稲作情報No.1 - JA秋田ふるさと

NO.1
横手市農業技術センターだより 平成27年3月23日
稲作情報
横手市
適切な作業時期を見極め、健苗育成に努めましょう。
JA秋田ふるさと 営農経済部 米穀畜産販売課 ☎ 56-4113 ─────────────
各営農センター
金 沢 ☎ 37-2124
大 雄 ☎ 52-3665
横 手 ☎ 32-8220
増 田 ☎ 45-2035
平 鹿 ☎ 24-3110
十文字 ☎ 44-3101
大 森 ☎ 26-4155
雄物川 ☎ 22-2266
秋田広域農業共済組合平鹿支所 ☎ 32-4150 ────────────────────
事業1課 (農作・畑作・損防) ☎ 32-4404
事業2課 (家畜・果樹・園芸) ☎ 32-4407
事業3課 (建物・農機具)
☎ 32-4119
秋田県平鹿地域振興局 農林部 農業振興普及課 ☎ 32-1805 ─────────────
横手市農林部:農業政策課 ☎ 32-2112 農業振興課 ☎ 32-2113 ──────────
床土・覆土の準備
今年は残雪も少なく平年並みの作業時期になると思われます。作業に当たってはしっかり計画
床土は土の粒子が細かすぎないこと、pH4.5~5.5で透水性・保水性に優れたものが適します。
を立てて行ってください。
また、毎年粉状の床土を使用したために、育苗障害の発生が見られますので注意してください。
乾きすぎた床土も透水性・保水性が劣ります。
育苗計画
床土の肥料・農薬の混合は播種日の5~7日前頃に準備しましょう。
高温登熟に対応したあきたこまちの好適出穂日から逆算した田植え予定日等の作業計画が、品
覆土は5ミリ以上の粒状土(ガラ土)が最も適しています。粉状土は過乾燥による持ち上がり
質・収量に大きく影響します。田植えは稚苗で5月15日~20日頃、中苗では5月20日~25日頃に
を助長しますので使用しないようにしましょう。
実施するよう育苗計画を立てましょう。
苗の種類
田植え予定日
播 種 日
催 芽
浸 種 期 間
播種日の13~15日前
4月 日~ 日
稚
苗
5月15日~20日
4月25日~30日
中
苗
5月20日~25日
4月20日~25日
播種5~6日前
(陰干し期間1~2日以上)
計
画 5月 日~
4月 日
4月 日
浸種から育苗防除は始まっています。種子消毒の効果を十分に発揮させるため、浸種時の水
量・水温等、毎日こまめに管理しましょう。
1、水 量 … 種もみ1㎏に対して3.5リットルの水が必要です。少なすぎると酸素不足と
なりますので注意してください。
2、水 の 温 度 … 10℃以下の低温で浸種すると
種子消毒の効果が落ちる・休
眠性が深まり発芽率が低下す
水 温
10℃
13℃
浸種日数
6~8日
5~7日
る場合がありますので、10℃以下・15℃以上とならないようにする。できる
だけ外気に触れないようにすることが適温を保つことになりますので、水の
入替時お湯を使う・ビニールシートなどで囲う等対策をしてください。直射
日光が当たる場所は水温の変化が大きくなりますので避けてください。
3、水 の 入 替 … 薬剤吹付・塗沫種子の場合最初の2日間は水の交換しません。(薬剤を種子
苗の種類
植付株数
(坪)
箱 数
床 土
(3.5㍑/箱)
覆 土
(1.0㍑/箱)
合 計
(4.5㍑/箱)
稚 苗
70株
20~22箱
77㍑/10a
22㍑/10a
99㍑/10a
5杯分
中 苗
70株
27~30箱
105㍑/10a
30㍑/10a
135㍑/10a
7杯分
計 画
株
箱
㍑/10a
㍑/10a
㍑/10a
杯分
★床土配合資材★
区別
育苗
肥料
育苗
農薬
健苗
資材
品 名
容量
使用量(箱当)
育苗専用肥料2号
20㎏
30~40g
ロ ン グ 育 苗 肥 料
20㎏
40~50g
タチガレエースM粉剤
1㎏
3㎏
6~8g
ハ
ン
10㎏
100~200g
イ
フ
ミ
T
M
1
号
3㎏
20g
ア
ヅ
ミ
ン
20㎏
100~200g
ワンポイント
育苗専用の肥料(5-8-5)
稚苗30g/箱 中苗40g/箱
ロングタイプ肥料(40日)60gでは育苗後
半苗徒長が見られる。
床土6~8g 根張を促進する
ピシウム菌、フザリウム菌に効果有
ピートモスを原料に発根を促進する。
植物性物質を主成分とし、発根が多くなり
マット形成を高めます。
発根を促進する腐食酸を原料とする。
種子の催芽
催芽はハトムネ程度とし、伸ばしすぎには注意してください。
