公開特許公報 特開2015

〔実 9 頁〕
公開特許公報(A)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許出願公開番号
特開2015-165813
(P2015−165813A)
(43)公開日 平成27年9月24日(2015.9.24)
(51)Int.Cl.
A23C 19/08
FI
(2006.01)
A23C
テーマコード(参考)
19/08
審査請求
4B001
有
請求項の数5 OL (全15頁)
(21)出願番号
特願2015-101061(P2015-101061)
(22)出願日
平成27年5月18日(2015.5.18)
株式会社明治
(62)分割の表示
特願2009-537018(P2009-537018)
東京都江東区新砂1丁目2番10号
の分割
原出願日
平成20年10月9日(2008.10.9)
(71)出願人 000006138
(74)代理人 100103539
弁理士
(72)発明者 渡邉
衡田 直行
(31)優先権主張番号
特願2007-265611(P2007-265611)
(32)優先日
平成19年10月11日(2007.10.11)
神奈川県小田原市成田540
(33)優先権主張国
日本国(JP)
治研究本部内
(31)優先権主張番号
特願2008-218721(P2008-218721)
(32)優先日
平成20年8月27日(2008.8.27)
(33)優先権主張国
日本国(JP)
(72)発明者 相澤
武志
株式会社明
茂
神奈川県小田原市成田540
株式会社明
治研究本部内
(72)発明者 松尾
光郎
神奈川県小田原市成田540
株式会社明
治研究本部内
Fターム(参考) 4B001 AC40
(54)【発明の名称】プロセスチーズ類
(57)【要約】
(修正有)
【課題】粘り気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ口溶
けが良い、軽い食感を有するプロセスチーズ類を提供す
る。
【解決手段】粘り気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ
口溶けが良い、軽くて新規な食感を有する冷蔵したプロ
セスチーズ類であって、45mm(長さ)×15mm(
幅)×8mm(厚さ)のプロセスチーズ類の試験体1を
、長さ方向の両端の各々から7.5mmの距離を隔てた
地点に設けた2つの自由支持部2,3の上に固定せずに
載置し、かつ、該2つの自由支持部間の中央の地点に設
けた中央支持部4によって上面を支持した状態で、上記
試験体を2cm/分の上昇速度で上昇させた場合におけ
る、上記試験体が折れるまでの最大撓みが、7.5mm
以下であることを特徴とする冷蔵したプロセスチーズ類
。
【選択図】図1
BC99
EC04
EC99
( 2 )
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1
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2
【特許請求の範囲】
記載の冷蔵したプロセスチーズ類。
【請求項1】
【請求項5】
粘り気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ口溶けが良い
上記冷蔵したプロセスチーズ類は、充填包装されている
、軽くて新規な食感を有する冷蔵したプロセスチーズ類
ものである請求項1∼4のいずれか1項に記載の冷蔵し
であって、45mm(長さ)×15mm(幅)×8mm
たプロセスチーズ類。
(厚さ)のプロセスチーズ類の試験体を、長さ方向の両
【発明の詳細な説明】
端の各々から7.5mmの距離を隔てた地点に設けた2
【技術分野】
つの自由支持部の上に固定せずに載置し、かつ、該2つ
【0001】
の自由支持部間の中央の地点に設けた中央支持部によっ
本発明は、従来のプロセスチーズ類とは異なった、粘り
て上面を支持した状態で、上記試験体を2cm/分の上 10
気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ口溶けが良い、軽
昇速度で上昇させた場合における、上記試験体が折れる
くて新規な食感を有するプロセスチーズ類に関する。
までの最大撓みが、7.5mm以下であることを特徴と
【背景技術】
する冷蔵したプロセスチーズ類。
【0002】
【請求項2】
プロセスチーズは、原料チーズ(ナチュラルチーズ)に
脂肪とタンパク質の重量比(脂肪/タンパク質)が1.
