成果論文

光 ・電子機 能 をもつ有機材料 の研 究
斎藤 省 吾
九州大学総合理工学研 究科 教 授
有機 分 r の 特異 な機 能 を効 卒 良 く発現 させ る こ とが で きれ ば , 無 機 半導体結 │ 1 と
占は 原 F 咽
的 に共 な る新 しい 電
`
ク
`
デ バ イス ぁ るい は 超
子材料 , デ バ イ ス を開発す る こ とが で きる. 分 j本
′
機 能 を活 用 した デ バ イス には 分 r ム
ク
」
,千
電 子デ バ イ ス とい う呼 称 が 与え られ る時 期 にな ってい るJ こ の 分野 の有
究 にお い て は , 1 ) 適 L lな有機
分 rを
設 計す る こ と, 2 ) 適 切 な分十環 境 ( 分千集 合体 組 織 ) を設 計す る こ と, が 重 要 であ る.
ここで は , 本 助 成 金 の援 助 を受 け て実 施 した 3 種 類 の 光 ・電 十機 能 を もつ f f 機材料 に関 す る研 究 の 概 要 を述
べ る。
1 . 電 子伝 導性 ポ リア リ レンビニ レンフ ィル2 、
の研 究
は, 不溶 不融 とい う性 F F のため , フ ィルム に成型 す る
主鎖 に沿 って π共 役 系が発進 して い る導電性 i 馬
分 r本
こ とが で きなか った , 大 1 飼
検 フ ィル″、形成能 は , 導 電性 高分子 を材料 と して利 ' H する除 の 必 要条 件 とな るt
われ われ は , ポ リ( P ―フェニ レンビエ レン) フィルム 作 製 の ため に提 案 され た 前駆 体 高分 r フ イルム を経 由す
す
る方法 を拡 張 し, 本連 の ポ リア リ レン ビニ レン系 ■i t t r フィルムの 作 製 に成功 した, そ の 電 r ‐
伝 準性 に1 瑚
る測 定結 果 の 一例 を浜 1 に 示 す.
表 1 ポ リア リレン ビエ レンフ ィルムの電 F 伝 導性
6 RT(in Vac)
5 RT(in air)
6 RI(in air)
undoped
02 dOped
12 dOped
Polynler
S'cm
― CH― CH+n
(DC
H
C
ヽ十ノ
3 〓
H
︲ 側
(④
∼
S/cm
S/cm
1()19
10-12
10-4
1014
1011
10
1013
10 9
60
n
(DCI13
や
O―
CH― CH)n
、,02 dOpedと はそ れ を空 気
ここで ,undopedと は約 400Kの 高真空 中 で 十分 に脱酸素処理 を行 ったフイルノ
中に放置 した もの ,12 dOpedは ヨウ素 をわずか に ドープ した もので あ り, 6は 導電率であ る。
これ まで に得 られた結果 をまとめ る と,以 下 の通 りである.
1)イ オ ン化ポテ ンシ ャル を低 下させ るように労香環 部 の 化学構造 を変化 させ ることに よ り, 予測通 り導電
率 は上 昇 し,光 学的吸収端 は低 エ ネル ギ ー側 に移行 した.
2)ド ー パ ン ト分子 の選択 によって,真 空中な らば20桁,空 気中な らば15桁以 [1にわた り導電卒値 を制竹「
す
る こ とがで きた.
3)前 5に体 高分 r本
サア リレンビニ レン分 F'鎖の配 向制御が 可能であ る.
に延伸処理 を行 うことによって,ポ 〕
フ ィルム 中 の 分千鎖配向 も導電性 向 Lに 有効であ った‐
_9_
t夕
1 ) t F 本 ア クセ フ 分 F ム
の ドー ビン グが 導電性 向 │ を
に有効 であ り、 この 時 フ イルムは P 型 半導体 あ る い は p
型導電 体 とな った │ ‐
5 ) ネ フ ィルム は 光導電│ た
イ
材料 で あ り, 特 に可祝 ∼ 近 赤外 領域 の 光に 対す るす ぐれ た 光導電 体 であ る. ま た
ヽ
ン ナ
ョッ トキ ー 型あ るい は p n す
葉合デ バ イス を作 る こと も可能である。
ポリ( P ―フェエ レンビエ レン) フ ィル2 、
にお い て, 著 しい 3 次 非線形光学効 果を観, J只することがで きた
χ
3は
約 10 11 esu,応 答時1綱は 10 14seCであ った
2 1 7 1 1 r効
体果に よるサ リチ リデ ンア ニ リンの フ ォ トク ロ ミズムの祐1 御
の l l 逆的 光化十 反応 は , 1 分 子を 単位 とす る反i b であ るので , 超 高密 度 光 メモ リの
色 変化 を1 + 4 ぅ
ィ丁
機 分 j生
で わ れ われ は繰 り返 し使 サ
1相
た にl L I l jきる
1 1 寿命 にす ぐれ た反応 系 を探 索 した結 果, そ の反応 系 は準 安定 分
か ら安 定 分 r ^ に戻 る│ 1 貯
jを
【反応 が速 い ( メモ リ保す
キ時 間が 矩 い ) とい う皮 肉 な結 l i に
倫f l 達した.