に吸着させるため)その後は2~3日置きに交換します。水の交換時水温が
催芽器使用の場合:水温30~32℃(24時間)。
低い場合、お湯を使うなどして水温確保に努めます。
催芽作業は午後~夕方から行うこととし、水温は事前に温め
4、ばか苗病対策 … 乾燥調製施設内での種子保管や浸種は前年の菌が飛散している事が考えられ
ますので、作業場内の清掃を徹底するか、場所を変えて行いましょう。
※温湯消毒種子はそれだけでは化学農薬消毒と比べると効果が劣るので、生物農薬(タフブ
ロック等)と組み合わせて下さい。
20 ㍑ 缶
て催芽器内温度を確保する(お湯を使用)。翌朝に出芽状態を
確認し、時間調整を行う。
湯通しの場合:水温38℃前後。
種子袋の中心部まで温まるように十分湯通しする。その後保温する。
品種によって発芽速度が異なるので、品種で催芽時間を変える必要があります。
被覆資材の使用方法
プール育苗をおすすめします
ハウスのベタ張り出芽で最も問題となるのが、出芽までの温度管理と根上りです。使用する被
プール育苗は苗箱の置き床にビニールまたはポリフィルム等を敷き、出芽後水を湛水して「水
覆資材の特性を理解し、適切な温度管理に努めてください。
苗代」状態で育苗を行う方法です。
商 品 名
使用ポイント
シ ル バ ー
ポ リ ト ー # 80
銀色した資材
・温度が上がりやすく、夜間の保温が良い
・ハウス内の温度が高くなるにしたがって開閉し、ハウス内の温度を20~25℃
位に保つことが大切。
・急に高温条件になると芽が焼けやすい
保 温 マ ッ ト
保 温 シ ー ト
ミラーシート
白く厚み(マット)のある資材
・低温時において保温が比較的高い
・ハウス内の温度が40℃以上になると開閉が必要
・出芽後早めに除覆する
太 陽 シ ー ト
アルミのような資材(光を反射)
・ハウス内の温度が40~50℃以上までは、特にハウスの開閉が無く、苗箱の温
度を18~20℃位の適温に保たれる
・低温時には保温力が低いので、保温を高める工夫が必要。他資材を掛けなが
ら(二重掛け)保温を高める
ラ ブ シ ー ト
白く薄い資材
・育苗器で出芽した苗の緑化用として使用する
・他の資材の低温(保温)対策に掛けることができる(太陽シートと併用)
1、整
地 … 浅く耕起後、代かきして整地する方法が最も正確ですが、ある程度整地し
た後、砂やくん炭を敷いて微調整する方法があります。また、1区画に整
地するのが困難な場合、分割して高低差を小さくする方法もあります。
水
水
水
2、下 敷 資 材 … 水が漏れなければ特に指定は無く、使い古しのハウス屋根ビニールやブ
ルーシート・POフィルム等があります。
※ブルーシート1枚使用の場合#3000のものを使用
3、プールの設置 … 屋根板や、足場パイプ(高さ5㎝以上)を設置してプール枠とするか、ハ
ウスのアーチパイプに直接パッカーで下敷資材を止める方法があります。
※古い資材の使用で温度管理に失敗する方が多いです。まだ使えると思っても定期的な資材の更
新を!
★育苗期間の温度条件★(苗は低温には強いが高温には弱い)
期
間
温
度
条
件
浸 種
水の温度により
5~10日間
日平均水温10℃を確保
催 芽
1.0~1.5日間
30~32℃
出芽期
2日間
28~32℃
(べた張り出芽20℃以上)
管 理 ポ イ ン ト
水温が低すぎないように注意する。 ハト胸程度を目安に行うこと。
(1㎜程度)
4、水 管 理 … 最初の入水は1~1.5葉の時とし育苗箱高さと同じ程度とします。高低差
がある場合は低い位置の育苗箱に合わせます。2回目以降の入水は育苗箱
最も大切な時期、被覆保温資材により温度が
変化する。急激な温度条件にしない。(特に
高温)
緑化期
2~4日間
昼間:20~25℃
夜間:10℃以上
葉幅を大きくするための温度条件。
硬化期
15~20日間
昼間:15~20℃
夜間:5℃以上
苗の徒長させないために、やや低めの温度条
件にする。
の1㎝上程度を基本とします。以降は2・3日に1回の給水ですが、床土
が水面より出て乾いたりしないように注意します。また、低温時は深水、
高温時は水の入れ替えをします。
5、温 度 管 理 … 緑化期までは通常の温度管理です。入水以降はハウスの裾は開けっ放しで
すが、低温や降霜が予想される場合はハウスの裾を閉めます。
(苗は低温に強いが高温には弱い)
6、移植前の落水 … 落水は田植日の2~3日前から行いますが、プール育苗の苗は乾燥に弱い
ので、早すぎる落水に注意してください。