別紙1 平成28年度地中熱等導入促進事業調査業務委託仕様書(案) 1 案件名称 平成28年度地中熱等導入促進事業調査業務委託 2 実施目的 大阪市域は、地下水が豊富でかつ地上に熱需要の高い事業所が集中し、地下水の熱利用 ポテンシャルが高い。一方、本市内は過去に経験した地盤沈下により、それが沈静化した現 在もなお揚水規制が敷かれており、前述の高いポテンシャルを活かしきれていない。 このような状況の下、本市は、平成 27 年度にポテンシャル調査を行い地中熱利用の適地 の顕在化を行った他、産学官で実施している、地盤沈下を回避可能な大容量オープンループ 方式による蓄熱利用システムの開発(※1)にも参画しており、平成 28 年度からは市内中 心部での実証(以下「実証事業」という。 )を予定している。 本業務では、その開発成果を見究めるため実証事業の周辺環境調査を実施し、地盤沈下 を回避しながら地下水を適性に有効利用するための新たなルールや管理手法を検討するこ とで、新たな地下水有効利用のあり方をとりまとめるとともに、現行制度並びに新たなルー ルの下での地中熱利用の実現可能性調査を行うことで、地中熱の飛躍的な利用促進を図るこ とを目的とする。 3 業務委託内容 (1)基礎資料収集・整備 ・市内中心部の地盤構造(砂礫層・粘土層等)の資料収集 ・市内中心部における地下水特性、地盤沈下特性の把握及びデータ整理 ・現行揚水規制制度の検証、地下水の有効利用に関する国内外の技術・制度動向の把握 ・その他文献調査 (2)実証事業の効果検証 ・実証事業による地盤沈下の予測手法及びその範囲の検討並びに予測結果の評価手法の 検討 ・実証事業(揚水規制対象地域外※)のデータ等から地盤沈下の回避効果の検証及び市内 エリアでの予測 ※市内での実証の前段階として、揚水規制対象外である兵庫県高砂市においてプレ実証 を行っており、平成 28 年度から運転開始予定である。 (3)実証事業周辺影響調査 ・実証事業(平成28年度中に構築、実証運転開始予定)が周辺地盤等に影響を及ぼす恐 れを適切に把握するための観測井の配置及び数量等の調査計画の立案並びに観測井の 設置とモニタリングの開始(観測井の掘削時に併せて行う土質の物性調査の調査項目 及び調査方法の立案並びに調査・分析を含む) ・その他の評価項目(熱利用による水質及びヒートバランスの変化等)及び調査方法の 立案並びに調査・分析 (4)地盤環境の保全のための新たな管理指標の検討 実証事業の成果の活用による蓄熱利用を想定した、地盤沈下等を回避するために指標 1 とすべき項目を抽出し、その適正値の範囲を提案すること。 (5)事業可能性調査 実証事業対象地周辺における開発モデル事例を対象にオープンループ方式帯水層蓄熱 利用を想定した事業可能性調査(大容量化等、実証事業による低コスト化を見込んだ 事業性向上効果の感度分析を含む)を行うこと。 ・市内エリアにおけるオープンループ方式による季節間・昼夜間蓄熱効果の検証 ・CO2削減効果の検討、予測 ・概算事業費等(設備導入費、ランニングコスト、投資回収年数)の算出 (6)新たな地盤環境管理手法の適用可能な地域の抽出 市内エリアのうち、 (1)から(5)の成果を踏まえ、新たな管理指標を適用し得る地 域の範囲を検討すること。 (7)検討会の運営支援 上記業務については、本市が別途設置する検討会(学識経験者、環境省担当官で組織) に適宜諮りながら進めること。なお検討会は 3 回/年程度(東京・大阪・兵庫県高砂市 を想定)とし、実施にあたっては、本市の求めに応じ関係者との調整、会場手配・会場 設営、資料作成(委員への説明を含む) 、出席者の手配、大阪市の基準に準じた委員へ の報酬及び旅費の支払、事後のフォローアップ等を行うこと (8)地下水有効利用のあり方検討 実証事業の運転開始以降のモニタリング、周辺調査、新たな指標等の検討成果及びそ の後の方向性を見据えた検討方針を取りまとめること。 (9)報告書 上記(1)から(8)についての結果を報告書に取りまとめること。 留意事項 本事業は、平成27年度から平成30年度にかけて、産学官連携で実施している大容量の地 下水熱利用システムの技術開発・実証事業(※1、2)の進捗に併行して進めるため、平成 28年度から3年計画の事業としている。2年目以降の主な業務概要は次のとおりである。 【平成29年度】実証施設周辺影響の把握及び解析並びに新基準の検討 【平成30年度】規制緩和に向けた新たな制度案のとりまとめ 上記の成果は、大阪市域における地下水採取規制のあり方としてとりまとめ、国に意見 具申する予定である。 