【中国からのレポート第 6 弾】 慌ただしい新生活 2015 年 10 月 20 日 梅艶 9 月から英龍は武漢大方学校の四年生、私は武漢大方国際囲碁学校(設立中) の校長として新しい生活を始めた。着任して初めての仕事は大方学校の部活全 般、特に囲碁部 69 人の開設の準備だ。90 平米の囲碁教室に用意する備品購入 から、活動計画、指導先生の管理など、何とかこなし、2 週間後無事開講を迎え た。毎日 16:30~17:30、生徒達はそれぞれサッカー、バスケットボール、美 術、書道、そろばんなどの部活動を楽しむ。英龍は合唱部に入った。これらの 部活から、特技のある生徒がたくさん育ち、合唱部のピアノ担当の子が卒業後 音楽学校へ進学し、囲碁部2人は全国大会で優勝し、プロ棋士を目指すほどだ。 囲碁基地を固め、さっそく国際囲碁学校の創設に入った。いろいろ執筆の中、 中国囲碁発展のすごさをあらためて感じた。 武漢で中秋節と国慶節を迎えた。国民全員は 1 週間以上の休みがあり、日本 のように中国の富裕層は海外旅行へ急いだ。反日感情が半端ではない中、それ でも上海出境の中国客は 5 人に 1 人が日本へ出向いたそうだ。 この連休は東湖にあるアジア棋院の新起動にすべての休みをつぎ込んだ。 2007 年武漢の企業家達が投資し建てたアジア棋院は美しい東湖風景区の中、ホ テル、レストラン、企業家囲碁クラブ、娯楽施設が揃っている高級囲碁施設だ。 韓国国手戦、囲碁甲リーグの開催、韓国金成俊九段長期駐在指導、日中韓囲碁 交流など忙しくした時期もあったが、いまはすっかり閑散になり、主に結婚式 場として利用されている。私の故郷帰りを機に、この地区の囲碁第一人者の阮 雲生先生をはじめ、企業家達は再度盛り上げようと、勝手に私を総責任者の位 に推した。まさに騎虎の勢いだ。 連休の国慶節にさっそく湖北省成人囲碁段位戦を開催した。アジア棋院の新 起動を知ってもらい、会員募集、従業員管理、活動展開など、大方学校の仕事 の中、こちらも無事スタートを切った。 仕事に追われている中、英龍の囲碁修業はすっかり疎かになり、アマ強豪の 企業家達と週末対局する程度になった。けど、英龍はこの対局がとても気に入 った。常套を外す(普通の手を打ってこない)企業家達と打って視野が広がっ たそうだ。 英龍の学校カリキュラムは国語、古典、算数、英語、科学、美術、体育、読 書。早朝の体操時間は「中国功夫」の歌に合わせた太極拳。山を背に、青空と 太陽の照らす運動場で全校生徒の太極拳は壮観なものだ。英龍は中国語の授業 に慣れる中、言葉がどんどん上達した。学校生活が大きく時間を取ったため、 囲碁修業の目的からだいぶずれているが、心身とも健全に過ごしているのです べて有意義だと思う。英龍は日本に帰りたいと言わなくなった。日本は少し遠 ざかっていくが、やはり私と英龍の大好きなもう一つの故郷だ。
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