第110回 - 九州大学大学院 博士課程教育リーディングプログラム 分子

第
110回
分子シ ス テ ム
九州大学大学院 博士課程教育リーディングプログラム
分子システムデバイスコース
Advanced Graduate Course on Molecular Systems for Devices
デバイスセミナー
★
Open Seminar
参加無料
2016 年 11 月 25 日(金) 16:30 ∼ 18:00
日時:
会場:伊都キャンパス総合学習プラザ 110
Ito campus: Open Learning Plaza 1F Seminar room(110)
大気圧非平衡プラズマを用いた
人に優しい医療・農業機器の開発
要旨
金子 俊郎 先生
東 北大学 大学院工学研究科
電子工学専攻
大気圧非平衡プラズマとは、大気圧下で生成され、数万℃の電子温度に対し
てイオン及び中性粒子の温度が室温程度である(非平衡)、触っても火傷をし
ない低温プラズマのことである。この大気圧非平衡プラズマが、生体・細胞に
画期的な作用をもたらすことが近年の研究で明らかになり、細胞の機能や反応
をプラズマで制御する新たな学問「プラズマバイオロジー」が提唱されている。
医療分野においては、正常細胞の損傷がないガン細胞の選択的死滅、組織障害
が少ない血液凝固(止血)、細胞膜を壊さない遺伝子導入等が、従来の治療法
では成し得なかった、低侵襲性、高効率性、選択性を実現できることで注目され、
日本発の画期的なプラズマ医療機器として開発が進められている。講演では、
特に、非平衡プラズマを用いて細胞内部に遺伝子や薬剤を導入するプラズマ遺
伝子導入装置の開発に関する最新の成果について紹介する。
また、農業・食糧分野では、プラズマ中に含まれるイオン、電子、活性種の
殺菌効果や植物細胞への作用を活用して、農薬に代わる植物病原菌の殺菌、化
学肥料に代わる植物の成長促進による、安全・安心な未来型農業「プラズマア
グリ ®」を推進している。講演では、イチゴを育成する大型ガラスハウスに実
装するための大面積プラズマ噴霧装置を製作し、農薬を使用せずに病原菌を殺
菌する農業機器の開発について、企業との共同研究の成果も含めて紹介する。
■お問い合わせ先
分子システムデバイス国際リーダー教育センター支援室
E-mail:office[at]molecular-device.kyushu-u.ac.jp
TEL:092-802-2911 FAX:092-802-2912
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡 744
九州大学伊都キャンパス ウエスト 2 号館 627 号室
■主催:九州大学大学院博士課程教育リーディングプログラム
分子システムデバイスコース
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