火火 - 浦河町

東日本大震災の津波により被害を受けた浦河港
町制施行 100 周年記念特集 第3回
災害に強いまちを目指して
9月1日の「防災の日」から1ヵ月間は「防災月間」です。
災害は、いつ、どこで起きるか分からず、私たちの生活を、一瞬にして大きく変
えてしまう恐れがあります。
しかし、日頃の備えによって、被害を予防・軽減することはできます。
ここ浦河で起きた災害を振り返り、改めて今、防災について考えてみませんか。
浦河の
火火 災災
浦河町では、明治から昭和初期にか
けて数回、大規模な火災が発生してい
現代においては、消防設備・街路の
整備や各家庭での防火対策が充実した
ため、大規模な火災は発生していませ
ん。しかしこれからの季節、空気が乾
燥し、暖房器具の使用が増えるため、
十分に注意しなければなりません。
火災の恐ろしい特徴は、周囲に次々
と燃え移るという点です。近所で火災
2 月 4 日 午前 11 時 30 分出火
変を知らせ、小さな火でも
119番通報してください。
︻主な行事︼
・出初式
など
・各種訓練大会
・歳末警戒
︻入団資格︼
・浦河町に居住している方
・年齢が 歳以上の方
・心身ともに健康な方
︻お問い合わせ︼
浦河消防署庶務課消防団係
☎22│2144
2
広報うらかわ
歴史ある浦河町消防団
消防団は、地域に密着し、災害時の
消防活動や応急救援など、消防隊と連
携して任務に当たることを目的に、市
町村に設けられている消防機関です。
浦河町消防団は、明治 年に﹁消防
組﹂として発足し、現在まで精力的に
活動を続けています。
昭和 年には堺町の引揚者住宅から
出火。木造の住宅が密集していたこと
が起きた場合は、消火に協力し、被害
浦河町消防団は、消防団員を募
集しています。
我我 が家や近所 にに
火災 が起きたら
ます。これらの火災は、
﹁浦河の大火﹂
と呼ばれ、物的にも人的にも多くの被
害があったことが記録されています。
明治 年の火災では、全市街地450
戸のうち、約六割となる251戸が全
や、当時堺町一帯には消火栓などがな
が広がるのを防ぎましょう。
乾燥した空気と強い風とが重なり、
瞬時にして大火へと発展した。
ます。
く、消火用水が不足していたことによ
り、たちまち他の住宅にも延焼し、4
棟 戸が全焼しました。
消防本部︵現在の消防署︶は、この
大参事の教訓を踏まえ、翌年に水槽付
き消防ポンプ自動車を急きょ購入し、
明治 41 年・浦河大火
大声や鍋などを叩く音で異
地域の安心・安全を守るため、
多くの方々の入団をお待ちしてい
あなたも消防団員に
なりませんか?
18
火災を周りに知らせる
焼という壊滅的な打撃を受けました。
41
29
初期消火出動体制の強化を図りました。
初期消火を行う
水や消火器のほか、布団を
かぶせる、座布団で火を叩
くなど、身近なものは何で
も利用してください。
無理をせずに避難する
火が天井に燃え移ったら、
消火をやめて避難します。
一度避難したら、絶対に
戻ってはいけません。
18
51
年ぶりの大地震が、夜明け前の
浦河を直撃しました。マグニチュー
ド の最初の揺れは、釧路沖を震源
20
マグニチュード の地震が発生。
に、下から突き上げるような衝撃の
この揺れのあと、小さな余震が続
いていましたが、次に十勝沖を震源
た。
方の9町村で震度6弱を観測しまし
に発生し、広く釧路・十勝・日高地
8.0
平成 23 年・東日本大震災
次次
が起きたら
の瞬間、
大地震
この文章を読んでいるまさに次の
瞬間、大地震が起きたら皆さんはど
う行動しますか?
まずは身の安全を確保
震度4を観測し、沿岸部に避難指示
日本の地震観測史上、最大規模を
記録した東日本大震災。浦河町でも
最初の揺れが収まったら、火の始末
けがをしたら、火の始末や
この地震では多くの建物、水道施
設、道路などが被害を受けました。
避難が遅れてしまいます。
特に公共施設は水道へのダメージが
点いている火を消し、元せ
2度の大きな衝撃を受けた浦河町
ですが、負傷者は 人と浦河沖地震
戸を開けて、出口の確保
センチの津波が浦河港に押し寄せ、
馬と深い結びつきを持ち、
震災後、
浦河町とともに﹁ホースサミット協
ても、落ち着いて消火を。
避難は徒歩で
車での避難は危険なうえ、
んからの善意で提供していただいた
同市に支援物資を輸送。町民の皆さ
市が甚大な被害を受けたことから、
されず、テレビやラジオで
などで拡散するデマに惑わ
事実はひとつです。SNS
正しい情報を収集
?
