平成27年7月10日(金)肝炎ウイルス検査はお済みですか?

児島市民病院健康講座
「肝臓病のお話」
児島市民病院
看護科
肝臓はどこにある?
体の右側
横隔膜のすぐ下
肋骨の中
1.2~1.5Kg
ほぼ正常肝(腹腔鏡像)
栄養素の分解・
合成・貯蔵
肝臓の役割
有害物質の
解毒
栄養
体
の
外
肝 臓
老廃物
胆汁の生産
体
の
内
肝疾患症状
・初期:倦怠感、脱力感、食欲不振
・進行期:かゆみ、黄疸、腹水、
肝性脳症、食道静脈瘤破裂、
酒に弱くなった
進行期まで特徴的な症状が出ない
⇒“沈黙の臓器”
わが国における肝機能異常の成因
ウイルス性など 11%
アルコール性 35%
脂肪肝 54%
日本消化器病学会ホームページ
わが国における肝硬変の成因
その他 5%
アルコール性 5%
HBV 20%
HCV 70%
独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター
C型肝炎ウイルス感染症の自然経過
独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター
C型肝炎の自然経過
肝硬変を経ずに肝癌を
発症することもある
0~1%/年
約70%
感染
急性肝炎
気付か
れないこと
が多い
1~2%/年
3~5%/年
軽度
中度
重度
血小板数:
18万
血小板数:
15万
血小板数:
13万
慢性肝炎(肝機能異常)
ウイルス排除
肝硬変
肝癌
5~7%/年
(自然治癒)
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013より作図
肝臓の繊維化と血小板
部位別がん死亡数
)どの部位のがん死亡が多いか
肝癌による死亡者数の推移
独立行政法人 国立国際医療研究センター 肝炎情報センター
C型肝炎ウイルス感染者数
• キャリア数
約190-230万人
• 患者数
約37万人
慢性肝炎
約28万人
肝硬変・肝癌 約 9万人
C型肝炎ウイルス感染経路
• 適切な消毒をしていない器具の使用:
ピアスの穴あけ
入れ墨
出血を伴う民間療法
覚せい剤、麻薬
• カミソリや歯ブラシの共用
• 輸血、血液製剤の使用
• 長期間にわたる血液透析
• 頻繁に不特定の他人の血液に触れる職業
家庭でのC型肝炎ウイルス感染予防
• 血液や分泌物の付着したものは、むき出しにならな
いようにしっかり包んで捨てるか、流水でよく洗い流
す。
• 外傷、皮膚炎、鼻血、月経血などはできるだけ自分
で手当てする。
• 歯ブラシやカミソリ、タオルなどの日用品は専用にし、
他人と共用しない。
• 乳幼児に口うつしで食物を与えない。
• トイレを使用した後は流水で手を洗う。
• 女性のC型肝炎ウイルス感染者は、月経中は浴槽
に入ることを避ける。
日常生活における留意点
• 飲酒について
禁酒が原則です。慢性肝炎の患者さんがお酒を飲むと、
肝硬変への進行が早まり、肝がんが発生する可能性も高く
なることが分かっています。
・食事について
慢性肝炎では日常生活の活動度に応じた栄養バランス
の良い食生活が重要です
・運動について
適度な運動は脂肪や脂肪肝の予防にも効果的です。散歩
やご自分の好きな運動を無理のない範囲で楽しみましょう。
・鉄分について
肝臓に余分な鉄が蓄積すると肝機能障害を引き起こしや
すくなります。通常の食事に含まれる程度の量はそれほど
問題になりませんが、鉄分の過剰摂取は控えましょう。
鉄分を多く含む食品は、レバー・貝類・赤身の肉などです。
C型慢性肝炎の初回治療例を対象とした治療変遷
(ジェノタイプ1の高ウイルス量に対する治療効果)
(%)
2013年
100
90
1989年C型肝炎ウイルスの発見
80
S
V
R
24
達
成
割
合
89
2011年
73
70
60
50
42
40
30
20
10
0
2001年
1992年
12
20
23
IFN
24週1)
pegIFN
48週1)
IFN
+リバビリン
24週1)
(単剤療法)
pegIFN
+リバビリン
48週1)
(2剤併用療法)
pegIFN
+リバビリン
+テラプレビル
24週2)
pegIFN
+リバビリン
+シメプレビル
24週3)
(3剤併用療法)
1)竹原徹郎. 化学療法の領域. 2012:28(S-1):216より改変
2)テラビック インタビューフォームより作図
3)ソブリアード インタビューフォームより作図
抗ウイルス療法による肝細胞癌の再発抑制と死亡率低下
肝細胞癌再発率
患者死亡率
青:インターフェロン治療あり、赤:インターフェロン治療なし
Hsu YC. Hepatology 2013;58:150-7.
ペグインターフェロン
1本:27144~29550円
リバビリン
1錠:643.7~767.3円
シメプレビル
1日1回内服
ペグインターフェロン+リバビリンと併用
12週間(ペグインターフェロンとリバビリンは24週間)
1錠:13122.8円
C型肝炎経口治療剤(セロタイプ1)
ダクルインザ
スンベプラ
1日1回内服
1日2回内服
24週間
24週間
1錠:9186円
1錠:3280.7円
抗ウイルス療法に要する治療薬費用(概算)
• ペグインターフェロン+リバビリン+シメプレビル(24週)
総額約200万円(毎月3割 16万円、2割 11万円)
• ダクラタスビル+アスナプレビル(24週)
総額約260万円(毎月3割 14万円、2割 9万円)
肝炎医療費助成事業
対象疾患:B型肝炎、C型肝炎
対象治療:インターフェロン治療
C型肝炎のインターフェロンフリー治療
B型肝炎の核酸アナログ製剤治療
治療費:
自己負担限度額(月)
世帯の市町村民税(所得割)課税年額の合計
甲
2万円
235,000円以上
乙
1万円
235,000円未満
肝炎医療費助成申請の流れ
各都道府県によって手続きが異なることがあります。詳しくはお近くの保健所等にお問い合わせください。
厚生労働省ホームページ:
肝炎治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)に対する医療費の助成
肝炎治療費助成事業:倉敷市の申請窓口
倉敷市保健所
倉敷市笹沖170
086-434-9810
児島保健推進室 倉敷市児島小川町3681-3 086-473-4371
玉島保健推進室 倉敷市玉島阿賀崎1-1-1
086-522-8113
水島保健推進室 倉敷市水島北幸町1-1
086-466-1115
真備保健推進室 倉敷市真備町箭田1141-1 086-698-5111
暑い夏が近づいて
まいりました
ご清聴ありがとう
ございました