溶融塩を添加した後、加熱溶融して乳化することにより
30以上である、粘り気が少なく、口腔内で砕け易く、
製造される。原料チーズ中の不溶性のカルシウムパラカ
且つ口溶けが良い、軽くて新規な食感を有する冷蔵した
ゼイネートは、溶融塩の作用によって可溶性のナトリウ
プロセスチーズ類であって、
ムパラカゼイネートに変換され、さらに冷却されること
(a)原料チーズの全量中において、熟度指標である水
によってゲル化し、プロセスチーズ特有の組織を形成す
溶性窒素と全窒素の重量比(水溶性N/全N)が23. 20
る。このため、従来のプロセスチーズ類のほとんどは、
0%以上であること、及び、(b)原料チーズの全量の
ナトリウムパラカゼイネート由来の粘弾性に富んだ、口
60重量%以上が、ホエイ中でカードの圧搾を行わない
溶けが悪く、重たい食感を有するものであった。
製法により製造された1種以上の硬質ナチュラルチーズ
【0003】
であること、の両方の条件を満たす原料チーズに対して
また、従来、プロセスチーズの製造に使用される原料チ
、再製チーズを添加して、混合物を得る再製チーズ添加
ーズとしては、加熱調理性に優れかつ低コストであるこ
工程と、
とから、低熟度のチーズを用いることが多い。しかし、
該混合物の全量に対して、溶融塩を添加して加熱溶融し
低熟度のチーズを原料チーズとして用いたプロセスチー
て、チーズ溶融物を得る加熱溶融工程と、
ズは、クセが無く、フラットな風味であり、コクという
該チーズ溶融物を70℃以上の高温に保持する高温保持
点では物足りないものであった。一方、熟成させたチー
工程と、
30
ズを原料チーズとして用いたプロセスチーズは、コクの
該高温保持工程を経た上記チーズ溶融物を冷却して、冷
ある風味になるものの、コストが高い上に、乳化しにく
蔵したプロセスチーズ類を得る冷却工程を含み、かつ
く軟弱な組織になり、保形性に劣るため、満足のいくも
上記高温保持工程における保持時間及び保持方法が、1
のではなかった。
0分以上静置する方法、及び/
【0004】
又は、1分以上撹拌する方法である製造方法によって得
プロセスチーズの食感を改良するための様々な試みがな
られたものであることを特徴とする冷蔵したプロセスチ
されている。例えば、特定の食品乳化剤(食品界面活性
ーズ類。
剤)として、HLB8以下およびヨウ素価45以上のポ
【請求項3】
リグリセリンエステルを使用し、より滑らかな口溶けを
上記冷蔵したプロセスチーズ類は、45mm(長さ)×
付与する方法(特許文献1)、プロセスチーズ中のホエ
15mm(幅)×8mm(厚さ)の上記プロセスチーズ 40
イタンパク質含量を高めることで剥離性及び口溶けを良
類の試験体を、長さ方向の両端の各々から7.5mmの
好にする方法(特許文献2)タンパク架橋酵素であるト
距離を隔てた地点に設けた2つの自由支持部の上に固定
ランスグルタミナーゼを使用し、蒲鉾様の弾力に富む食
せずに載置し、かつ、該2つの自由支持部間の中央の地
感を付与する方法(特許文献3)、原料チーズに澱粉を
点に設けた中央支持部によって上面を支持した状態で、
加え、かつ脂肪/タンパク質比を調整することにより、
上記試験体を2cm/分の上昇速度で上昇させた場合に
もち様の食感を付与する方法(特許文献4)、副原料に
おける、上記試験体が折れるまでの最大撓みが、7.5
ネイティブジェランガムを使用することにより、含気構
mm以下であるものである請求項2に記載の冷蔵したプ
造を作り、軽い食感を付与する方法(特許文献5)等が
ロセスチーズ類。
提案されている。
【請求項4】
【0005】
上記最大撓みが7.0mm以下である請求項1又は3に 50
しかしながら、特許文献1の方法により製造されるプロ
( 3 )
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3
4
セスチーズ類は、口溶けは向上してもプロセスチーズ特
融物を得た後に、該チーズ融解物を高温で保持すると、
有の粘弾性に富む重い食感は改良できない上、使用する
従来技術においては硬く緻密な組織になり重い食感にな
乳化剤の種類によっては、乳化剤由来の苦味によりチー
るのが一般的であるが、前記の原料チーズを用いた場合
ズ本来の風味が損なわれてしまう。また、特許文献2の
には、意外なことに、目的とする軽い食感を維持しなが
方法では、口溶けは向上してもプロセスチーズ特有の粘
らもチーズの組織の安定性が向上し、保形性が良くなる
弾性に富んだ重い食感は改善されず、特許文献3の方法
