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セラミックスの本質的な性能を発現させる革新的配向技術
~グラフェン複合化粒子を用いた低磁場配向技術~
グラフェン複合化粒子を用いた低磁場配向技術
大学院環境情報研究院 教授 多々見 純一
分野・用途
高熱伝導率窒化ケイ素放熱基板、高機能圧電セラミックス、高機能誘電体セラミックスなど
研究概要
セラミックスは配向させる事により
本質的な優れた特性を発揮
160
熱伝導率
率 / W(mK)-1
140
β-Si3N4粒子の熱伝導率
c軸
180W/mK
a軸
69W/mK
実際に
3倍弱の向上
倍弱 向上
c軸配向させると
120
100
80
60
40
柱状粒子を
c軸方向に配向
20
無配向
0
板厚⽅向に⾼熱伝導率が期待
c軸配向
1
2
配向による熱伝導率向上
従来法の磁場配向技術により
従来法の磁場配向技術に
よりC
C軸配向させた
軸配向させたSi
Si3N4の熱伝導率
グラフェン複合化粒子を用いたSi3N4低磁場配向セラミックス
X線回折結果
静磁場で配向可能
S
S
S
002
0.4T(市販Nd磁石)
20
30
(関連する知的財産権;特願2015-043862)
高耐久性高熱伝導率のパワーデバ
イス用放熱板への応用
超伝導磁石
1T
0T
210
N
10T
2T
200
N
C軸配向を示す
回折ピーク
101
低磁場で配向可能
110
N
グラフェン複合化Si3N4粒子
Intensity / a.u.
Si3N4
グラフェン
磁化率、
磁化率、
異方性 小
異方性 大
高磁場必要
低磁場で配向可能
c軸配向に回転磁場
必要
(a< c<0)
40
2θ / °
50
60
70
SEM観察結果
グラフェン複合化Si3N4粒子
磁場配向セラミックス断面
C軸配向のSi3N4セラミックができれば、
☆ 板厚方向に高熱伝導率
☆ 熱疲労特性の向上(高強度化)
他のセラミックス材料への応用も可能!
Si3N4粒子にグラフェン
ナノ粒子が被覆
Si3N4針状粒子が配向
本研究の一部は、神奈川科学技術アカデミー(KAST)戦略的シーズ育成事業の支援を受けて行われました。
0
関連した研究成果
透明サイアロン(SiAlON)蛍光バルクセラミックス
典型的な白色LEDの構造
白色光
本技術 透明サイアロンバルク蛍光体 =樹脂の不使用
蛍光体
樹脂
樹脂フリーによるLEDの
長寿命化・高輝度化・高出力化を実現!
【紫外線励起による発光の様子(展示)】
青色・紫色・紫外線LED
LEDのトレンド・・・高出力・高輝度化
多彩な発光色
が可能!
‐SiAlON
高出力化・長寿命化の課題
‐SiAlON
電力↑
出力↑
効率↓
デバイスの故障
樹脂の劣化
LEDの
寿命低減
黄色、赤色の
蛍光も可能
 SiAlON
‐SiAlON
‐SiAlON
‐SiAlON
マイクロカンチレバー試験片を用いた局所領域の破壊特性評価
開発した手法
セラミックスの強度・破壊・寿命
マイクロカンチレバー試験片の
局所領域(結晶粒子、粒界、第二相など)の
FIB加工
強度・破壊・寿命に支配 しかし、実測は困難!
本手法の特徴
○実質的で定量的な材料開発
⇒材料開発時間を短縮化
○実部材(損傷・腐食部位を含む)からのサンプリング
マイクロカンチレバー
⇒損傷・寿命予測
○あらゆる材料(多孔体、膜、繊維、粒子等)に適用可能
⇒高い波及効果
○手法の標準化
⇒パラメーター特許の取得による差別化
課題
測定例:Si3N4セラミックス
粒界
焼結助剤
多結晶体
破壊靱性
/ MPam1/2
Y2O3-Al
Al2O3
1.73±0.52
La2O3-Al2O3
1.63±0.60
Lu2O3-Al2O3
β-Si3N4
単一粒子
焼成条件
1900OC
-2h
破壊試験
4000
破壊荷重
2000
荷重変位曲線
1000
0
1800OC
-2h
破面観察
2.28±0.37
2.77±0.54
Y2O3-Al2O3
試験片の破壊
3000
Load
N
Load// 
mN
m
測定対象
負荷
1.92±0.37
0
200
400
600
800
Displacement / nm
1000
有限要素解析
局所領域の破壊特性
(強度・破壊靱性・疲労など)
m