アンケート詳細版 - 中国経済連合会

「中国やまなみ街道」全通後の波及効果について
∼観光施設・道の駅におけるアンケート調査結果∼
(詳細版)
中国経済連合会
平成28年3月
1.調査の目的と方法
(1)調 査 の 目 的
中 国 や ま な み 街 道 全 通 後 3 ヶ 月 間 (H27 年 4 月 ∼ 6 月 )の 波 及 効 果 を 把 握 。
(2)調 査 対 象
中 国 や ま な み 街 道 と そ れ に 接 続 す る 高 速 道 路 沿 線 の 地 域 に お け る 189 の 観 光
施 設 、 31 の 道 の 駅 を 対 象 。
(注 )松 江 道 開 通 後 の 調 査 (平 成 25 年 度 実 施 、 以 下 前 回 調 査 と い う )と 同 様 の 範 囲
を 対 象 。 前 回 調 査 で は 、 入 館 者 数 が 公 表 さ れ て い る 153 の 観 光 施 設 を 対 象
と し た が 、 今 回 は そ れ に 加 え て 尾 道 自 動 車 道 沿 線 の 36 施 設 (入 館 者 数 非 公
表 )を 追 加 。 道 の 駅 は 松 江 道 開 通 時 に 開 設 さ れ た 2 施 設 を 追 加 。
(3)調 査 時 期 ・調 査 方 法
平 成 27 年 7 月 に 郵 送 配 布 ・ 郵 送 回 収 方 式 で 実 施 。
(4)回 収 結 果
対象
観光施設
(
配布数
)内 は 前 回 調 査 の 回 収 率
有効回収数
有効回収率
189
126
66.7%(61.4%)
31
30
96.8%(89.7%)
道の駅
(注 )以 下 、 結 果 図 表 中 の n は 回 答 数 で あ り 、 不 明 が あ る た め 有 効 回 収 数 と は 異 な る
場 合 が あ る 。 ま た 、 %表 示 は 小 数 第 2 位 を 四 捨 五 入 し て い る た め 、 合 計 し て も
100%に な ら な い 場 合 が あ る 。
(5)地 域 区 分
前回調査と同様、4 エリアに区分して、波及効果等を分析。
エリア区分
松江市
島根北部
安来市
三刀屋木次IC
出雲市
雲南市
吉田掛合IC
奥出雲町
雲南吉田IC
大田市
島根南西部
島根南西部
飯南町
美郷町
高野IC
庄原市
口和IC
広島北部
三次東JCT.IC
三次市
北広島町
三良坂IC
吉舎IC
神石高原町
甲奴IC
安芸高田市
世羅町
広島南部
世羅IC
府中市
尾道北IC
尾道市
東広島市
三原市
1
尾道JCT
福山市
2.観光施設への波及効果
● 松江 道開通後の好影響に続き、やまなみ街道全通による第 2 段階目の好影響
が発 現
・ 前 回 調 査 で は 、 松 江 道 開 通 の 波 及 効 果 に つ い て 高 く 評 価 さ れ た が (波 及
効 果 の 第 1 段 階 )、 そ れ に 続 く 第 2 段 階 目 の 好 影 響 が 発 現 。
・松江道開通時には出雲大社の平成の大遷宮とも重なり、好影響は島根
北部に集中したが今回はそれ以外の地域でも好影響が広がる。
・特に、広島北部エリアは中国やまなみ街道の中間地点であることから、
広域からの観光バスの立ち寄り地に選ばれている状況。
・ 広 島 南 部 エ リ ア も 前 回 調 査 に 比 べ る と 好 影 響 が で て い る が 、「 道 の 駅 せ ら 」
開 業 が 5 月 下 旬 で あ っ た こ と 等 か ら 、短 期 的 に は 好 影 響 の 出 方 が や や 低 め
にとどまる。
やまなみ街道全通の影響の評価 【 H27 年 4∼ 6 月 の 対 前 年 比 較 】
良い
ほぼ変わらない
0%
20%
全体(118)
悪い
40%
60%
40.7
島根北部(58)
56.8
46.6
島根南西部(17)
64.7
広島北部(21)
0.0
11.8
47.6
47.6
31.8
100%
2.5
53.4
23.5
広島南部(22)
80%
4.8
68.2
0.0
【参考:松江自動車道全通の影響】
松江自動車道全通の影響の評価 【 H25 年 4∼ 6 月 の 対 前 年 比 較 】
良い
ほぼ変わらない
0%
20%
全体(88)
広島北部(6)
広島南部(13)
40%
60%
80%
54.5
44.3
島根北部(55)
島根南西部(14)
悪い
41.8
58.2
14.3
78.6
