色で見る化学センサー: クラウンエーテルを中心として

第
84 回
九州大学大学院 博士課程教育リーディングプログラム
分子システムデバイスコース
分子システム
Advanced Graduate Course on Molecular Systems for Devices
Open Seminar
デバイスセミナー
日時: 2015 年
参加費無料
10 月28 日 (水) 16:30 ∼ 18:00
会場:伊都キャンパス 総合学習プラザ110
Ito: Open Learning Plaza 1F Seminar Room(#110)
色で見る化学センサー:
クラウンエーテルを中心として
要旨
我々のまわりの水の中には様々な金属イオンや有機物質が存在している。
これらの濃度を測定すること
は、環境問題や医学的にも重要なことある。
この目的には、原子吸光法やICP-MSといった機器分析法が
一般的だが、大がかりで高価な機器である。そのため、
このような機器を使わずに目で判断できる方法
や、吸光光度計などの汎用機器で測定できる方法の開発が望まれている。
この目的ためには、金属イオ
ン等と特異的に反応し、色が変わるような分析試薬が必要となる。たとえば金属イオンと錯形成する部
位と、それを光信号に変換する部位を持つ試薬を作ればよい。銅イオン等の遷移金属イオンには、種々
の発色型の分析試薬が数多く存在する。
しかし、1970年代にはアルカリ金属イオンにはそういった試薬
はなかった。
これは、当時アルカリ金属イオンに対しては、錯形成するような分析試薬がほとんど知られ
ていなかったことによる。
しかし、1967年にPedersenらによってクラウンエーテルという環状のポリエー
テルが合成されて、
これがアルカリ金属イオンと錯形成をすることが発見された。
中村 博先生
北海道大学
名誉教授
クラウンエーテルを基本とする吸光試薬の開発:
クラウンエーテルとアルカリ金属イオンとの錯形成を、吸収スペクトルの変化に変換する様な試薬の開
発をした。
アルカリ金属イオンと錯形成すると酸解離を促進し色が変わる。
このような考え方で種々の吸
光光度試薬を開発した。
また、蛍光光度法は高感度であるので、同様に酸解離で蛍光強度か変わる試薬
も合成できる。
励起状態を制御する試薬の開発:
蛍光発光は、紫外線などによって励起された分子が、元の状態に戻るときに光を発する現象である。
こ
の励起状態の寿命・準位などを金属イオンなどの錯形成によって制御することができれば、酸解離とは
異なった考え方で発光強度・波長を変化させることが出来る。
このためのには錯形成による構造変化等
を利用する。
このような蛍光変化を起こすための分子設計について述べる。
シクロデキストリン基本とする試薬の開発:
シクロデキストリンは有機分子と超分子錯体を作る事で知られている。
クラウンエーテルをシクロデキ
ストリンに置き換えて、上記励起状態を制御する官能基を導入すると、有機分子に対する試薬が出来る。
界面活性剤などの微量分析への応用についても述べる。
■お問い合わせ先
■ 主催:
九州大学工学研究院 応用化学部門(機能)
応用分析化学講座
分子システムデバイス国際リーダー教育センター支援室
E-mail:office[at]molecular-device.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-2911 FAX:092-802-2912
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744
九州大学伊都キャンパス ウエスト2 号館627 号室
■ 後援:
九州大学 大学院博士課程教育リーディングプログラム
分子システムデバイスコース
今坂 藤太郎(工学研究院応用化学部門(機能)応用分析化学講座)
Email: imasaka[at]cstf.kyushu-u.ac.jp