもクロマツを植える活動をしていることをつなげ、ゲストティーチャー
の北村さんの話を聴く。その話を通して、「祖先が残した松林を守るため、ふるさとのくらしを未
来へと守るために、クロマツの植樹活動をしている。そのためにみんなの力を貸してほしい。」と
いう北村さんの思いを知り、その努力を受け継いでいこうとする意欲をもたせたい。
5
資料となる内容について
〈北村さんの話の内容〉
約 10 年前、根上の海岸の松林は何も手入れされず、松くい虫で多くの松林が枯れていた。
このままだと私たちの祖先が残してきた昔の白砂青松の景色がなくなってしまうどころか、松
林が果たしてきた防風、防砂、防潮の役割がなくなってしまう。そのため、私たちは海岸の土
地の所有者を説得し、松林の再生のためにクロマツの植樹活動をし、クロマツが生長できるよ
うに草刈り、松くい虫被害にあった木を撤去するなどの手入れ作業を行ってきた。その甲斐が
あり、少しずつ松林が再生されてきた。地域の人々もこの活動にだんだん協力してくれるよう
になり、根上中学校の生徒会も参加している。私の代でこの活動がなくなれば、また松林は枯
れてしまう。根上の未来のために、みんなの力をぜひ貸してほしい。
6
その他の教育活動との関連
教科
道徳
【国語】伝えられてきたもの
柿山伏を読んで、昔の人のも
のの見方や感じ方を知る。
関連する教育活動
【修学旅行】
「これが日本」
4-(7)郷土愛・愛国心
世界遺産に残したい能登
の自然や文化に触れ、能登
の良さを知る。
【社会科】日本の歴史
室町時代に生まれた文化の
「白砂青松を願って」
中には、現在まで続いている
4-(7)郷土愛
ことがたくさんあることが
わかる。
【秋の遠足】
根上山の松、パークゴルフ
場の松を見学し、松の植林
を知る。
7
配
時
導
入
5
展開
主な学習活動
○指導上の留意点 ■評価
1.
「白砂青松」の意味と海岸の松の役割を知る。
○「白砂青松」って、どういう意味か分かりますか。
・白い砂と青い松。
・どういう意味だろう。辞典に出ているかなあ。
○修学旅行で行った千里浜海岸の風
景を想起させ、白砂青松は、「白い
砂と青い松からなる。海岸などの美
しい風景」であることをおさえる。
○海岸にあるクロマツの松林はどんな役割があると思い
ますか。
・塩害を防ぐ(防塩) ・津波から守る。
・砂が飛ばないようにする(防砂)
。
○松「クロマツ」の役割をおさえる。
2.
「白砂青松を願って」を読んで話し合う。
○三百年前、なぜ「塵浜」と書かれていたのでしょう。
・作物が育たないから。
・砂にうもれて作物がかれるから。
・住むのが無理な土地だから。
○児童に本資料は配布せず、教師の読
み聞かせと写真資料等で話の内容
を捉えさせるようにする。
○なぜ十兵衛と七座衛門は、あきらめずクロマツを植え
続けたのでしょう。
・作物の育つ土地にしたいから。
・村人にもどってきてほしいから。
・このままでは村がなくなってしまうから。
○児童の意見から、十兵衛と七座衛門
の「村人たちの“幸せ”のため」、
「そんな思いのための“努力(がん
ばり)”
」からであることをおさえる
ようにする。
■石川県で郷土の未来を思い、白砂青
松を願った先人の苦労と努力に気
づいている。
◎今も、人々が千里浜でクロマツの苗木を植え続けてい
るのはどんな願いでしょう。
・松林を守る。
・松林を受け継ぐ。
・二人の思いを受け継ぐ。 ・感謝する。
・もっといい村にしたい。
・これからのみんなにもわかってほしい。
○児童の意見から、松林を単に守るだ
けでなく、受け継ぐ・伝えるなど「こ
れからの未来へも」という願いをお
さえるようにする。
3.ゲストティーチャ―「北村さん」のお話を聞く。
○9月の遠足で松の植樹に関する話
を聞いたことを想起させ、ゲストテ
ィーチャーのお話につなげるよう
にする。
4.ふり返る
○北村さんの願いを聞いてどう思いましたか。
・できたらこの活動に参加し、力になりたいと思った。
・中学生になったらクロマツを植える活動や清掃活動に
参加したいと思った。
・未来のために、この活動を私たちが引き継がなければ
いけないと思った。
○自分の感じたことをワークシート
に書かせ、自分との関わりを深め
る。
■北村さんのお話から、根上地区の白
砂青松を願った取り組みを知り、そ
の努力を受け継いでいこうとする
意欲を持っている。
展
開
35
終
末
5
8
板書計画
努力 苦労
守る 受けつぐ 伝える
北
村
さ
ん
の
願
い
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来
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い
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松の写真
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松を植
えてい
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衛 衛
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け
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き
白
砂
青
松
を
願
っ
て
防
砂
千里浜
の白砂
青松の
写真