児島市民病院健康講座 「肝臓病のお話」 児島市民病院 看護科 肝臓はどこにある? 体の右側 横隔膜のすぐ下 肋骨の中 1.2~1.5Kg ほぼ正常肝(腹腔鏡像) 栄養素の分解・ 合成・貯蔵 肝臓の役割 有害物質の 解毒 栄養 体 の 外 肝 臓 老廃物 胆汁の生産 体 の 内 肝疾患症状 ・初期:倦怠感、脱力感、食欲不振 ・進行期:かゆみ、黄疸、腹水、 肝性脳症、食道静脈瘤破裂、 酒に弱くなった 進行期まで特徴的な症状が出ない ⇒“沈黙の臓器” わが国における肝機能異常の成因 ウイルス性など 11% アルコール性 35% 脂肪肝 54% 日本消化器病学会ホームページ わが国における肝硬変の成因 その他 5% アルコール性 5% HBV 20% HCV 70% 独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター C型肝炎ウイルス感染症の自然経過 独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター C型肝炎の自然経過 肝硬変を経ずに肝癌を 発症することもある 0~1%/年 約70% 感染 急性肝炎 気付か れないこと が多い 1~2%/年 3~5%/年 軽度 中度 重度 血小板数: 18万 血小板数: 15万 血小板数: 13万 慢性肝炎(肝機能異常) ウイルス排除 肝硬変 肝癌 5~7%/年 (自然治癒) 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013より作図 肝臓の繊維化と血小板 部位別がん死亡数 )どの部位のがん死亡が多いか 肝癌による死亡者数の推移 独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター C型肝炎ウイルス感染者数 • キャリア数 約190-230万人 • 患者数 約37万人 慢性肝炎 約28万人 肝硬変・肝癌 約 9万人 C型肝炎ウイルス感染経路 • 適切な消毒をしていない器具の使用: ピアスの穴あけ 入れ墨 出血を伴う民間療法 覚せい剤、麻薬 • カミソリや歯ブラシの共用 • 輸血、血液製剤の使用 • 長期間にわたる血液透析 • 頻繁に不特定の他人の血液に触れる職業 家庭でのC型肝炎ウイルス感染予防 • 血液や分泌物の付着したものは、むき出しにならな いようにしっかり包んで捨てるか、流水でよく洗い流 す。 • 外傷、皮膚炎、鼻血、月経血などはできるだけ自分 で手当てする。 • 歯ブラシやカミソリ、タオルなどの日用品は専用にし、 他人と共用しない。 • 乳幼児に口うつしで食物を与えない。 • トイレを使用した後は流水で手を洗う。 • 女性のC型肝炎ウイルス感染者は、月経中は浴槽 に入ることを避ける。 日常生活における留意点 • 飲酒について 禁酒が原則です。慢性肝炎の患者さんがお酒を飲むと、 肝硬変への進行が早まり、肝がんが発生する可能性も高く なることが分かっています。 ・食事について 慢性肝炎では日常生活の活動度に応じた栄養バランス の良い食生活が重要です ・運動について 適度な運動は脂肪や脂肪肝の予防にも効果的です。散歩 やご自分の好きな運動を無理のない範囲で楽しみましょう。 ・鉄分について 肝臓に余分な鉄が蓄積すると肝機能障害を引き起こしや すくなります。通常の食事に含まれる程度の量はそれほど 問題になりませんが、鉄分の過剰摂取は控えましょう。 鉄分を多く含む食品は、レバー・貝類・赤身の肉などです。 C型慢性肝炎の初回治療例を対象とした治療変遷 (ジェノタイプ1の高ウイルス量に対する治療効果) (%) 2013年 100 90 1989年C型肝炎ウイルスの発見 80 S V R 24 達 成 割 合 89 2011年 73 70 60 50 42 40 30 20 10 0 2001年 1992年 12 20 23 IFN 24週1) pegIFN 48週1) IFN +リバビリン 24週1) (単剤療法) pegIFN +リバビリン 48週1) (2剤併用療法) pegIFN +リバビリン +テラプレビル 24週2) pegIFN +リバビリン +シメプレビル 24週3) (3剤併用療法) 1)竹原徹郎. 化学療法の領域. 2012:28(S-1):216より改変 2)テラビック インタビューフォームより作図 3)ソブリアード インタビューフォームより作図 抗ウイルス療法による肝細胞癌の再発抑制と死亡率低下 肝細胞癌再発率 患者死亡率 青:インターフェロン治療あり、赤:インターフェロン治療なし Hsu YC. Hepatology 2013;58:150-7. ペグインターフェロン 1本:27144~29550円 リバビリン 1錠:643.7~767.3円 シメプレビル 1日1回内服 ペグインターフェロン+リバビリンと併用 12週間(ペグインターフェロンとリバビリンは24週間) 1錠:13122.8円 C型肝炎経口治療剤(セロタイプ1) ダクルインザ スンベプラ 1日1回内服 1日2回内服 24週間 24週間 1錠:9186円 1錠:3280.7円 抗ウイルス療法に要する治療薬費用(概算) • ペグインターフェロン+リバビリン+シメプレビル(24週) 総額約200万円(毎月3割 16万円、2割 11万円) • ダクラタスビル+アスナプレビル(24週) 総額約260万円(毎月3割 14万円、2割 9万円) 肝炎医療費助成事業 対象疾患:B型肝炎、C型肝炎 対象治療:インターフェロン治療 C型肝炎のインターフェロンフリー治療 B型肝炎の核酸アナログ製剤治療 治療費: 自己負担限度額(月) 世帯の市町村民税(所得割)課税年額の合計 甲 2万円 235,000円以上 乙 1万円 235,000円未満 肝炎医療費助成申請の流れ 各都道府県によって手続きが異なることがあります。詳しくはお近くの保健所等にお問い合わせください。 厚生労働省ホームページ: 肝炎治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)に対する医療費の助成 肝炎治療費助成事業:倉敷市の申請窓口 倉敷市保健所 倉敷市笹沖170 086-434-9810 児島保健推進室 倉敷市児島小川町3681-3 086-473-4371 玉島保健推進室 倉敷市玉島阿賀崎1-1-1 086-522-8113 水島保健推進室 倉敷市水島北幸町1-1 086-466-1115 真備保健推進室 倉敷市真備町箭田1141-1 086-698-5111 暑い夏が近づいて まいりました ご清聴ありがとう ございました
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