沼田町水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状、地域が抱える

沼田町水田フル活用ビジョン
1
地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
沼田町は全耕地面積に占める主食用米面積(自主的取組参考値)の割合は約77%で、
転作作物に占める小麦・大豆・そばをはじめ、水張転作である米粉用米・加工用米・備蓄
米の面積が多い。
米の集荷施設を整備し、水稲の作付けに傾注してきた地域としては、主食用米の需要が
減少する中、加工用米・備蓄米・米粉用米・輸出米・飼料用米で水張面積の維持を図って
いくことが重要である。
今後は、平成30年産からの生産調整廃止を視野に、水田活用の直接支払交付金・産地
交付金を活用しながら、加工用米・備蓄米・米粉用米・輸出米・飼料用米に取組、系統(ホ
クレン)を中心としながら、JA北いぶき独自の実需者の開拓と結びつきを更に強化して
いくことが急務である。
その他、小麦・大豆・そばなどについては、排水不良による単収の低下を招いている圃
場があることから、暗渠等の整備や土壌診断・有機物の施用・輪作等による土づくりが必
要となっている。
また、複合経営の手段として、土地利用型のブロッコリー・加工用トマト、施設園芸の
花卉・ミニトマト・メロンについて維持・拡大を目指していく。
2
作物ごとの取組方針
沼田町の約2,932ha の水田について、適地適作を基本とし、産地交付金を有効活用
しながら、作物生産の維持・拡大を図ることとする。
(1)主食用米
売れる米づくりの徹底により、米の主産地としての地域を確保する。
今後は需要動向や集荷業者等の意向を勘案しつつ、米の生産を行う。
また、中食・外食のニーズに対応した業務用米の生産と安定取引の推進を図る。
(2)非主食用米
ア 加工用米・備蓄米
イ
ウ
産地交付金を活用しつつ、系統(ホクレン)を中心としながら、JA独自の実需
者の開拓を進め、需要量と面積の拡大を図ることとし、H30年には必要数量に応
じた契約数量を目指す。
(面積
0.0ha→100.0ha)
米粉用米
産地交付金を活用しつつ、地域の実需者との結びつきを強化し、生産拡大を図っ
ていくこととし、H30年には必要数量に応じた契約数量を目指す。
(面積 36.5ha→36.0ha)
輸出用米
地域の水張転作の手段として、地域の実需者と輸出用米に取組み、H30年には
必要数量に応じた契約数量を目指す。
(面積
0.0ha→10.0ha)
エ
飼料用米
産地交付金を活用しつつ、系統(ホクレン)を中心としながら、需要量と面積の
拡大を図ることとし、H30年には必要数量に応じた契約数量を目指す。
(面積
0.0ha→20.0ha)
(3)畑作物
ア 小麦
高品質・高収量を目指した圃場管理・肥培管理を徹底する。
①サブソイラ等による心土破砕や明暗渠等の実施による排水対策
②土壌診断結果に基づいた堆肥の施用や輪作等による土づくり対策
③種子消毒と防除作業の徹底した実施による疫病・害虫対策
④雪腐病軽減のため、融雪剤散布とサブソイラ等での雪割作業による融雪対策
イ
大豆
高品質・高収量を目指した圃場管理・肥培管理を徹底する。
①サブソイラ等による心土破砕や明暗渠等の実施による排水対策
②土壌診断結果に基づいた堆肥の施用や輪作等による土づくり対策
③種子消毒と防除作業の徹底した実施による疫病・害虫対策
④除草対策及び倒伏軽減、通気性向上のための中耕の実施
⑤5月下旬を目途とした適期播種の徹底
ウ そば
エ
オ
高品質・高収量を目指した圃場管理・肥培管理を徹底する。
①サブソイラ等による心土破砕や明暗渠等の実施による排水対策
②土壌診断結果に基づいた堆肥の施用や輪作等による土づくり対策
③雑草に負けない製品づくりのための除草対策の徹底
④収穫後の歩留向上のために適期収穫の徹底
小豆
高品質・高収量を目指した圃場管理・肥培管理を徹底する。
①サブソイラ等による心土破砕や明暗渠等の実施による排水対策
②土壌診断結果に基づいた堆肥の施用や輪作等による土づくり対策
③種子消毒と防除作業の徹底した実施による疫病・害虫対策
④除草対策及び倒伏軽減、通気性向上のための中耕の実施
⑤5月下旬を目途とした適期播種の徹底
てん菜
高品質・高収量を目指した圃場管理・肥培管理を徹底、直播や紙筒ポットでの育
苗により省力化を図る。
①サブソイラ等による心土破砕や明暗渠等の実施による排水対策
②土壌診断結果に基づいた堆肥の施用や輪作等による土づくり対策
③直播や紙筒ポットでの育苗による省力化の実施
(4)野菜
ア ブロッコリー・花き・花木
イ
ウ
産地交付金とJA北いぶき独自の支援策により、地域ブランド力の高いブロッコ
リー・花卉を重点振興作物として生産拡大を目指し、水稲との複合経営の手段とし
て農業者の所得向上を図る。
加工用トマト
産地交付金の活用と沼田町農産加工場の加工技術を生かし、沼田ブランドである
「トマトジュース」の加工用原料として生産拡大を目指し、水稲との複合経営の手
段として農業者の所得向上を図る。
ミニトマト・メロン
ブロッコリー・花き・花木に次ぐ、JA北いぶきブランドの農産物として、産地
交付金を活用し、水稲栽培の作業と競合しない園芸作物であり、複合経営の手段と
して農業者の所得向上を図る。
3
作物ごとの作付予定面積
平成25年度の作付面積
平成27年度の作付面積
平成28年度の作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
作物
主食用米
2,425.9
2,298.2
2,197.0
米粉用米
5.1
18.2
36.0
加工用米
0.0
22.2
109.1
備蓄米
0.0
31.6
8.5
飼料用米
0.0
2.5
2.5
WCS 用稲
0.0
0.0
0.0
輸出用米
0.0
0.0
9.0
小麦
51.6
53.2
53.2
大豆
68.0
75.6
70.5
そば
304.1
238.4
305.6
てん菜
9.8
6.1
10.4
馬鈴薯
7.4
0.0
7.9
4.1
5.9
4.5
17.0
18.3
19.0
ブロッコリー
5.5
8.7
7.0
ミニトマト
0.4
0.5
1.0
メロン
1.8
1.5
3.0
加工用トマト
1.7
2.7
2.0
その他の作物
小豆
花き・花木
4
平成28年度に向けた取組及び目標
取組
対象
H25
取組
番号
分類
H27
H28
指標
作物
(現状値)
(予
定)
(目標値)
小麦
高品質・高収量を目指した排水
対策、融雪促進対策、疫病・害
虫対策の取組
ア
作付面積
51.0
48.8
53.0
大豆
高品質・高収量を目指した排水
対策、融雪促進対策、疫病・害
虫対策の取組
ア
作付面積
68.0
56.6
71.1
そば
高品質・高収量を目指した排水
対策、除草対策の取組
ア
作付面積
304.0
200.0
306.0
てん菜
高品質・高収量を目指した排水
対策、融雪促進対策、直播や紙
筒ポット育苗による省力化・低
コスト化の取組
ア
作付面積
9.0
6.1
10.0
1
※「分類」欄については、要綱(別紙16)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか1つ記入して下さい。)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ
生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ
地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組