進路指導の

第4回
が看護・医療系の大学・短大、専
今年度も、進学者全体の3割程度
看護・医療系の進路を希望します。
点で指導していたのでは成果が上
ますし、各学年の教員が異なる観
うした力を育むには時間がかかり
希望進路実現に向け
生徒に自信を持たせる
指導ができるようにしました。生
がりません。そこで、2年前に指
いのですが、言い方を換えれば、
徒の可能性を引き出し、それぞれ
門学校に進みました。
本校は1学年240人が在籍す
遠慮がちで、自分の希望する進路
が活躍できる場所に自信を持って
││ 進路指導の方針について教
る普通科の女子校です。例年、4
目標の実現に自信がないとも言え
送り出すことが、私たち教員の役
導計画を改め、より一貫性のある
年制大学進学者が約7割、短大進
ます。ですから、生徒には、自分
目だからです。
本校は穏やかな性格の生徒が多
学者が約1割、専門学校進学者が
の意思で前向きに進路を選ぶ力を
えていただけますか。
約2割程度です。女子校というこ
付けてほしいと考えています。こ
とめるというところからスタート
ら、将来の道を決めても遅くはな
ろなものを自分の目で確かめてか
す。本音を言えば、大学でいろい
影響を与える場だと思っていま
大学は、その人の人生に大きな
セージはありますか。
││ 大 学 関 係 者 に 対 す る メ ッ
なのだと生徒には伝えています。
ます。常に学び続ける姿勢が大事
しなければ意味がないと思ってい
できる人間を、高校段階から育成
本校から進学者が多い首都圏私立
この説明会は、県内の国公私立、
生も参加できるようにしました。
に実施していた大学説明会に2年
しています。加えて、3年生向け
ンキャンパスへの参加を全員に促
1年生の夏から、大学のオープ
に触れる機会を増やしました。
検討できるよう、1年次から大学
ですが、専門学校以外の選択肢も
志望している生徒も一定数いるの
本校は、入学時点で専門学校を
を決めてほしいからです。
くの選択肢を検討したうえで進路
ントを置きました。できるだけ多
路選択の幅を広げること」にポイ
改訂にあたっては、
「生徒の進
いったのでしょうか。
││ 具体的にどのように変えて
大学での学びを知ることが
進路選択の幅を広げる
ともあり、従来から多くの生徒が
だと考えています。毎週新聞記事
を読ませて、感想を 字程度でま
して用意し、生徒は興味のある大
し、1年生の秋からは、経済、環境、
つながるテーマについて、600
学の教室に行って、学部概要や卒
ます。
字程度の文章を書かせています。
る模擬授業を校内で実施します。
学問分野への関心の幅を広げるた
めに、生徒の人気が高い医療・看
護だけでなく、経済や法、理工、
推薦入試対策として表現力を付
かがっています。
論文指導に力を入れているとう
││ 進路指導の一環として、小
大学教員を招いています。
者の意向を踏まえながら
理想だとの考えから、保護
の力で進路を選び取るのが
ます。しかし、生徒が自分
6割程度の保護者が参加し
すが、平日にもかかわらず
に進路講演会を行っていま
ます。本校では3年生の春
の関与も大きいと感じてい
また、男子生徒と比べて保護者
路に関する相談も多いですね。
女子生徒のほうが勉強の質問も進
男子校で長年教えていましたが、
その傾向はあります。私自身、
イメージがあります。
教員や保護者によく相談をする
割程度が推薦入試で進学していま
ん。本校の場合、大学進学者の4
そういう面もあるかもしれませ
るという話も聞きます。
し、推薦入試を利用して進学す
││ 女子のほうがコツコツ勉強
たのではないかと感じています。
絞り込んでしまう生徒が減ってき
迎え、早い段階から安易に進路を
す。指導計画の改訂から3年目を
志望者が例年よりも増えていま
今年度の3年生は4年制大学の
にアドバイスします。
踏まえて、進学先を選択するよう
ずです。生徒にはそうした現状も
制大学卒の看護師が増えていくは
る方も多いのですが、今後は4年
ずです。
わっていける学生が増えていくは
ければ、社会に対して積極的に関
校でも大学でもそうした機会を設
をどんどん提供してください。高
野を広げ、考えを深めさせる機会
やボランティアなど、社会への視
会に出て必ず生きますから、留学
いはずです。大学時代の経験は社
けさせる目的もあるのですが、社
も、最終的に自分の判断で
す。ただ、早い時期に進学先が決
││ 女子生徒は男子生徒と比べ、
会への視野を広げる意味でも有効
進路を決めるようにアドバ
まった生徒も、次のステップに向
大学は、社会への
視野を広げる場を
多く提供してほしい
女子生徒の保護者の
進路選択への関与は
男子生徒以上に大きい
ま と め
イスをしています。例えば、
けて最後まで勉強しています。
松﨑 健一
保護者の中には「看護師=
群馬県立館林女子高校 進路指導主事
私は、大学進学後も努力を継続
芸術など、さまざまな学問分野の
自らの判断で進路を
決めるようアドバイス
2年生の秋には、大学教員によ
医療問題など、大学での学びにも
ています。各大学1教室を会場と
の計 大学に来校いただき実施し
高 校 3年 間 を 通 し 、自 分 の 意 思 で
将 来 を 選 び 取 る 力 を 育 て ていま す
現場
専門学校への進学」と考え
まつざきけ ん い ち ● 教 職 歴 2 8 年 。専 門 教 科は数 学 。同 校に赴 任して4年
目。2 0 1 4 年より現職。
「 大学でも社会に出てからも、常に広い視野に立ち、学
び続ける人間を育てたい」
という思いを持って、指導にあたっている。
から
進路指導の
20
業後の進路などについて話を聞き
60
共 に 未 来を育てるために
高校訪問
ワンポイントアドバイス
一 般 論はいらない
その高 校 向けの説 明を
報を交換して、理解を
高校訪問は互いに情
います。ですから、
深めるよい機 会だと考えて
を具体的に
な情報”
“本校の生徒にとって有益
がたいですね。例えば
紹介していただけるとあり
べるの
こういうカリキュラムで学
「この学 科は、
とっ
徒に
子生
す女
で、〇〇の資 格取 得をめざ
学の
う大
そうい
というように。
てよいと思います」
ぶと思います。
を運
も足
説明会には、高校教員
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2016 12-2017 1
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高校教員がホンネを語る
取材・文/本間学 撮影/柳田隆司