23.1
76.9
2
1.1
0.0
7.1
66.7
33.3
100%
0.0
0.0
● 高 速 道 路 の ネ ッ ト ワ ー ク 効 果 に よ り 集 客 範 囲 が 四 国 ・山 陽 道 沿 線 に 拡 大
・ や ま な み 街 道 と し ま な み 海 道 ・山 陽 自 動 車 道 が 結 節 し た こ と で 、 四 国 を
は じ め 岡 山 県 ・山 口 県 ・近 畿 ・九 州 等 の 山 陽 道 筋 か ら の 集 客 が 増 加 。
・中 高 年 者 、フ ァ ミ リ ー 連 れ 等 多 く の 階 層 で 増 加 。但 し 、観 光 バ ス や 若 者
の増加は松江道開通時よりも低い。
入館者における変化(全体)
0%
20%
長くなった
滞在時間
40%
短くなった
60%
80%
94.1
広がった
ほぼ変わらない
51.7
48.3
増えた
減った
12.6
6.8
ほぼ変わらない
75.6
11.8
84.7
8.5
12.5
中高年者
ファミリー連れ
83.3
4.2
31.9
63.9
4.2
23.5
平日客
週末客
100%
ほぼ変わらない
4.2 1.7
集客範囲
観光バスの来訪
一人あたり消費額
若者
(n=121)
73.1
3.4
20.7
69.4
9.9
31.4
57.9
10.7
【参考:松江自動車道全通の影響】
入館者における変化(全体)
0%
20%
長くなった
滞在時間
40%
短くなった
10.9
60%
ほぼ変わらない
44.7
増えた
0.0
55.3
減った
29.0
ほぼ変わらない
6.5
64.5
6.5 4.3
89.1
29.0
中高年者
ファミリー連れ
平日客
週末客
100%
84.8
広がった
若者
80%
ほぼ変わらない
4.3
集客範囲
観光バスの来訪
一人あたり消費額
(n=94)
0.0
39.8
29.0
71.0
2.2
58.1
2.2
29.8
68.8
5.3
42.6
64.9
5.3
52.1
エリア
集客特性
島根北部
・松 江 市 そ の 周 辺 で は 増 加 が 継 続 中 、温 泉 地 等 で は 出 雲 大
社 の 平 成 の 大 遷 宮 の 反 動 減 は あ る が 、集 客 数 は 松 江 道 開
通前水準を上回る。雲南市のたたら資源は増加が継続。
広島県、四国から増加。
島根南西部
・ 減 少 施 設 が 多 い が 、 大 田 市 (石 見 銀 山 )で は 四 国 か ら 増 加
広島北部
・大幅増加施設が多い、四国、岡山、山口等から増加
広島南部
・世 羅 地 域 は 1 割 弱 の 増 加 、尾 道 周 辺 は 増 減 が ま だ ら 模 様
だが島根県が増加
3
中国やまなみ街道全通の影響による入館者数の動向
集客が増えた地域(島根北部)
0%
増加が継続中
松江市
鳥取県
20%
40%
60%
島根県
9.1
33.3
広島県
84.8
山口県
12.1
九州
6.1
四国
60.6
6.1
近畿
安来市
島根北部
出雲市
100%
3.0
岡山県
出雲大社の平成の大遷宮の
反動減がみられるが、
松江道開通前より増加
(n=33)
80%
その他
0.0
雲南市
減少施設が多いが、四国から増加
たたら資源は
増加が継続中
島根南西部
大田市
島根南西部
集客が増えた地域(島根南西部) (n=8)
0%
奥出雲町
鳥取県
20%
島根県
飯南町
80%
50.0
山口県
0.0
九州
12.5
四国
庄原市
大幅増加施設が多い
100%
25.0
広島県
広島北部
60%
12.5
岡山県
美郷町
40%
0.0
87.5
近畿
0.0
その他
0.0
三次市
神石高原町
北広島町
集客が増えた地域(広島北部)
広島南部
安芸高田市
20%
60%
30.0
島根県
府中市
50.0
岡山県
増減がまだら模様
福山市
50.0
広島県
30.0
山口県
10.0
九州
50.0
四国
東広島市
三原市
尾道市
近畿
10.0
その他
10.0
集客が増えた地域(広島南部)
0%
20%
鳥取県
40%
16.7
0.0
山口県
16.7
0.0
四国
4
80%
(n=6)
100%
83.3
岡山県
九州
60%
16.7
島根県
広島県
(n=10)
40%
0.0
鳥取県
1割弱の増加
世羅町
0%
33.3
近畿
16.7
その他
16.7
●今後の課題としては「広告宣伝の強化」を意識
