技術移転と私の歩み

Intellectual Property and Industry-University Collaboration
Workshop
技術移転と私の歩み
株式会社 先端科学技術インキュベーションセンター(CASTI)
代表取締役社長 兼 CEO 山本 貴史
HP : www.casti.co.jp
E-mail : [email protected]
新規事業提案までの経緯 n 教科書の余白の落書き
n 大学でのゼミで技術移転を選択
n ベンチャー志向からリクルート入社
n 営業時代の経験 (形の無いものを売る)
n HRM室での研究 (40歳の自分の顔)
n HR事業部の企画課長と新規事業 n 斉藤教授を囲む会 (成長の限界)
n 新規事業提案 (入選はしたが・・・・)
当時の主な検証項目
1.大学のSeedsとNeedsは ?
・企業が欲しがるSeedsはあるのか?
・教授は技術移転を行いたいのか?
・教授はTLOを望んでいるのか?
2.企業のNeedsと反応は?
・大学のSeedsを欲しているのか?
・TLOを望んでいるのか?
3.リクルートがやる意義・環境は?
・事業領域としてやるべきか?
・社会への貢献があるのか?
・大きな展開が見込めるか?
4.リクルートの実現可能性は?
・Seeds開拓 権利化 マッチングはで
きるのか?
・発明の評価はどうするのか?
・大学・企業から受け入れられるのか?
新規事業に正解は無い
いつの時代も新しいことは理解されない
96年
97年
98年
99年
00年
Niels Reimers氏と契約 with若 林
ベンチャーの研究
経営への提言
TLGスタート
戸田さんと出会い
TMD事 業 化
原さんを社内リクルート
野崎さんハンティング
スタンフォード大学等訪問
Niels Reimers氏と契約
大 学・TLOとの
提 携 with若林さん
リクルート退社
CASTI就 任
第1号ライセンス契約
ミニ事業化提案
本格事業提案
天 神・鷲巣・中野加入
杉本さん社内リクルート
中 嶋・
原田さん
加入
米国の産学連携による経済効果
米国の大学は知的財産を生み出すファクトリーとなり、産学連携に
より年間4兆円を超える経済効果と27万人の雇用創出を実現。
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417の新製品
344社のベンチャー起業
$40.9 billionの経済効果
27万人の雇用創出
対前年9%増のライセンス件数
11%増のライセンス収入
62%がベンチャー企業へのライセンス
年間5000を超える特許出願
日本の競争優位
日本の競争優位を実現するカギは『知識』であり、
知識社会の実現こそが、真の構造改革である。
・天然資源
×
・安価な労働力 × 〝 Knowledge 〟
『知識社会』の実現
事業構造の理解 (1)利益構造
スタンフォード大のライセンス収入のデータ
コンテンツビジネスの特徴
◆少数の良質のものが
大きな マーケットシェアを占める
◆内容がすべて異なる
$ 100万/件以上
$ 10万∼ $ 100万/件
3件
21件
111件
$2000万/年
$ 1万∼ $ 10万/件
$500万/年
122件
$ 1万$以下
$400万/年
$60万/年
ライセンス規模別の件数分布
=
マッチング型ビジネスが必要
マッチング型
コンテンツビジネスのスタイル
◆集合メディア型ではなく
技術の移転
特許の売買
(特に市場性の大きなもの)
↓
個別案件のマッチング
集合
メディア型
リクルートにとって
新たなノウハウ
ライセンス規模別の収入分布(推定)
ソフトや設備の購入
↓
情報誌、トレードショー
ヒト・資源の移転(参考)
↑
収益大
コスト大
個別性大
収益小
コスト小
共通性大
↓
経営者・高度な専門家の採用
企業のM&A仲介
↓
人材斡旋、ヘッドハント
投資銀行のディール、など
オペレーショナル人材の採用
FC募集、業務委託先の募集
↓
情報誌、人材フェア、FCフェアなど
事業構造の理解 (2)市場規模とトレンド
米 国 の 市 場 規 模(1)
日 本 の 市 場 規 模(2)
研究費をベースに比較した場合、
の日本の市場規模の推定。
アメリカTLOの総ライセンス収入推移
(AUTM Licensing Servey 1996より)
$700,000,000
※単位百万円 アメリカ $600,000,000
民間総研究費(A) 23,211,500 14,408,236
$500,000,000
日本
TLO総ライセンス
収入(B)
76,924
X
$200,000,000
B/A
0.33
Y
$100,000,000
Y=0.33とした場合 X= 47,547 百万円
$400,000,000
$300,000,000
$0
1991
1992
1993
1994
1995
1996
アメリカの市場規模は約770億円 ($1=¥130換算)。 また、年率20%程度の成長を続けている。
日本のTLO潜在的市場規模は
約480億円市場である。
※『科学技術指標1997年版』より参照(95)
事業構造の理解 (3)利益構造
+$
TLOビジネスの成長曲線はHockey stick curve
Hockey Stick
0
ー$
事業構造の理解 (4)マーケティングモデル
発明の技術の評価
教授情報
Rの収集情報
その技術の内容の
説明から
関連文献や専門家
へのヒアリングから
・技術の概要と背景
・現行技術の課題
・発明による解決ポイント
・応用の可能性、市場性
・その発明の課題
・技術の概要と背景
・現行技術の課題
・発明による解決ポイント
・応用の可能性、市場性
・その発明の課題
①新規性
・従来にない発想は何か
②優位性
・既存技術に比べ何が優れているか
ライセンシー候補絞り込み
特許性の評価
弁理士情報
出願特許の検索とそ
の技術との関連から
教授情報
弁理士情報
Rの収集情報
主に学会やつきあい 関連特許出願企業 企業の有価証券報告書
のある企業から
とその内容から
やHP等の会社情報から
・関連特許リスト
・パテントマップ
・特許公報
・海外特許情報
③用途
・用途は広いか、市場は大きいか
①新規性
・発明のどの部分に新規性がある
のか?
②優位性
・従来の方式との差異はどこか?
※ライセンシー候補がどう評価するかが
技術評価の中でもっとも重要
③用途
・周辺特許との関連性は?
※関連特許との比較が決めて
扱いの決定
権利化の確定
各企業の
・研究分野
・研究開発レベル
・関心
・共同研究実績
・関連特許出願状況
・特許出願の領域
・研究の方向性
・応用分野
・将来性
・事業戦略の方向性
・研究領域と注力度と開発費
・市場でのシェアと戦略、競合
・担当部署とキーマン
①事業戦略の方向性
・どの領域・分野に特化しようと考えているか
②実現可能性
・製造能力の高さ
・販路等市場優位性
③企業の関心・受け入れ風土
・外からの技術導入や大学との共同研究に対するスタンス
・その技術分野に対する関心度
企業の特定
そしてCASTIへ!
メーカーと商社の連動による
成功事例への挑戦!
今後も、どうか暖かく見守って下さい。