ことを見出した。
では、蒲鉾様の弾力に富んだ食感であるため、口溶けと
本発明者らは、さらに、本発明の方法により製造したプ
いう点では非常に悪く、特許文献4の方法では、澱粉由
ロセスチーズ類の口腔内での砕け易さを、レオメーター
来の粘弾性に富む重い食感となってしまう。また、特許
による折れ試験で客観的に特定することができることを
文献5の方法では、含気された独特の軽い食感は付与で 10
見出し、本発明を完成した。
きるが、溶融塩以外の余計な食品添加物を添加する必要
【0009】
がある。
すなわち本発明は、以下の[1]∼[5]を提供するも
【0006】
のである。
【特許文献1】特開2004−290100号
[1]
【特許文献2】特開平8−256686号
けが良い、軽くて新規な食感を有する冷蔵したプロセス
【特許文献3】特許第2594340号
チーズ類であって、45mm(長さ)×15mm(幅)
【特許文献4】特許第3243453号
×8mm(厚さ)のプロセスチーズ類の試験体を、長さ
【特許文献5】特開2003−047403号
方向の両端の各々から7.5mmの距離を隔てた地点に
【発明の開示】
設けた2つの自由支持部の上に固定せずに載置し、かつ
【発明が解決しようとする課題】
20
粘り気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ口溶
、該2つの自由支持部間の中央の地点に設けた中央支持
【0007】
部によって上面を支持した状態で、上記試験体を2cm
本発明は、このような技術的背景のもと、従来のプロセ
/分の上昇速度で上昇させた場合における、上記試験体
スチーズの粘弾性に富んだ、口溶けが悪く重たい食感を
が折れるまでの最大撓みが、7.5mm以下であること
改善したプロセスチーズ類の製造方法を課題とし、粘り
を特徴とする冷蔵したプロセスチーズ類。
気が少なく、口腔内で砕け易く、且つ口溶けが良い、軽
[2]
い食感を有するプロセスチーズ類を提供するものである
)が1.30以上である、粘り気が少なく、口腔内で砕
。
け易く、且つ口溶けが良い、軽くて新規な食感を有する
【課題を解決するための手段】
冷蔵したプロセスチーズ類であって、
【0008】
(a)原料チーズの全量中において、熟度指標である水
一般的にプロセスチーズは、ゲル構造の基本骨格となる 30
溶性窒素と全窒素の重量比(水溶性N/全N)が23.
ナトリウムパラカゼイネート由来の、粘弾性に富んだ、
0%以上であること、及び、(b)原料チーズの全量の
口溶けが悪く重たい食感を有する。この食感は、原料に
60重量%以上が、ホエイ中でカードの圧搾を行わない
低熟度の原料チーズ(ナチュラルチーズ)を使用すると
製法により製造された1種以上の硬質ナチュラルチーズ
強くなる傾向がある。これは、原料チーズ(ナチュラル
であること、の両方の条件を満たす原料チーズに対して
チーズ)中のカルシウムパラカゼイネートの分解が進ん
、再製チーズを添加して、混合物を得る再製チーズ添加
でいないことが、プロセスチーズのゲル構造の基本骨格
工程と、
となっているナトリウムパラカゼイネートの組織にも反
該混合物の全量に対して、溶融塩を添加して加熱溶融し
映されるためである。
て、チーズ溶融物を得る加熱溶融工程と、
本発明者らは、鋭意検討の結果、使用する原料チーズの
該チーズ溶融物を70℃以上の高温に保持する高温保持
熟度に着目し、原料チーズ全量中の水溶性N/全Nの重 40
工程と、
量比(%)を23.0重量%以上に調整し、かつ、ホエ
該高温保持工程を経た上記チーズ溶融物を冷却して、冷
イ中でカードの圧搾を行わない製法により製造された硬
蔵したプロセスチーズ類を得る冷却工程を含み、かつ
質ナチュラルチーズを、原料チーズ全量の60重量%以
上記高温保持工程における保持時間及び保持方法が、1
上の割合で含むものを、原料チーズとして使用すること
0分以上静置する方法、及び/
で、従来のプロセスチーズとは異なる食感が得られるこ
又は、1分以上撹拌する方法である製造方法によって得
とを見出した。
られたものであることを特徴とする冷蔵したプロセスチ
本発明者らは、さらに、高熟度のナチュラルチーズを原
ーズ類。
料チーズとして使用した場合に生じる軟らかすぎる組織
[3]
を改善することを目的として検討した結果、再製チーズ
長さ)×15mm(幅)×8mm(厚さ)の上記プロセ
を添加して加熱溶融することによって乳化し、チーズ溶 50
スチーズ類の試験体を、長さ方向の両端の各々から7.
