改善が望める男性不妊症の治療法

改善が望める男性不妊症の治療法
治療法
適応
施術内容
望める効果
低位結紮手術
精索静脈瘤による、乏
精 子 症、 精 子 無 力 症、
無精子症、精子のDN
A損傷など
局所麻酔のもと、顕微鏡と超音波血流計を使用
して精巣静脈のみを縛り、精巣への逆流をなく
す。切開は陰嚢上部切開。手術時間は約1時間
半から3時間で、日帰り手術で施術可能(当院
の場合)
精子の数や運動率、精子DNA損傷の低減な
ど、当院の場合、7割程度の人が何らかの形
で改善。人工授精や体外受精の結果が向上す
るほか、自然での妊娠が可能になるケースも
ホルモン療法
下垂体性の性腺機能低
下症(FSHとテスト
ステロンの値が低い)
h C G、 リ コ ン ビ ナ ン ト の F S H の ホ ル モ
ン注射
ホルモン状態が改善されて精子が形成さ
れてくる
すべての男性不妊症
漢方薬「補中益気湯」「八味地黄丸」やビタミ
ンB12 、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミ
ン剤、亜鉛などのサプリメントの摂取
確実なエビデンスは報告されていないが、血
流を良好にしたり、活性酸素を除去するなど、
体全体の調子を整えることで、男性不妊症の
改善にもつながる
非ホルモン療法
■精巣内精子回収術(Simple-TESE)
精子回収術
閉塞性無精子症、非閉
塞性無精子症で、上記
の治療を受けても改善
せず、精子がまったく
採れない場合
閉塞性・非閉塞性無精子症に対する手術法。精
巣内から直接精子を回収する
■顕微鏡下精巣内精子回収術(Micro-TESE)
非閉塞性無精子症で、Simple-TESE での回収
が困難な場合は、顕微鏡下で状態の良い太い
精細管(精子が造られる場所)を選んで採取。
その組織から精子を探し、確認できたら顕微
授精を行う
閉塞性無精子症の場合は 90%以上、非閉塞
性無精子症の場合は 30%程度の精子回収率
が望める。同じ非閉塞性無精子症でも、染色
体異常のクラインフェルター症候群は 50 ~
60%、性染色体の遺伝子異常(AZF)の
C欠失は 60 ~ 70%と、精子回収率の高い
ケースもある