・中 国 や ま な み 街 道 全 通 に 合 わ せ た 取 り 組 み の う ち 特 に 重 要 な も の と し て
は 、「 広 告 宣 伝 活 動 の 強 化 」 が 突 出 。 今 後 力 を い れ て い く こ と も 同 様 。
松江道開通時には「道の駅での情報発信や集客対策」が多かったが、
道の駅での情報発信等は一定程度定着してきているものと推察。
全通にあわせて取り組んだこと(特に重要なもの)
全通にあわせ取り組んだこと(12)
今後力を入れていくこと(18)
0%
20%
0.0
販売部門の充実
40%
60%
11.1
8.3
11.1
飲食部門の充実
イベント・催し物の開催
16.7
5.6
広告宣伝活動の強化
58.3
33.3
0.0
旅行業者との連携強化
11.1
8.3
5.6
道の駅での情報発信や集客対策
他の観光施設との連携による集客対策
8.3
11.1
接客サービスの向上
8.3
11.1
従業員の増加
0.0
0.0
その他
0.0
5.6
【参考:松江自動車道全通の影響】
全通にあわせて取り組んだこと(特に重要なもの)
全通にあわせて取り組んだこと(26)
今後力を入れていくこと(26)
0%
20%
販売部門の充実
3.8
飲食部門の充実
3.8
イベント・催し物の開催
7.7
11.5
0.0
23.1
旅行業者との連携強化
道の駅での情報発信や集客対策
19.2
他の観光施設との連携による集客対策
7.7
7.7
接客サービスの向上
7.7
7.7
その他
42.3
15.4
15.4
0.0
60%
11.5
広告宣伝活動の強化
従業員の増加
40%
3.8
3.8
11.5
5
34.6
3.道の駅への波及効果
●やまなみ街道の全通により沿線地域のほほ全域で好影響
・松 江 道 開 通 時 に は 、好 影 響 は 島 根 北 部 エ リ ア に 強 く で て い た が 、今 回 は 広
島南部エリアを始め、好影響が広がる。
やまなみ街道全通の影響の評価
良い
0%
20%
全体(27)
ほぼ変わらない
40%
60%
11.1
10.0
25.0
50.0
25.0
広島北部(7)
0.0
71.4
28.6
広島南部(6)
100%
60.0
30.0
島根南西部(4)
80%
55.6
33.3
島根北部(10)
悪い
16.7
33.3
50.0
【参考:松江自動車道全通の影響】
松江自動車道全通の影響の評価
良い
0%
全体(26)
20%
ほぼ変わらない
40%
20.0
50.0
島根南西部(4) 0.0
16.7
広島南部(6)
16.7
100%
30.0
25.0
75.0
広島北部(6)
80%
26.9
46.2
26.9
島根北部(10)
60%
悪い
33.3
50.0
66.7
6
16.7
・前 回 調 査 で は 、来 訪 者 数 や 売 り 上 げ が「 減 少 し た 」と い う 回 答 は「 増 加 し た 」
という回答の 2 倍以上に達していたが、今回はその割合が逆転。
・ 高 速 道 路 IC か ら 5km 以 内 の 施 設 は 売 り 上 げ が 増 加 、 I C か ら 離 れ る と 増
減がまだら模様となり、道の駅の売上げに対する高速道路からのアクセス
の影響力は大。
売り上げの増減
増えた
0%
20%
ほぼ変わらない
40%
全体(29)
41.4
島根北部(10)
40.0
島根南西部(5)
減った
60%
80%
17.2
41.4
10.0
20.0
50.0
40.0
広島北部(8)
50.0
広島南部(6)
50.0
100%
40.0
12.5
37.5
16.7
33.3
【参考:松江自動車道全通の影響】
売り上げの増減
増えた
0%
全体(22)
減った
20%
40%
13.6
島根北部(8)
ほぼ変わらない
60%
80%
36.4
50.0
37.5
25.0
37.5
島根南西部(3) 0.0
33.3
66.7
広島北部(6) 0.0
33.3
66.7
広島南部(5) 0.0
100%
60.0
40.0
ICからの距離×売り上げの増減割合
40
売り上げの増減割合(
%)
30
20
10
0
0
5
10
15
20
25
-10
-20
-30
-40
ICからの距離(km)
7
30
35
40
● や ま な み 街 道 全 通 に あ わ せ「 飲 食 」
「 直 売 」部 門 の 充 実 を 図 る 取 り 組 み を 展