脂肪とタンパク質の重量比(脂肪/タンパク質
上記冷蔵したプロセスチーズ類は、45mm(
( 4 )
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5
6
5mmの距離を隔てた地点に設けた2つの自由支持部の
(1)試料(原料チーズ)25gを温湯150mlに溶
上に固定せずに載置し、かつ、該2つの自由支持部間の
解する。
中央の地点に設けた中央支持部によって上面を支持した
(2)40%ホルマリン数滴を溶液に加え、50℃で2
状態で、上記試験体を2cm/分の上昇速度で上昇させ
時間振とうする。
た場合における、上記試験体が折れるまでの最大撓みが
(3)脂肪層を取り除き、残液を遠心分離にかける(3
、7.5mm以下であるものである前記[2]に記載の
000rpmで5分間)。
冷蔵したプロセスチーズ類。
(4)上澄み液を目の細かい綿布でろ過し、ろ液を25
[4]
0mlメスフラスコに移す。また、遠沈管及び沈殿を少
上記最大撓みが7.0mm以下である前記[1
]又は[3]に記載の冷蔵したプロセスチーズ類。
量の温湯で洗って、遠心分離・ろ過を繰り返し、ろ液と
[5]
合わせる。
上記冷蔵したプロセスチーズ類は、充填包装さ 10
れているものである前記[1]∼[4]のいずれか1つ
(5)ろ液に水を加えて250mlに定容後、溶液を5
に記載の冷蔵したプロセスチーズ類。
0ml採取する。
【発明の効果】
(6)溶液をNo.5Bのろ紙でろ過する。
【0010】
(7)ろ液20mlを取り、窒素をケルダール法で定量
本発明により、従来のプロセスチーズ類の粘弾性に富ん
する。
だ、口溶けが悪く重たい食感を改善した、粘り気が少な
【0015】
く、口腔内で砕け易く、且つ口溶けが良い、軽くて新規
原料チーズの製造における圧搾方法は、(a)伝統的製
な食感を有するプロセスチーズ類を得ることができる。
法により製造されたゴーダチーズ、エダムチーズ等に挙
【発明を実施するための最良の形態】
げられるような、カードカッティング後にホエイをカー
【0011】
20
ド表面が浸漬する程度に残し、カードをホエイ中で圧搾
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べ
する方法や、(b)チェダーチーズ、パルメザンチーズ
る個々の形態には限定されない。
等に挙げられるような、クッキング(加温)後にホエイ
本発明における「プロセスチーズ類」の語は、加熱溶融
をほぼ全量排除した後に圧搾を行う方法等が存在する。
の工程を経て得られるチーズを意味し、各種のプロセス
本発明において使用する原料チーズは、その全量の60
チーズの他、チーズフードを含むものとして定義される
重量%以上が、ホエイ中でカードの圧搾を行わない製法
。
で製造された硬質ナチュラルチーズを使用する必要があ
【0012】
る。
原料チーズの熟度は、原料チーズの全量中における、水
また、本発明における硬質ナチュラルチーズとは、半硬
溶性窒素(水溶性N)と全窒素(全N)の重量比(水溶
質、硬質及び特別硬質のナチュラルチーズのことを指し
性N/全N(%)と表記)で表すことができる。本明細 30
、MNFS(Moisture
書において、水溶性窒素とは、熟成中にタンパク質が酵
−FatSubstanceの略;脂肪以外の重量中の
素によって分解されて生成する、分子量5,000以下
水分含量(%))が63.0%以下のナチュラルチーズ
のペプチドまたはアミノ酸に含まれる窒素のことである
のことをいう。
。これらの含量は、原料チーズ中で熟成の進行とともに
ホエイ中でカードの圧搾を行わない硬質ナチュラルチー
増大する。本発明において、原料チーズの全量中におけ
ズとしては、例えば、チェダーチーズ、ゴーダチーズ(
る水溶性N/全Nの重量比は、23.0%以上、好まし
ドライソルトタイプ)、パルメザンチーズ、ロマノチー
くは25.0%以上、特に好ましくは27.0%以上で
ズ等が挙げられ、これらを1種あるいは2種以上を組み
ある。
合わせて用いることができる。中でも、チェダーチーズ
【0013】
、ゴーダチーズ(ドライソルトタイプ)、パルメザンチ
