社会福祉法人ぶどうの里 平成26年度事業計画

社会福祉法人ぶどうの里 平成26年度事業計画
(1)法人
1.
人事異動
職員の新規採用に関して
①放課後等デイサービスあくしゅの新築移転に際し、定員を20名に増員する予定である。②
石和授産園も改修新築工事を実施し、20名定員の「本園」としての活動を開始する予定である。
③障害者総合福祉法によるグループホーム一元化によって、居宅介護事業との連携は必須となり
つつあり、世話人と生活支援員との役割分担の明確化が求められている。④主力として勤務して
いる職員の結婚や出産が相次いでおり、産休や育休にも備えた人員の配置が必要となる。⑤管理
者とサービス管理者の兼務体制をとっているが、その職務範囲が多岐にわたっており、特に管理
者には福祉職とはまた違う技能が求められるため、サービス管理者とは別に人材の育成が求めら
れている。⑥障害者・就業支援センターコピットは、職場定着支援1名に26年度追加の予算が
認められた。⑦事業が多岐にわたり、職務が多様化している上、新会計基準への対応を含め事務
職の強化が必要となっている。①~⑦への対応及び25年度末に退職される職員2名の補充を含
め、断続的に採用を実施しているが、すぐに替わりが見つけられるような人材ではなく、職員の
育成とともに新規採用して更なる人員の補強に努める。
①、②:各支援単位に事前に分散採用して職員の育成を図り、新築工事の終了時に人事異動を
実施して、必要な職員の確保を目指す。特に①に関しては児童支援の拠点機能を担うもので
あり、自治体から要請がある「相談支援業務」も視野に人材の育成を図る。
③:勝沼授産園の管理者・サービス管理責任者である江波職員(介護福祉士資格取得)を居宅
介護事業所の設立も含めて、地域生活支援部に配置する。そのため、各授産園の管理者・サ
ービス管理者の異動を実施する。
⑤:中途採用者の中には、企業での経験を積んできた職員も多く、プレイイングマネージャー
として申し分ない能力を有している。可能な支援単位から人事異動を実施して管理者とサー
ビス管理者の兼務体制の解消を図る。
⑥:就労移行支援事業の担当職員のうちジョブコーチ資格を持つ職員の異動を実施する。
⑦:平成25年度に甲州市より受託した「甲州市障害福祉等事業社会福祉法人会計専門員育成
事業」により、社会福祉法人会計専門員の育成が出来たので、資格該当者を雇用する。
2.
高齢化対策の実践
グループホーム及び授産部門利用者のうち、緊急の入院により利用の継続が出来なくなった方
が2名(内1名は逝去)あり、高齢化対策において、支援継続の意志確認、医療行為に関する意
志確認、逝去された場合の意志確認のいずれも不十分であり、年度内にはガイドラインを作成し、
必要な方の場合はご家族からの同意をいただくこととしたい。
3.
職員の資質向上に向けての研修振興
社会福祉法人ぶどうの里の基本理念は何ら変わることはない。障害者の人権の尊重と人権の擁
護を図り、利用者の幸福を最大限に尊重し、障害を軽減・改善するための実践を地道に展開し、
利用者のより豊かな社会参加を目指すことが法人の基本理念である。
法人の基本理念を実現させるためには、職員の資質向上と高いモラルが求められる。各職場等
でのオンザジョブトレーニングや研修はもとより、自らの意志と意欲に基づく積極的な研修、研
究を進める。特に、職員の特性を生かした自主的な研究サークル活動や研修の実施、自ら受講す
る研修のために予算をとりたい。また、全日の職員研修を計画する場合は、午後は「人権」の視
点からの「公開研修」を他の人権擁護団体と共同で企画・実施するなど、方法論に陥りがちな研
修を「人権」の視点から捉え直す機会としたい。
(2)施
1.
設
安全・健康管理・防災の徹底
東日本大震災に酷似するといわれる1100年前の貞観地震の9年後には関東を震源とする
仁和地震があり、更にその9年後には南海地震が発生している。三陸沖の巨大地震に関東が連動
し、東南海に至る歴史が繰り返されていることを地震学者が指摘しており、平成26年度中には
25年度に一部実施できなかった振動に耐えるような安全の確保(例えば、家具備品類の固定等)
を全面的に実施する。地震に強い職場作りを平成30年度までに達成できるよう計画を衛生推進
者を中心に立案する。今年度も新入職員・及び前回講習後3年を迎える職員には普通救命講習Ⅱ
を実施する。同時に法上の設置を求められていない施設において防火管理者を指定を徹底し、防
災への対応を強化する。感染症対策に関しても引き続き保健所からの講師を招いて研修を実施し、
全職員への周知を図る。各職場・施設には、衛生推進者を置き、職員及び利用者の安全衛生・施
設ごとの安全衛生の推進を図る。授産部門では衛生推進者の配置を完了しているが、異動等もあ
り平成26年度中には全職場・施設への配置を完了する。
今回の豪雪で、所属の支援単位だけの対応では難しい問題があることが判明した。別の支援単
位にも支援に入れる職員体制を構築するために、2週間~1カ月程度、支援単位間で職員の交代
勤務を実施して、緊急時に備えたい。
2.
