平成 27 年度 同朋幼稚園学校評価

平成 27 年度 同朋幼稚園学校評価
1.平成 27 年度 同朋幼稚園学校評価の流れ
○第 1 回 同朋幼稚園学校評価委員会開催(H27.5.26)
小学校長 1 名、同朋大学幼児教育専攻教員 1 名、保護者代表 2 名、地区児童委員 5 名に、平成 27 年度同
朋幼稚園学校評価委員を委嘱するとともに、その内容と流れについて説明をした。その後、園内見学をしてい
ただいた。なお、同朋幼稚園長、教頭の 2 名も評価委員に加わる。
○第2回 同朋幼稚園学校評価委員会開催(H27.9.28)
1学期の教員自己評価結果について意見をいただいた。また、運動会等の見学等案内をした。
○第3回 同朋幼稚園学校評価委員会開催(H28.2.10)
2学期の教員自己評価結果について意見をいただき、今年度の教員自己評価が適当に実施されたことをお
認めいただいた。また、運動会見学の感想や、幼稚園教育へのご意見や次年度の評価項目に関するご意見を
いただいた。
2.平成 27 年度 同朋幼稚園学校評価、教員自己評価項目
本年度重点的に取り組む目標・計画
・子どもの実態に応じた指導計画を立てる。
・「健康」領域の計画を中心に、同朋幼稚園としての教育の充実を目指す。
評価項目の達成及び取組状況
(A:できた B:ほぼできた C:できなかった)
1.同朋幼稚園の教育課程の中に「子どもの姿」を入れる。
1)領域「健康」に関する子どもの姿を捉えることができたか。
2)領域「人間関係」に関する子どもの姿を捉えることができたか。
3)領域「環境」に関する子どもの姿を捉えることができたか。
4)領域「言語」に関する子どもの姿を捉えることができたか。
5)領域「表現」に関する子どもの姿を捉えることができたか。
6)各月ごとに、教員間で話し合って「子どもの姿」を示すことができたか。
7)取組み状況
2.学期ごとに、各教員が指導計画案をもとにした教育を行う。
1)年間の指導計画をもとに、月・週の指導計画が作成できたか。
2)月・週の指導計画には、子どもの姿が反映されていたか。
3)月・週の指導計画作成にあたって、教員間の話し合いはできていたか。
4)行事を指導計画の中にうまく組み入れることができたか。
5)計画した日案をもとに、1 日の指導ができたか。
6)計画した目標は達成できたか。
7)取組み状況
3.健康の目標
・園児一人ひとりが健康生活を行うための生活習慣ができている。 ・全身を動かして活発に遊べる。
・友達と競争したり、協力したりして遊べる。・自分の目標をもって運動遊びができる。
1)生活習慣について一人ひとりの子どもの状況を把握できたか。
2)うがい・手洗いなどの方法について、正しい方法を指導できたか。
3)全身を動かして遊ぶ、遊びや場面を作り出すことができたか。
4)遊びの中で、競争や協力の楽しさを伝えることができたか。
5)遊びの中で、子どもたちの意図や工夫を観察することができたか。
6)運動スキルについて、子どもの目標を理解して指導できたか。
7)取組み状況
上記のような目標をあげ、それぞれの評価項目の達成をA・B・Cで教員が自己評価をした。また、『取組状況』
は自由記述とした。
3.1 学期の自己評価結果の概評
・全体の概評
評価項目の達成度については全部で 18 項目あり、3歳から5歳の担任の自己評価は、A評価が 45%、B評価が
50%、C評価が 5%となっている。A評価が多いのは5歳児、3歳児、4歳児の順で、B評価は4歳児、5歳児、3歳児
の順である。C評価は5歳児に1件、3歳児に2件あったが、特記すべきは3歳児の2件が両担任とも「指導計画作成
に当たって、教員間の話し合いはできていたか」をC評価にしていたことである。
1学期の自己評価であることを差し引いても、A評価の項目が少ないように思われる。正直なのか、自信がないの
か、もう少し全教員間の話し合いや助言・提言を増やし、教育内容の向上に務めるべきである。
