平成27年10月分 - 増田労務管理事務所

<人の採用から退職までの労務に関するトータルサポート>
平成 27 年 10 月号
社会保険労務士 増田 忠雄
増田ろうむ通信
○
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増田労務管理事務所
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-------------------------------------------------------------------------------------「 改 正 個人 情 報 保護 法」・「 改 正マ イ ナ ン との結び付けが可能になり、税務調査で預金残高の
バー法」成立で変わること
状況がつかみやすくなります。
◆関連する両法を併せて改正
本人の同意を条件にしたのは、財布の中身を知ら
個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)
れたくない預金者に配慮したためですが、政府は
とマイナンバー法(行政手続における特定の個人を
2021 年をメドに義務化する方向で検討しています。
識別するための番号の利用等に関する法律)の改正
また、「メタボ健診」の記録を 2016 年から、予防
法が可決、成立しました。
接種の記録については 2017 年から個人番号と結び
個人情報保護法の改正は 2003 年に法律ができて
つけて使えるようにし、引っ越し時、乳児の予防接
から初めて。2013 年に成立したマイナンバー法は、
種の履歴が転居先の自治体にスムーズに引き継がれ
今年 10 月からの個人番号の配付や来年 1 月からの本
るようになります。
格運用を前にした改正です。
◆基礎年金番号との連結は先延ばし
◆ 個 人 情 報取 扱 事 業者 の範 囲 拡 大 と監 視 の強
ただ、日本年金機構による個人情報流出問題を受
化
け、同機構はマイナンバーをしばらく扱えないこと
改正個人情報保護法では、マイナンバー法に合わ
も決まりました。
せて、これまでは対象外とされていた取り扱う個人
マイナンバーと基礎年金番号の連結は、2016 年 1
情報が 5,000 件以下の小規模事業者も「個人情報取
月の予定から最大 1 年 5 カ月間延期されます。
扱事業者」として規制の対象とし、監視機関として、
個人情報の保護に関する強力な権限をもつ第三者機
徐々に認知度が高まってきた「マイナン
バー制度」従業員の個人番号の取得方法
は?
関とすることになりました。
◆「制度を知らなかった」は 1 割未満に
マイナンバー法で定められていた「特定個人情報保
護委員会」を改組して「個人情報保護委員会」とし、
◆「匿名加工情報」の利用拡大
内閣府(政府広報室)より「マイナンバー(社会
一方、これまでは本人の同意が必要とされていた、
保障・税番号)制度に関する世論調査」の結果が 9
情報が誰のものかがわからないようにした「匿名加
月上旬に発表されました。
工情報」の利用については、本人の同意がなくても
この調査は 7 月 23 日から 8 月 2 日にかけて実施さ
他人に提供できるようになります。
れたもので、調査対象者は 3,000 人、有効回答者は
いわゆる「ビッグデータ」として、買い物の履歴
1,773 人(有効回答率 59.1%)でしたが、前回の調
や様々なサービスの利用情報などが、新商品の開発
査時(今年 1 月)と比較するとマイナンバー制度に
に役立てたいと考える企業の間で売買され、活用さ
ついての認知度が高まってきたことがわかります。
れることが考えられます。
・「マイナンバー制度について内容まで知っていた」
◆預金口座やメタボ検診の記録も連結へ
前回 28.3%→今回 43.5%
マイナンバー法の改正では、2018 年以降、本人の
・
「マイナンバー制度について内容は知らなかったが
同意を条件に、銀行口座の預金情報もマイナンバー
言葉は聞いたことがある」
1
当事務所よりひと言
前回 43.0%→今回 46.8%
・「マイナンバー制度について知らなかった」
いよいよ 10 月 5 日からマイナンバー法が施行され
前回 28.6%→今回 9.8%
ました。
◆取得・保管・廃棄の方法のパターン
制度導入に向けて民間事業者がやっておくべき事
マイナンバー制度に関しては、原則として 10 月 5
項についてのチェックリスト(番号法・特定個人情
日時点の住民票の住所宛に、国民一人ひとりに「個
報ガイドラインが求める対応)です。ご確認下さい。
人番号」が通知されることになっています。
1.個人番号を受け入れる必要のある事務の洗い出し
企業としては、まずは従業員の個人番号を取得し、
⇒個人番号関係事務(雇用保険届出事務・源泉徴収
その後保管し、場合によっては廃棄する必要があり
票作成事務等の明確化)
ますが、個人番号の取得から廃棄までの方法として
2.取り扱う個人情報等の洗い出し⇒1 で明確化した
は、次の 3 パターンが考えられます。
事務において取り扱う特定個人情報等の範囲の明
(1)取得から廃棄までをすべて『クラウド・シス
確化(個人番号と関連付けて管理される氏名、生
テム等』で行う
年月日等)
(2)取得は『紙』で行うが、それ以降は『クラウ
3.事務取扱担当者の選任⇒明確化した事務に従事す
ド・システム等』で行う
る事務取扱担当者の明確化
(3)取得から廃棄までをすべて『紙』で行う
4.本人確認の方法
どのように取得・保管・廃棄を行うかをまだ決め
番号確認(正しい番号かどうか)と身元確認(番
ていない場合は、企業規模(従業員数)やマイナン
号の正しい持ち主であるかどうか)
バー関連業務に携わる担当者の数、かけることがで
5.個人番号・特定個人情報の記録・保存方法
きる手間や費用等に応じて、上記のいずれかの方法
*個人番号:特定の個人を識別する 12 桁の番号
を決定する必要があります。
*特定個人情報:個人番号をその内容に含む個人
◆平成 28 年 1 月から個人番号を記載
情報
来年 1 月からは、各種届出用紙に個人番号の記載
6.委託先の選定⇒個人番号の取扱事務を外部委託
が必要となります。社内体制を万全に整えたうえで
(税理士・社労士等)
制度スタートを迎えたいものです。
7.社内規程の整備⇒基本方針策定、特定個人情報取
扱規程作成、就業規則の改正(マイナンバー関連
10 月の労務の手続提出期限[提出先・納付
先]
13 日
8.委託契約書の整備⇒外部委託する場合特定個人情
○
雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降
9.組織的安全管理措置⇒組織体制の整備
に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定
10.人的安全管理措置⇒事務取扱担当者の教育・監督
規定の追加)
報ガイドラインの要件を満たす内容の契約書
所]
○
体制整備
労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降
11.物理的安全管理措置⇒特定個人情報を取り扱う
に一括有期事業を開始している場合>[労働基
区域の管理、機器・電子媒体等の盗難防止・電子
準監督署]
媒体の漏えい防止、電子媒体等の廃棄
11 月 2 日
○
12.技術的安全管理措置⇒情報システムを使用した
労働者死傷病報告の提出<休業 4 日未満、7 月~9
個人番号取扱事務のアクセス制御、アクセス者の
月分>[労働基準監督署]
識別と認証、外部からの不正アクセス等の防止、
○
健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
情報漏えいの防止
○
外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でな
い場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職
※
通知カードの厳重保管に関する従業員向けのア
業安定所]
ナウンス文書(ワード文書)を作成しましたので、
ご希望であれば、電子メールで送りますので、メー
ルアドレスを表示して当事務所にメールして下さい。
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