緊急車両の通行を妨げます。
粉ミルクや紙おむつなども応援メッ
正確な情報を得て行動して
ください。
セージ付きで被災者の方々へ届き、
議会﹂に加盟していた福島県南相馬
んを締めます。万一出火し
日本でも有数の地震多発地帯であ
る浦河。震度3∼4を頻繁に経験し
の時の半分以下であり、家財への被
船舶の沈没や流出、車両の冠水など
震動でドアが開かなくなる
午後4時 分、最大波2メートル
ていたこのまちを、直下型地震によ
害も比較的少なく済みました。これ
が起こったほか、建物の床上浸水な
ことも考えられます。避難
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的被害はありませんでした。
る 震 度6 の 揺 れ が 初 め て 襲 い ま し
はかつての教訓を生かし、町民皆さ
ど、漁業施設を中心に大きな被害が
た。
んがより進んだ防災対策を行ってき
口を確保してください。
9月 26 日 午前4時
日 午前4時 50 分 07 秒
マグニチュード 8.0 浦河町震度6弱
70
力となることができました。
!
出ました。被害総額は約3億7千万
大497人が避難しました。
が出され、町内9か所の避難所に最
3月 11 日 午後2時 46 分 18 秒発生
マグニチュード 9.0 浦河町震度4
大きく、
町内の大半が断水しました。
最大波到達時の浦河港
円にものぼりましたが、幸いにも人
平成 15 年・十勝沖地震
震源が浅かったことで、被害は大
規模なものとなり、
負傷者167人、
りませんでした。さらにはストーブ
や昼食準備の時間帯で火気を使用し
ていた家庭も少なくありませんでし
たが、火災発生件数はゼロでした。
この事実は、地震発生時の地域住
民による、冷静で適切な行動の結果
倒壊した倉庫(東町)
た結果と、
速やかな行動・判断があっ
3月 21 日 午前 11 時 32 分 06 秒
マグニチュード 7.1 浦河町震度6
たためだと考えられます。
昭和 57 年・浦河沖地震
全壊 戸、
半壊 戸を記録しました。
22
しかし、こうした強い震動にも関
わらず、奇跡的にも死者は一人もあ
14
であるとして、全国から高い評価を
×
福祉センター(大通3)
受けました。
September 2015
3
7.1
76
地 震・ 津波
浦河町制 100 周年記念連載特集 そして次の 100 年へ 第3回「災害に強いまちを目指して」
自分の身を自分の
努力によって守る
地域防災力
地域防災力
公助
共助
国や自治体などの
や自治体な
自治
治体な
などの
どの
公的機関による
救助・援助など
地域や近隣の人が
地
地域
地域や近
域や近
や近隣の
の人
人が
が
互いに協力し合う
な行動をしたため、ほぼ全
ていた防災教育を基に適切
中学生が、日頃から受け
では、岩手県釜石市の小
の住民によるものでした。東日本大震災
阪神・淡路大震災では、がれきの下か
ら救出された人の約8割は、家族や近隣
地域の人たちです。
しかし、実際に災害が発生した場合、
真っ先に力を発揮するのは、自分自身や
充実を図っています。
町地域防災計画﹂に基づき、防災体制の
ほか、町の防災行政の大綱である﹁浦河
町では、町民皆さんの安心・安全のた
め、災害や不測の事態などに備えている
災力の向上が不可欠です。
助﹂
﹁共助﹂
﹁公助﹂の連携による地域防
することは可能です。そのためには、﹁自
災害の発生を食い止めることはできま
せんが、被害を予防したり、軽減したり
自助
員が無事に避難できました。
自助 自ら考えて行動する
災害から身を守るうえで最も重要な
ことは、
普段からの準備と心構えです。
一人ひとりが住んでいる地域の情報
や、防災の正しい知識を持ち、備えて
おくことが減災につながります。
家具の固定、消火器・非常用品の準
備、家族間の連絡方法の確認など、具
体的な行動を始めてみてください。
共助 地域全体で取り組む
顔見知りの地域のつながりは、災害
時の初動対応に大きな力を発揮しま
す。
日頃から隣近所との声かけや防災訓
練を行うことで、情報を共有し、お互
いに助けあう環境を作りあげていくこ
とが大切です。
公助 町を守る
防災関係機関は、防災意識の向上の
ための広報や防災訓練、災害時には救
助活動、避難所の準備やライフライン
の復旧などを行います。また、役場で
は食料品店などとの防災協定締結とと
もに、備蓄も進めています。
これらの連携をとることで被害を最小
限に抑えることができ、災害からの早
い復旧・復興につながります。
皆さんのご協力をお願いいたします。
新しい防災行政無線では、電話で放送
内容を確認できます。
?
左上の番号にダイヤルするだけで、放
送した内容を新しいものから順に聞き返
すことが可能です。
外出先にいて聞き取れなかった時や、
避難
勧告が
発令され
ました…
に完成しました。
いざという時にすぐ聞けるように、電話機に登録しておきましょう!
25 年度から新たなシステム構築を進め
ていた防災行政無線が、平成 27 年3月
登録してください!「0146 − 22 − 8260」
東日本大震災の教訓を踏まえ、平成
防災無線を電話で聞き返すことができます
内容を確認したい時などにご利用くださ
い。なお、通話料は利用者のご負担とな
ります。
【お問い合わせ先】
役場総務課危機管理室
☎0146─22─2311
「0146−22−8260」
へダイヤルするだけで、放送
した内容を聞き返すことがで
きます。(固定電話・携帯電話
のどちらからでも可能)
外出先などで、
防災無線の放送を
聞き逃してしまっても…
100 年へ 第3回「災害に強いまちを目指して」
浦河町制 100 周年記念連載特集 そして次の
自助・共助・公助で高める
4
広報うらかわ