安保関連法案学習会(2015.8.10)報告

安保関連法案学習会(2015.8.10)報告
2015.8.12 外国語学部 鈴木陽一
「安全保障関連法案に反対する神奈川大学教職員有志(以下神大教職員有志)
」主催により、
安保関連法案の学習会が8月10日に神奈川大学で開かれました。声明が発表されたのが8月
6日、声明発表が神奈川新聞によって報道されたのが翌7日で、わずか数日後の学習会開催で
あったため、10人程度の参加者を予想し、大学院の演習室を準備し、予定通り10日の午後
4時に開始致しました。
しかし、開始後間もなく、学生、近隣の市民なども加わって、予定の倍以上の人数となった
ため、急遽通常の教室に移動し、学習会を継続することになりました。出席者は40名弱で予
測を超える大盛況となりました。声明への賛同者がすでに150名を超える事と併せ、この問
題への関心がどのくらい急速に広がりかつ深まっているかを見ることができ、
心強く思います。
学習会を始めるにあたり、本学理学部木村敬教授より、今回の運動のきっかけから声明のと
りまとめ、学習会の開催に至った経緯を説明し、そのあと講師による報告と質疑応答、意見交
換を行いました。
講師は本学法学部東郷佳朗准教授、
同経営学部杉田弘也教授のお二方にお願いを致しました。
お二人の報告内容の詳細はそれぞれパワーポイントのスライド、ワードの文書にまとめていた
だき、別添の形でご覧いただけますのでそちらをご覧下さい。ここでは、お二人の講演に対し
ての参加者の感想に基づいて、アウトラインを御紹介するに止めます。
東郷先生のご報告は法律の専門家に相応しく、詳細でありながら、的確にポイントを抑え、
この法案がいかにひどいものかを分かりやすく指摘するものでした。参加者のほとんどは、こ
のような「違憲」のかたまりのような法律を絶対に通してはならないという気持ちを共有でき
たと思います。
杉田先生からは、集団的自衛権とは軍事同盟に他ならないこと、そして先生の研究対象であ
るオーストラリアは、この軍事同盟のために多くの血を流してきたことが指摘され、参加者か
ら、集団的自衛権の「自衛」という言葉にだまされてはいけないということがよく分かったと
いう声が上がりました。
報告後に、質疑応答、意見交換が行われ、教職員、学生、市民それぞれから積極的な発言が
ありましたが、
その全てを紹介することはできませんので、
ポイントのみを列挙しておきます。
①神大の教職員がこの問題で動き始めたことを喜んでいる。今後もこうした問題に積極的に
取り組んで欲しい。
(学生、市民)
②こうした問題について、学生が意見交換を行ったり、行動を起こすことを妨げる学内規制
があるのではないか。大学は、学生たちが声を挙げ、行動することのできる自由を保障すべき
だ。
(学生、教員及び市民より賛同の意見)
③法案の条文には、今議論されているよりもさらに危険な解釈を許す文章が盛り込まれてい
る。
(教員)
④自衛の名の下に武力行使が容認されていくこと自体がおかしい。
(市民)
⑤戦争体験を持つ世代として、絶対に「戦争法案」を許してはならないと思っている。風向
きも変わった今こそ、もっと頑張らねばならない。
(市民)
⑥秘密保護法と連動して、国民に知らせないまま日本を危険な状態にもっていく、そういう
青写真が描かれていると考えねばならない。
(教員)
⑦教育への政府の介入も連動した動きになっていて、大学教育の改悪を食い止めねばならな
い。
(教員)
最後に、司会の鈴木から以下の点をまとめとして提起し、参加者のご了承を頂きました。
①大学は、こうした重要問題に対して、様々な方法で情報発信をする社会的責任を有してい
る。
②大学の構成員である、教職員、学生、生協職員等は、それぞれが市民の一人として、こう
した重要な問題について、
自ら考え、
自ら意見を述べるなどの行動を行う権利と責任を有する。
③大学の構成員である教職員、学生は専門家或いは知識人(の卵)として、こうした重要な
問題について、それぞれが専門分野との関わりの中で、自ら考え、行動する権利と責任を有す
る。
④「神大教職員有志」は、法案廃案を目指し、今後様々な手段を尽くし、可能な限り学内の
学生たちと連帯して行動する。
⑤「神大教職員有志」は今後も地域に根ざした大学の一員として、近隣住民に情報提供の場、
意見交換の場を設け、協力して法案廃案を目指す。
以上の点を、拍手を以て確認し、参加者は近日中の再会を約しつつ、学習会は散会しました。
その後、呼びかけ人が協議し、以下の点を確認しました。
①8月30日の安倍政権を退陣に追い込むための大行動をひとつの山場と考え、その直前、
27日または28日のどちらかで学習会を開催する。
30日以前に開催するのが難しい場合は、
9月3日、大学院入試の当日に開催することを検討する。開催時刻は、各研究科の入試の終了
時刻と、平塚からの移動時間を考えて設定する。
②講師の確定が難しい場合は、参加者複数(または全員)によるミニスピーチを行い、意見
交換を行う。
③学生との連帯の方法については、最も緊急かつ重要な検討課題とする。
なお、この文書は当日司会進行役をお引き受けした鈴木陽一がまとめたものです。