本研究 で は , サ リチ リデ ンア ニ リンをモ デ ル化 合物 と して , 媒 体 効 果 ( 分千環 境 効 果) に よって , 準 安定 分 r
i ttf tt デ
l,r安定
l ) か分 │ ( 無 色確 ) に反 るダ1 反応速 度 をF j lす
御る こ とを試 み た( ,
、を示す 分 r に 親 水米 C O O H と 疎 水米 R を 結 合 させたのは,
御 J k した 化 合物 を隊1 1 に 示す. フ ォ トク ロ ミズ′
Iフ
a n 質1 1 l u i r B l o d g c Bt )t ‖
('1[ッ
作製 を ( ) 意図 したためであ る。 これ らの 分子 のH 岸
熟 反応速 度 を浴 液 中, 非 品性 高 分
1 媒 体 中, L B ‖ 賞中 及 び結 ! 1状
品態 でl B l 定して得 られ た結 果 は , 以 下の 通 りであ る.
R ひ
側守
。
H
プyc。
く I
R = C12H25°
フ ォ トク ロ ミズ2 、
を示すサ リチ リデ ンア ニ リンf 秀
導体
1 ) 斉れ反応の l f力■
l 」は媒体 に よって F t なった―す なわち, 洛 液 中及 び結 品状態では ヽ
次反i b , L B 肢 中 で も
j近
の場 合は, 速 1 安
似的 には ム
次 反応 に従 った ―これ ' ラ
定数 の逆 数 として情 報蓄積時間 をけ1 確に決定で きた
^ 方. りr lI lJ 品
: 十 r 媒体 中では熱 反応 は ‐
市分
次 反応 に従わず , 速 度定数が 分行を もつ とい う慨念で解析す る
こ とがで きた!
2 ) 帖 服革千
す
i l十l問、T は 落 しい媒体効 , こ
を もら, そ の順序 は
- 3 -
T
s o i n ( ( pτo ml (、1 モL B < T
X t a l
程度 長 くな った .
nに 比 べ 106+キ
で あ った 。 た だ し, Tpぃ mは 平均 値 で あ る。 TL,及 び T xtalはT sⅢ
3)し たが って ,媒 体 効 果に よつて情 報蓄積 H寺問 を長 くす るため には,LB膜
`
!1化が 適 !1であ
化 あ る い は結 占
り, メ モ リ媒体 の 形状 を考 えれ ば LB肢 が最適 で あ る.
4)非
品性 高分 F媒 体 は フ ォ トク ロ ミック メモ リ媒 体 と して は 不適 当で あ るが , メ モ リ分 rの 環 ,光の 不均
性 を利 用す る光化 学 本
5)LB膜
一
― ル バ ー エ ング (PIIB)メモ リの媒 体 と して は 好適 で あ る。
水本 の 間 の メチ レン鎖 長 を変 化 させ るこ とに よ り,
構 成 分 予中 のサ リチ リデ ンア ニ リ ン 単位 と村と
T LBをあ る範 囲 で変 化 させ る こ とが で きる。
井対 称 LB膜 の 設 計
配 向体 で あ る非 対称 LB朕 をつ くるこ とがで きれ ば,そ れは著 しい 焦電 効 果や 2次
対称 中 心 を もた な い 分 r本
非線 形 光 学効 果 を示す こ とが期 待 され ,新 しい タ イプの光 変換 デ バ イ ス を提 示 す る こ とが で きる。
Lオ対 しは 下に示 す よ うな極性 分子 を用 い て ,い ろ い ろな タイプの LB膜 (隊12)の 作 製 を試み た。
わオ
―
べ
い
却
酬
比
的併
① ④
a)X一
図 2 LB膜
b)Y―
type
中 の 分子 配 列 i O
親 水基 ,一
c)Z―
tyPe
疎 水鎖 ,
ty pc
右極性 発色 図
L B 膜 中 の 分子配列 につい て偏 光 を用 い た分光学的手法 , X 線 い1 折に よる層 同 期 決 定 , シ ュ タル ク効 果の
測定 , 等 によ り研究 を進 めた結 果, 現 在 まで に得 られた成果 は以下の通 りであ る。
1 ) 図 2 に 示す分子配向体 の 中で安定 な L B 膜 として得 られた のは, Y t t L B 累積膜 のみであった。ただ し,
これは対称中心 を もつ 分子配向体 であるので本研究 目的 に適 合 しない 。
2 ) 膜 累積条件 を変化 させ て X 型 及び Z t t L B 膜が採取 で きる と期待 される方式 による製膜 を行 ったが , こ れ
らはいず れ もY t t L B 膜に反転 した。
3 ) 安 定 な非対称 L B 膜 は L 記膜構成分 子と特 別な極性基 を導入 して い ない アラキ ン酸
C19H39C00H
の交互累積 ( ヘテ ロ Y 型 ) によつて得 られた。 この膜 中 では, 親 水基 と疎 水鎖 の位 置関係 は Y 型 であ るが ,
累積が行 われてお り, 極 性膜 となる.
分子構 造が異 なる 2 種 類 の単分子膜 の 交F 二
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図 3 ヘ テ ロY tt LB膜
4 ) こ のヘ テ ロY t t L B ‖
栄中 のアゾベ ンゼ ン単位 の オー ダパ ラメー タ ( c ( ) s O )シュタルク
を
効果の淑r 定か ら決定
し, 0 5 7 とい う1 れを得た。
5 ) ヘ テ ロ Y t t IBフ
暇 で, 黙 横標数 に比例す る焦電応 答信号 を得た。 こ れは, 膜 の 白発分極 の 大 きさが黙積
席数 に比例 す るためで ある.
2 次 非線 形 光学効果 の測定及 び機能向 1 1 に
関す る研究 は 今後 の 課題 で ある。
3 課 題 の 中 の基礎的研 究の実施 面に充当 した。 ここ に深 甚 の謝言 を表す る。1 を記研究 に
本研究助 成金は_ 1 1 記
の 大部は 文部省科学研究費 に よ り作
おける膜構造及び用
英機 能の評1 面
f っ た ことを付 記す る。
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