医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。 使用上の注意改訂のお知らせ 2013 年 11 月 田辺三菱製薬株式会社 (テラプレビル錠) このたび、標記製品につきまして、「使用上の注意」を改訂しましたのでお知らせ致します。 今後のご使用に際しましてご留意下さいますようお願い致します。 今後とも弊社製品のご使用にあたって副作用・感染症等をご経験の際には、弊社 MR までできる だけ速やかにご連絡下さいますようお願い申し上げます。 なお、改訂しました添付文書を封入した製品をお届けするには若干の日時を要しますので、既に お手元にある製品のご使用に際しましては、ここにご案内致します改訂内容をご参照下さいますよ うお願い致します。 また、ここでお知らせした内容は弊社ホームページ(http://di.mt-pharma.co.jp/di/) 「 医療関係者 向け情報」でもご覧いただけます。 さらに、「医薬品安全対策情報(Drug Safety Update)」No. 225 号(12 月発行)に掲載されます。 ■使用上の注意の改訂内容(「使用上の注意」全文については改訂添付文書をご参照下さい。) 改訂後(下線 部:追記改訂箇所) 【使用上の注意】 改訂前 【使用上の注意】 2. 重要な基本的注意 2. 重要な基本的注意 (1)~(9) 省略(変更なし) (1)~(9) 省略 (10)意識障害等があらわれることがあるので、自動車の 運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注 意するよう患者に十分に説明すること。 4. 副作用 4. 副作用 (1) 重大な副作用〈抜粋〉 (1) 重大な副作用〈抜粋〉 11) 網膜症 (頻度不明) :網膜症があらわれることがあ 11) 網 膜症(頻度不明) :網膜症があらわれることが るので,網膜出血,軟性白斑及び糖尿病網膜症の あるので,網膜出血や糖尿病網膜症の増悪に注意 増悪に注意し,定期的に眼底検査を行うなど観察 し,定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行 を十分に行い,異常が認められた場合には投与を い,異常が認められた場合には投与を中止するな 中止するなど,適切な処置を行うこと.また,視 ど,適切な処置を行うこと.また,視力低下,視 力低下,視野中の暗点が出現した場合は速やかに 野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察 医師の診察を受けるよう患者を指導すること. を受けるよう患者を指導すること. (2)その他の副作用〈抜粋〉 頻度 種類 耳 5%以上 (2)その他の副作用〈抜粋〉 5%未満 頻度 頻度不明 種類 耳 中 耳 炎, 外 耳 炎, 耳 下 腺 炎, 難聴 回転性めまい,耳不快感,耳鳴, 耳痛,耳そう痒症,耳管狭窄 1 5%以上 5%未満 中 耳 炎, 外 耳 炎, 耳 下 腺 炎, 回転性めまい,耳不快感,耳鳴, 耳痛,耳そう痒症,耳管狭窄 頻度不明 ■使用上の注意の改訂理由 「2. 重要な基本的注意」の「自動車運転等の注意喚起」の項の追記について〔平成 25 年 11 月 26 日付 厚 生労働省医薬食品局 安全対策課長通知(薬食安通知)による改訂〕 本剤においては、失神、意識消失などの副作用を「重大な副作用」の項に記載しております。 また、「2. 重要な基本的注意」の項には本剤と併用するペグインターフェロン アルファ−2b(遺伝子 組換え)の添付文書を確認するよう記載しております。 このたび、本剤、ペグインターフェロン アルファ−2b(遺伝子組換え)、リバビリンの 3 剤併用療 法で失神・意識消失などの副作用症例が集積されましたので、「2. 重要な基本的注意」の項に「意識 障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注 意するよう患者に十分に説明すること」を追記しました。 なお、意識消失等の代表症例を 3 頁~ 4 頁に記載しています。 「4. 