原料チーズの全量中における、水溶性窒素(水溶性N) 40
ーズが好ましい。
と全窒素(全N)の重量比は、以下の計算方法で算出で
【0016】
きる。
本発明のプロセスチーズ類における脂肪/タンパク質の
水溶性N/全N(%)=水溶性窒素含量/全窒素含量×
重量比は、1.30以上に調整する必要がある。プロセ
100
スチーズ類における脂肪/タンパク質の重量比は、プロ
【0014】
セスチーズ類における脂肪の量をレーゼゴッドリーブ法
全窒素含量及び水溶性窒素含量は以下の方法で測定する
、タンパク質の量をケルダール法でそれぞれ測定し、こ
ことができる。
の比をとることで算出することができる。脂肪/タンパ
[全窒素含量]
ク質の重量比が1.30未満の場合は、バター、バター
ケルダール法にて測定する。
オイル、クリーム等を添加することで、該重量比を1.
[水溶性窒素含量]
50
in
the Non
30以上に調整することができる。脂肪/タンパク質の
( 5 )
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重量比は、1.30∼2.00に調整することが好まし
ることも可能である。
い。該重量比が1.30未満では、粘り気が多くて口溶
【0021】
けが悪い、重い食感となる。該重量比が2.00を超え
本発明において、原料チーズの溶融乳化後に、チーズ溶
ると、口溶けは良いが、非常に軟弱な組織となる。
融物を70℃以上の高温に保持する必要がある。保持温
【0017】
度が70℃未満の場合は、チーズ溶融物の粘度が上昇し
さらに、上記の原料チーズには、粉乳等の乳製品や物性
てしまい、製造工程で支障を来すことがある。保持温度
調整のための各種乳化剤、安定剤、pH調整剤、風味付
は、70℃以上であり、75℃以上が好ましく、85℃
けのための香辛料等の各種食品を添加することができる
以上がより好ましい。保持方法は特に限定されないが、
。
【0018】
静置保持、攪拌保持等が挙げられ、これらを単独あるい
10
は組み合わせて適用することができる。また、静置保持
溶融塩としてはリン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩など、
のみで行ったり、撹拌保持のみで行う際には、同じ温度
通常のプロセスチーズ製造に用いられている溶融塩を使
である場合、撹拌保持は静置保持よりも短時間で同等の
用することができる。溶融塩の化合物の種類としては、
効果が得られる。つまり、保持温度を75℃とした場合
特に限定されないが、例えば、リン酸ナトリウム、リン
、静置保持であれば、好ましくは10分以上、より好ま
酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナト
しくは15分以上、最も好ましくは30分以上の保持時
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸
間を要し、撹拌保持であれば、好ましくは1分以上、よ
ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、リン酸カリ
り好ましくは5分以上の保持時間を要すれば、良好な物
ウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸
性を有するプロセスチーズ類を製造することができる。
三ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カルシウム等
さらに、保持時間は、再製チーズの添加量や保持条件に
が挙げられ、これらを1種あるいは2種以上を組み合わ 20
よっても適宜調節することができる。つまり、再製チー
せて用いることができる。その添加量は、原料チーズと
ズの添加量を上げる、保持温度を高くする、攪拌速度を
再製チーズの合計量(100重量%)に対して、0.1
大きくする等を行った場合では、保持時間を短縮するこ
∼10重量%が好ましく、0.5∼3重量%がより好ま
とができる。なお、本発明における保持時間とは、チー