ついては、平成29年度以降の業務計画を含めた企画提案を行っていただくことも差し支 えない。 ただし、平成29、30年度の契約を保障するものではない。 (※1) 事業名:環境省 平成27年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業 プロジェクト名:「帯水層蓄熱のための低コスト高性能熱源井とヒートポンプのシステ ム化に関する技術開発」 参考URL:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/cpttv_funds/ongoing.html 【平成28年度】大阪市内に低コスト高性能熱源井を構築 2 【平成29年度】大阪市内にて実証試験 (※2) 事業名:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 平成27年度 再生可能エネルギー熱利用技術開発 プロジェクト名:「都市域における、オープンループシステムによる地下水の大規模熱 源利用のための技術開発」 【平成28年度】掘削マシーン、観測井構築(近傍季節井戸データとの比較、ローコスト 化の検証等) 【平成29年度】観測網構築 【平成30年度】データ収集、データベース化、支援システム構築 4 契約期間 契約日から平成 29 年3月 31 日(金)まで(予定) 5 業務実施体制 上記3の業務の履行にあたり、効率的・効果的な業務実施体制を整えること。 <業務実施体制の提案にあたっての留意点> (1)提案した業務に応じた事業実施体制を提案すること。 (2)業務管理や情報管理の体制について記載すること。 (3)本市との協議の上、進捗状況の報告会を適宜実施し、事業に反映させること。 6 業務実施に関する基本的な条件 (1)経理・支払に関する条件 ア 受託者は本市の会計年度(4月1日~3月31日)に合わせて事業報告を本市に対 して行うものとする。 イ 委託金額の支払いについては、委託契約期間内に業務を完了した後、本市による 内容の検査を経て、契約金額を支払うものとする。 ウ 全ての証拠書類は、本業務終了後、5年間保存すること。 (2)その他の条件 ア 本業務の準備や運営については、当該契約者のプロポーザル(提案)どおりに実 施できない場合がある。 イ 受託者が交代する場合は、円滑な引き継ぎに協力するとともに、必要なデータ等 を遅滞なく提供すること。 ウ 契約書や仕様書に定めのない事項については、その都度、双方協議のうえ定める。 エ 契約締結後に本仕様書に疑義が生じた場合は、本市の解釈に従うこと。 オ 本業務委託で得られた情報については、適宜本市担当者の指示に従い報告するこ と。 7 報告書、成果品の提出及び打合せ、進捗状況の報告 (1)業務の進捗状況については、平成28年11月30日までに中間報告書を提出すること。 3 中間報告書については、印刷物(A4版)3部並びに電子媒体3部(本市指定の形 式)を環境局環境施策部環境施策課エネルギー政策グループへ提出すること。 (2)最終成果報告書を平成29年2月17日までに提出すること。また提出前に環境局環 境施策部環境施策課エネルギー政策グループ、関係部局へ報告会を実施し、修正 指示等を受けること。報告書については、成果報告書及びその概要版を印刷物 (A4版)10部並びに電子媒体10部(本市指定の形式)として環境局環境施策部 環境施策課エネルギー政策グループへ提出すること。 (3)毎月1回以上進捗状況を環境局環境施策課エネルギー政策グル―プに報告するこ と。打合せの日程調整は本業務の受託者が環境局と密に連絡を取り、決定すること。 (4)環境省の「平成28年度再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」実施報 告書を作成すること。 8 提出先、問合せ先 〒545‐8550 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-1(あべのルシアス13階) 大阪市環境局環境施策部環境施策課(エネルギー政策グループ) Tel:06-6630-3479 Fax:06-6630-3580 E-Mail:[email protected] 4
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