副作用 (1) 重大な副作用および (2) その他の副作用」 の項の改訂について〔薬食安通知によらない改訂〕 新発売時から網膜症の注意喚起を実施しておりますが、軟性白斑を伴う網膜症の報告が集積さ れたため、「網膜症」の項に軟性白斑を追記しました。 さらに、突発難聴を含む難聴の報告が集積されたため、「その他の副作用」の項に難聴を追記し ました。 使用上の注意の改訂ではありませんが、本剤の承認条件であった使用症例の全例を対象とした 使用成績調査につきまして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において目的と する情報が収集されたものと判断され、厚生労働省医薬食品局 審査管理課から承認条件解除の 事務連絡 (平成 25 年 9 月 13 日付)が発出されました。そのため、このたびの使用上の注意改訂と合 わせて【承認条件】の項目を削除しました。 <削除した【承認条件】の内容> 製造販売後,一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は,使用症例の全例を対象とした 使用成績調査を実施することにより,患者の背景情報を把握するとともに,本剤の安全性及び 有効性に関するデータを収集し,本剤の適正使用に必要な措置を講じること. 2 〈「意識消失」 症例概要 No.1〉 患 者 性・ 使用理由 年齢 (合併症) 男 60 歳代 C 型慢性肝 炎における ウイルス血 症の改善 副作用 1 日投与量 投与期間 経過及び処置 紅皮症、意識消失発作、薬疹、貧血、意識消失 (2 回) 1,500mg 85 日間 既往歴:胃癌 3 剤併用療法開始 (糖尿病) (高血圧) (潰瘍) (胃炎) 投与 6 日目 本剤 (1,500mg/ 日) 、リバビリン (600mg/ 日) 、ペグインターフェロン アル ファ−2b(1.5 μg/kg/ 週) 投与開始。 紅皮症発現。 【重症度】グレード 3:体表面積の 50%を超える 【重症度】グレード 3:グレード 3 に該当する症状がある 【そう痒感】有 【皮膚症状の性状】標的病変 全 身(50 % 以 上 )に か ゆ み、 痛 み を 伴 う 紅 斑 出 現 し、 プ レ ド ニ ゾ ロ ン (20mg/ 日、8 日間)経口投与を開始。 投与 14 日目 フェキソフェナジン塩酸塩(120mg/ 日、52 日間)経口投与。 投与 13 日目 プレドニゾロンを投与 57 日目まで経口投与(17.5mg/ 日、8 日間,15 mg/ 日、 7 日間,12.5 mg/ 日、7 日間,10mg/ 日、7 日間,7.5mg/ 日、7 日間,5mg/ 日、 8 日間)。 投与 34 日目 電車内で意識消失発作あり。一旦回復し来院。来院時、血圧 80 台と低血 圧を認めた。頭部 CT は問題なし。 酢酸リンゲル液(500mL/ 日、1 日間)静注投与。補液等で状態は安定する も、リバビリン減量(200mg/ 日)、降圧剤を中止。意識消失発作回復。 その後は再発なし。 投与 43 日目 紅皮症軽快。 グレード 1 の薬疹出現。 【重症度】グレード 1:体表面積の 50%以下(限局性) 【そう痒感】有 貧血発現。Hb 9.2g/dL。 リバビリン(200mg/ 隔日)投与変更。 投与 63 日目 リバビリン投与中止。 投与 64 日目 フェキソフェナジン塩酸塩処方継続で薬疹軽快。 投与 71 日目 Hb 10.1g/dL まで回復。貧血軽快。 投与 73 日目 電車内で意識消失による転倒あり。 (2 日後にも意識消失あり) 。 投与 75 日目 意識消失回復。本剤は内服継続しており本剤の可能性も充分あり。 投与 85 日目 (投与終了日) 本剤投与終了。 終了 14 日後 リバビリン (200mg/ 日隔日) 投与再開。 終了 35 日後 貧血発現。 終了 56 日後 貧血軽快。Hb10.3g/dL。 