環境整備
防災の徹底と同時にうるおいのある環境整備は利用者の生活環境を整えるにとどまらず、環境
療法として障害の改善に役立つ。音楽や花、スペースの確保等優しくきめ細やかな配慮に努める。
特に能力のある利用者には環境整備を事業として発注する。同時に作業の中に清掃をとりいれ、
積極的に環境整備に取り組む。
3.
勝沼授産園は以下の事業を実施する。ただし、利用者の高齢化が進んでおり、必要であれば年度
途中であっても各事業の見直しを実施する。また、日本財団の助成を申請し老朽化した施設の更
新を図り、高齢化・障害の重度化・快適な作業環境の整備を実施したい。
•
生活介護事業
(定員 13 名)
•
就労移行支援事業
(定員 6 名)
•
就労継続支援A型事業
(定員 15 名)
•
リサイクルショップキューブの運営
施設の老朽化及び定員の増加に伴い、就労継続支援A型事業の給食分野は作業スペースが極
めて狭くなっており利用者のストレス・メンタルヘルスという意味からも、施設の更新を図り
たい。
リサイクルショップキューブの運営は防災面の課題から、当面活動を見合わせ倉庫、駐車場
としての活用を図る。
4.
山梨授産園は以下の事業を実施する。
•
生活介護事業
(定員 10 名)
•
就労継続支援B型事業
(定員 10 名)
就労継続支援B型事業において、加齢に伴って作業への取り組みが困難となる場面が見受け
られることもあり、生活介護事業への合併も含めて検討し、利用者やご家族とも相談の上、年
度内に結論を得るよう努力する。同時に、若年層からのニーズに応える形で分場の建設を含め
検討課題としたい。
5.
石和授産園(山梨授産園の分場)は以下の事業を実施する。
•
生活介護事業
(定員 10 名)
•
就労継続支援 B 型事業
(定員 2 名)
既に地主さんの了解を得、福祉医療機構からの借入実施し、新築・改修工事を進行させてい
る。竣工時には、生活介護事業:定員 20 名の石和授産園(本園)としての出発を図る。
6.
塩山授産園は以下の事業を実施する。
•
就労継続支援 B 型事業
(定員 20 名)
塩山授産園は、NPO 法人が運営した地域活動支援センターを引き継いで発展させてきた経
緯もあり、施設としての認可は新しいが長い間ご利用いただいている方の加齢による移動能力
の低下等がみられ、今後の対応が必要となりつつあり、利用者の意向を踏まえて組織改編の計
画を立てる。
7.
児童支援部門は日中一時支援を継続しつつ以下の事業を実施・計画する。
•
放課後等デイサービス
あくしゅ
(定員 10 名)
•
放課後等デイサービス
とろっと
(定員 10 名)
あくしゅは建物の老朽化のため、年度内に新築移転を計画していたが、2 月の豪雪で被害を
受け使用不能となった。現在、日中一時支援すきっぷを臨時に使用している。医療福祉機構か
らの融資と自己資金で9月竣工を目指し、定員20名の事業所としてリニューアルオープンの
予定である。
8.
グループホームは現在の支援を継続しつつ以下の事業を計画する。
•
今年4月1日にケアホームを廃止しグループホームに統合することとなったため、世話人さ
んと生活支援員の役割分担を含め、体制整備を実施する。グループホーム利用者のみならず、
高齢化に備えた新たな事業展開として居宅介護事業の準備を開始する。
(3)その他
1.
地域福祉・雇用への貢献
今後も引き続いて、地域福祉の増進に寄与する事業等実施したい。山梨県や市町村の雇用再生事業
等を活用して雇用の創出に努力するとともに、精神障害者社会適応訓練事業等の諸事業を通しての支
援、地域の農業生産団体や経済団体等との連携を模索し地域福祉の実践を主体的に進める。
2.
海外発展途上国援助活動の推進・拡大
開園以来継続してきたフィリッピンの子どもたちを支援する活動は、引き続き重点的に取り組む。
更に、要望のある各国との結びつきも強化したい。今後も中古衣類や学用品・運動具等の送付を続け
るが、これらの活動は他の国への支援にとどまるものではない。利用者の参加によって利用者の中に
自信と思いやりの精神が芽生えていく重要な活動と位置づけ、さらなる発展を図りたい。
3.
他団体との連携による人権擁護への取り組み
引き続き、山梨県内において路上生活者等への支援を展開しているNPO法人「やまなしライフサ
ポート」からの受託事業として、緊急一時宿泊施設の維持管理に努力する。一方、このような公益に
資する事業が「収益事業」としての位置付けしか与えられておらず、社会福祉法人の実施する公益事
業としての位置付けを求めていきたい。
9月リニューアルオープンのあくしゅは、開校日の支援時間が13時30分~17時30分、休校
日は、9時30分~17時30分となっており、地域の団体や人権にかかわる市民組織等に18時以
降と開校日の午前中、無料での貸出を計画し、地域や福祉への貢献活動に取り組みたい
引き続き、社会的少数者等の人権擁護団体とも積極的に連携を図る。特に児童への支援活動に積極
的に取り組む。