・(1.同朋幼稚園の教育課程の中に「子どもの姿」を入れる)の概評
教員それぞれが標準的な子どもの発達に伴う「子どもの姿」を捉えた上で、現在担任している「子どもの姿」、あ
るいは同朋幼稚園の「子どもの姿」を捉え、指導計画を立てようとしていることが伺える。しかし、全体の概評でも述
べたが、3歳児の担任同士の話し合いが不十分であったことは残念である。
・(2.学期ごとに、各教員が指導計画案をもとにした教育を行う)の概評
言葉で表現すると、おおむね望ましい教育内容を実践している。今後はそれぞれの担任が互いの教育技術に
ついてよかった点を指摘したり、改める点を助言したりして、それぞれの教育内容に自身が持てるようにすべきで
ある。
・(3.健康の目標)の概評
健康領域の目標なので、もう少し具体的な指導内容を挙げられるとよかった。その具体的内容を満3歳児から5
歳児まで積み上げていくことで、同朋幼稚園の1領域の教育内容が浮かび上がるのではないだろうか。
4.2 学期の自己評価結果の概評
・全体の概評
2学期の全体をまとめてみてみると、A評価が 53%、B評価が 47%でC評価はなかった。C評価がなくなったのだ
が、1学期とさほど変わらない自己評価であった。原因は『1学期の反省から、目標を意識して保育をしてきたのだ
が、保育内容の質をあげようとするにつれて自己評価が厳しくなった』ということのようだ。
・(1.同朋幼稚園の教育課程の中に「子どもの姿」を入れる)の概評
年少クラスでは「幼稚園における生活自立がどこまでできているか」や「身辺整理の様子」などを中心に「子ども
の姿」を捉えてきた。また、年中クラスでは「それぞれの活動に対しての子どもの意欲とその結果」を見て、年長クラ
スでは「子どもたちの主体性と社会性の育ち」を中心にして「子どもの姿」を捉えていた。
この捉え方は子どもたちの年齢発達に合わせたものであり、妥当な捕らえ方である。また、1学期の反省も踏ま
え、教員間での話し合いなども多くなっている。
・(2.学期ごとに、各教員が指導計画案をもとにした教育を行う)の概評
年少・中クラスでは子どもの姿や実態を大切にして週案を作成していた。また、年長クラスでは、教育課程を月・
週案に下すことを大切にしてきた。本来は年長クラスが行った方法が妥当であろうが、子どもの能力差が大きい年
少・中クラスや、幼稚園生活の自立度にばらつきがある年少クラスでは、上記のような方法が現実的で妥当な方法
だったと考える。
また、5)の目標達成の項目について、教員の記述がなかったが。反省会等で個別に意見を求めたところ、「指
導においては目標を十分意識しているが、それを検証する基準がはっきりしていなかった」というのが大方の反省
であった。今後は、目標設定とその達成基準までを考えて指導計画案を作成する必要がある。
・(3.健康の目標)の概評
生活習慣やうがい・手洗いなどは、各年次とも毎日の保育の中でしっかり押さえているようである。これらの項目
は園生活を始めるに当たっての基本であり、年少クラスにおいて十分に教育されていることである。
遊びの支援については、保育の中での具体的な支援内容を記述している。運動会もあり、多様な遊びを提供し
ていることがうかがえる。
5.教員による反省会のまとめ
全体の反省会では、評価項目3の領域「健康」の部分に多くの意見が出た。「遊びが持続しない。遊びが広がっ
ていかない。「疲れた」という言葉をよく聞く。一人遊びが多い。集団遊びでは、リーダーが決まった子どもになって
しまう。遊びを継続させる指導は難しい。意欲を引き出す指導は?」などである。
また、「記録に残すと子どもがわかる」「園庭で、年齢の違う子供たちが同時に遊ぶことは難しい。園庭使用のル
ール作りを」というのも出た。今回の自己評価やそれに伴う話し合いを持ったことで、新規に実施することが適当と
思われることや従来の方法を改善すべきことに気づかされたり、自分たちの保育を客観視できたりした。