換気設備の予察的検討 仕様書 2015年3月 原子力発電環境整備機構 1 1. 委託件名 換気設備の予察的検討 2. 委託業務の内容 2.1 背景・目的 原子力発電環境整備機構(以下,機構)では,地層処分事業の安全確保に関する技術的信頼 性を向上させるため,「閉鎖前の安全性の評価」をセーフティケースで示すべき重要なテーマ の一つとして位置づけて,取りまとめを進めている。 閉鎖前の安全性の評価は,放射線防護上の観点が重要であるが,大深度地下において長大な 坑道が複雑に展開されることを考慮すると,労働安全衛生上の観点からの成立性の見通しを示 すことも必要である。本業務では,換気設備を対象として予察的な検討を行う。 機構は,換気計画立案に向けた基本的な考え方を以下のように考えている。 坑道への通気は,坑口に設置される換気設備で,強制的に地下坑道の各所へ送風することが基 本となる。 事業の進捗(掘削の進捗や坑道の貫通)や,異常時の対応,放射線管理区域を通過した気流へ の対応など,様々な要件やイベントを考慮して換気設備を計画する。 地下施設は,地下深部に広がりを持ち,かつ各所で枝分かれした複雑な構造を持つ坑道群とな る。したがって,単純に坑口に設置する坑口扇風機の機械力で通気を行うだけでは必要な箇所 に必要なだけの空気を供給することが困難になると想定されることから,効率的に通気を行う ための制御が必要となる。 以上を踏まえて,本業務では,平常時は作業環境維持の設計要件に適合するための換気設備 の概略検討を実施し,成立性の見通しと課題を明確にするとともに,異常時は事故の拡大防止 の設計要件に適合するための設計方法の検討を実施する。 2.2 委託業務の項目 ① 地下施設の平常時の設計要件に適合するための換気設備に関する予察的検討 ② 異常時の通気制御方法の確立に向けた設計方法の検討 3. 委託業務の概要 3.1 地下施設の平常時の設計要件に適合するための換気設備に関する予察的検討 換気設備の平常時の設計要件は作業環境の維持であり,これに適合させるためには以下の対 応が必要となる。 ・新鮮な空気を供給する。 ・坑内おいて発生するガスや粉塵等の有害物質を希釈し排除する。 ・地熱や機械熱,廃棄体の発熱等の原因で熱せられた空気を冷却する。 これらの対応の見通しを得るために,坑内作業の状況を設定して地下施設の通気網解析を数 ケース実施し,換気経路を概略的に把握するとともに,成立性確保のための課題を明確にする。 2 検討の前提とする地下施設のレイアウトは機構より提示する。また,坑内作業の状態は機構と 協議の上で設定する。 3.2 異常時の通気制御方法の確立に向けた設計方法の検討 異常時として,火災発生時と放射性物質の漏えいを想定する。それぞれの場合について,避 難経路や避難時間の確保や放射性物質の外部放出防止の観点から通気制御の具体化に向けた 設計方法の検討を行う。 4. 実施期間 契約締結日~2016年2月26日まで 5. 委託者側実施責任者 原子力発電環境整備機構 技術部長 藤原啓司 〔担当箇所:技術部 工学技術グループ〕 6. 実施場所 受託者にて適切な実施施設を準備して使用する。 7. 提出書類等 提出書類等一覧表 提出書類等 提出期限 提出先 提出部数 備考 実施計画書 契約締結後速やかに 技術部 1 印刷物 委託成果報告書 2016年2月26日 技術部 1 印刷物 委託成果報告書 の電子ファイル 2016年2月26日 技術部 1 図面等の電子フ 2016年2月26日 ァイル 技術部 1 PDF形式及びマイクロソフ トWord形式でCDもしくは DVDに保存して提出 3D-CAD等で加工可能な形 式で,CDもしくはDVDに 保存して提出 注)実施計画書は,仕様書に記載された委託業務の範囲を実行するうえで,具体的な計画, 実施工程,実施体制(再委託を含む) ,品質保証計画等を記載したものとする。委託成 果報告書は,機構の「業務委託及び役務調達における技術報告書作成マニュアル」に 準拠して作成するものとする。 8. 特記事項 ① 本仕様書に記載されている事項及び本仕様書に記載のない事項について疑義が生じた 場合には,当機構と協議のうえ,その決定に従うものとする。 ② 当機構が既に行った調査資料で,本業務に必要なものは随時提供する。 ③ 本業務とは別に実施する技術検討業務に反映するため,必要に応じて,検討途中の情報 3 (解析結果の図表,デジタルデータ等)の提出を求めることがある。また,機構の責任 のもと,当該情報を第三者に提供することがあるので,これを承諾すること。 以上 4
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