終了 77 日後 リバビリン投与中止 併用薬:リバビリン 、ペグインターフェロン アルファ−2b *、ウルソデオキシコール酸、オメプラゾール、オルメサルタン メドキソ ミル、シタグリプチンリン酸塩水和物、ボグリボース、ポラプレジンク、メトホルミン塩酸塩、トリメブチンマレイン酸塩 * *併用被疑薬 臨床検査値 検査日 3 剤併用 検査項目 療法開始 ヘモグロビン量 (g/dL) 15.5 血清クレアチニン (mg/dL) 0.65 糸球体濾過値 (mL/min) − 投与 6 日目 15.3 0.66 − 投与 14 日目 13.9 0.62 − 投与 34 日目 10.1 0.91 65 検査日 検査項目 ヘモグロビン量 (g/dL) 血清クレアチニン (mg/dL) 糸球体濾過値 (mL/min) 終了 35 日後 9.1 0.64 − 終了 56 日後 10.3 0.63 − 終了 77 日後 10.7 0.63 − 終了 14 日後 9.0 0.71 − 3 投与 43 日目 9.2 0.92 64 投与 50 日目 8.9 0.83 72 投与 64 日目 9.2 0.83 72 投与 71 日目 10.1 0.95 62 投与 85 日目 10.0 0.99 59 〈「意識消失」 症例概要 No.2〉 患 者 性・ 使用理由 年齢 (合併症) 女 60 歳代 C 型慢性肝 炎における ウイルス血 症の改善 (不眠症) (便秘) (手根管症 候群) (高脂血症) (鉄欠乏性 貧血) 副作用 1 日投与量 投与期間 経過及び処置 1,500mg 57 日間 貧血、意識消失発作、細菌感染 1,000mg 15 日間 3 剤併用療法開始 本剤 (1,500mg/ 日) 、リバビリン (600mg/ 日) 、ペグインターフェロン アル ファ−2b(1.5 μg/kg/ 週) 投与開始。 投与 23 日目 リバビリン(400mg/ 日)投与変更。 投与 30 日目 貧血発現。 投与 37 日目 リバビリン(200mg/ 日)投与変更。ヘモグロビン回復なし。 C 型慢性肝炎の罹病期間 2 年 意識消失発作、細菌感染発現。 意識消失発作あり入院。貧血に加え、感染併発による脱水が原因と思われ た。 本剤、リバビリン、ペグインターフェロン アルファ−2b 投与中止。 レボフロキサシン水和物(800mg/ 日、13 日間)経口投与。 投与 57 日目 (投与中止日) 中止 1 日後 抗生剤投与にて意識消失発作回復。 中止 8 日後 血小板減少、細菌感染回復。 中止 15 日後 (再投与日) 本剤(1,000mg/ 日)、リバビリン(200mg/ 日)、ペグインターフェロン アル ファ−2b(1.5 μg/kg/ 週)投与再開。 再投与 15 日目 ヘモグロビンは未回復。Plt は、治療中止により回復。 リバビリン(400mg/ 日)投与変更。 再投与 106 日目 リバビリン、ペグインターフェロン アルファ−2b 投与終了。 ヘモグロビン未回復 併用薬:リバビリン*、ペグインターフェロン アルファ−2b *、酸化マグネシウム、メコバラミン、リマプロスト アルファデクス、ピ タバスタチンカルシウム、イコサペント酸エチル、クエン酸第一鉄ナトリウム、ロラタジン、ブロチゾラム *併用被疑薬 臨床検査値 検査項目 検査日 3 剤併用 療法開始 投与 23 日目 投与 30 日目 投与 37 日目 中止 1 日後 中止 8 日後 中止 15 日後 再投与 15 日目 再投与 106 日目 ヘモグロビン量(g/dL) 13.5 11.6 10.8 10.1 7.8 8.0 9.0 9.9 10.3 白血球数 (/mm3) 4,400 3,200 2,700 2,300 8,900 4,200 3,100 2,700 3,600 血小板数 (104/mm3) 21.0 14.4 16.5 15.6 9.9 27.1 27.7 17.3 16.5 お問い合わせ先 田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター 専用ダイヤル 0120 − 753 − 280 (弊社営業日の 9:00 〜 17:30) 製造販売元 大阪市中央区北浜 2 − 6 − 18 T13A−31 4 2013 年 11 月
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