開。各施設のセールスポイントとしては食事とお菓子を始めとした「食」
を重視
・観光施設に比べると、道の駅は物品購入と飲食など「消費空間」としての
性 格 が 強 く 、施 設 間 が 競 合 す る 傾 向 が あ る 。こ の た め 、各 道 の 駅 に お い て
は 、そ の 土 地 な ら で は の 商 品 や サ ー ビ ス 提 供 に よ る 個 性 化 に 取 り 組 ん で お
り、やまなみ街道全通にあわせ、飲食部門等の充実を図る取組を実施。
・今 後 よ り 力 を 入 れ よ う と し て い る こ と は「 加 工 販 売 部 門 の 充 実 」
「広告宣伝
活 動 の 強 化 」「 地 域 観 光 業 と の 連 携 強 化 」 な ど 。
全通にあわせ取り組んだこと(全体)
全通にあわせ取り組んだこと
0%
今後力を入れていくこと
20%
40%
20.0
直売部門の充実
33.3
33.3
36.7
飲食部門の充実
23.3
イベント・催し物の開催
33.3
26.7
観光情報提供機能の強化
40.0
13.3
広告宣伝活動の強化
36.7
20.0
地域観光業との連携強化
3.3
防災拠点機能の強化
60%
26.7
13.3
加工販売部門の充実
(n=30)
40.0
10.0
26.7
接客サービスの向上
36.7
16.7
16.7
従業員の増加
6.7
6.7
その他
【参考:松江自動車道全通の影響】
全通にあわせ取り組んだこと(全体)
全通にあわせ取り組んだこと
0%
今後力を入れていくこと
20%
40%
30.8
26.9
加工販売部門の充実
飲食部門の充実
15.4
イベント・催し物の開催
15.4
38.5
38.5
30.8
38.5
42.3
観光情報提供機能の強化
23.1
広告宣伝活動の強化
42.3
34.6
地域観光業との連携強化
3.8
防災拠点機能の強化
30.8
0.0
3.8
3.8
50.0
11.5
接客サービスの向上
その他
60%
23.1
直売部門の充実
従業員の増加
(n=26)
7.7
8
50.0
・道 の 駅 を 特 徴 付 け て い る 商 品 ・サ ー ビ ス と し て は 、食 事 と お 菓 子 類 が 多 い 。
施設を特徴付けている商品・サービス
0
5
10
15
15
食べ物(食事)
4
食べ物(野菜・魚)
3
食べ物(加工品)
2
食べ物(飲料)
体験
20
8
食べ物(お菓子類)
歴史
(n=29)
1
2
(注)複数回答として集計
9
4 . 中 国 や ま な み 街 道 全 通 に よ る 波 及 効 果 (ま と め )
① 沿 線 地 域 に は 、松 江 道 開 通 時 に 続 く 第 2 段 階 目 の 好 影 響 が 発 現 。前 回 落 ち
込んだエリアへも好影響が広がる。
② 陰 陽 間 の 交 流 が 双 方 向 に な っ た こ と に 加 え 、し ま な み 海 道 ・山 陽 道 と の 接 続
に よ り 集 客 範 囲 が 拡 大 。更 な る 広 域 観 光 振 興 の 観 点 か ら 山 陰 道 整 備 促 進 に
期待。
・ 松 江 道 開 通 時 に は 、岡 山 米 子 線 、 鳥 取 自 動 車 道 、 山 陰 道 等 も 利 用 し た 広
域 観 光 商 品 (大 阪 発 、 福 岡 発 な ど )が 創 出 。 今 回 も 瀬 戸 大 橋 、 し ま な み 海
道 を 併 用 し た 四 国 ・山 陽 ・山 陰 を つ な ぐ 周 遊 ル ー ト を 始 め 、 四 国 、 近 畿 、
九州からの広域観光商品 が創出。
・ 山 陰 道 は 比 較 的 整 備 が 進 む 出 雲 ・鳥 取 間 を 利 用 し た 観 光 商 品 が 創 出 。 但
し 、出 雲 よ り 西 部 方 面 の 山 陰 道 の 整 備 の 遅 れ に よ り 、広 域 観 光 ル ー ト 形
成 が 立 ち 後 れ て お り 、 広 域 観 光 等 の 多 様 な 交 流 の 推 進 を 図 る 上 で も 、出
雲以西の整備推進が必要。
③沿線の道の駅では「食」による特徴付けが進展。地域のゲートウェイとし
て観光面での役割強化に期待。
・道の駅では今後は観光業との連携強化を志向。観光情報発信に加え観光
案内、体験プログラムの販売機能等を備えた観光地域づくりプラットフ
ォーム としての役割発揮に期待。
10