しい。
ズ溶融物が70℃に達してから充填包装される直前まで
【0019】
の、70℃以上の温度で保持された時間を指す。
本発明において、溶融塩を添加する前に、原料チーズに
【0022】
再製チーズを添加する。
原料チーズを加熱溶融した後は、容器に充填してから冷
再製チーズとは、原料チーズ(ナチュラルチーズ)を既
却する方法、一旦仮容器に充填してから冷却成形した後
にプロセスチーズ化したものであり、本発明において、
に取り出してカット包装する方法、連続的に冷却しつつ
原料チーズに添加して混合物を得た後、該混合物に溶融 30
成形して包装する方法など、いずれの方法でも目的の製
塩を添加して加熱溶融することによって、再度溶融乳化
品(プロセスチーズ類)を製造することができる。
させるものである。本発明に使用する原料チーズは高熟
【0023】
度であり、原料チーズ中のタンパク質が高度に分解して
本発明のプロセスチーズ類は、次の物性を有するもので
いるため、本発明の製品(プロセスチーズ類)が軟弱な
ある。
組織になり易い。再製チーズを少量添加することによっ
すなわち、45mm(長さ)×15mm(幅)×8mm
て、硬い組織を有し、乳化状態の良好な、保形性の良い
(厚さ)のプロセスチーズ類の試験体を、長さ方向の両
プロセスチーズ類を製造することができる。再製チーズ
端の各々から7.5mmの距離を隔てた地点に設けた2
の添加量は、原料チーズの全量(100重量%)に対し
つの自由支持部の上に固定せずに載置し、かつ、該2つ
て、0.1∼10重量%が好ましく、2.0∼7.0重
量%がより好ましい。
の自由支持部間の中央の地点に設けた中央支持部によっ
40
て上面を支持した状態で、上記試験体を2cm/分の上
【0020】
昇速度で上昇させた場合における、上記試験体が折れる
本発明において、原料チーズの加熱溶融は、撹拌しなが
までの最大撓みは、10℃の温度下で、7.5mm以下
ら通常、75∼100℃、好ましくは80∼100℃、
、好ましくは7.0mm以下、より好ましくは6.5m
より好ましくは85∼100℃まで加熱することにより
m以下である。ここでの最大撓みの数値範囲は、15℃
行う。本発明において原料チーズを加熱溶融して乳化す
の温度下でも満たされることが望ましい。
る装置としては、ケトル型チーズ乳化釜、横型クッカー
該最大撓みが7.5mmを超えると、粘り気が多くて口
、高速剪断乳化釜、及び連続式熱交換機(ショックステ
溶けが悪い、重い食感となってしまい、本発明が目的と
リライザー、コンビネーター等)など、いずれも使用可
する食感にはならない。
能である。また、溶融装置と、ホモゲナイザー、インラ
なお、該最大撓みは、レオメーターによる折れ試験で、
インミキサー、コロイドミルなどの乳化機を組み合わせ 50
折れまでの距離(試料が割れるまでのプランジャーの押
( 6 )
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し込み)として測定することができる。
、口内で砕け易い食感を付与することはできなかった。
【実施例】
【0029】
【0024】
[実施例2]
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが
表3の配合でプロセスチーズを試作した。
、本発明はこれにより限定されるものではない。
【表3】
【0025】
[実施例1]
表1の配合でプロセスチーズを試作した。なお、チェダ
ーチーズは、ホエイ中でカードの圧搾を行わない製法に
より製造されるものである。
10
【表1】
【0030】
チェダーチーズ2kgを粉砕してケトル型溶融釜に投入
し、試作番号2B∼2Dでは再製チーズを100g添加
し、試作番号2Aでは再製チーズを添加せず、さらに、
試作番号2A∼2Dで、溶融塩としてクエン酸ナトリウ
【0026】
ムを60g添加し、最終製品(プロセスチーズ)の水分
チェダーチーズ2kgを粉砕してケトル型溶融釜に投入
含有率が41.5重量%になるように水を加え、攪拌し
し、試作番号1C及び1Dでは再製チーズを100g添 20
ながら90℃まで加温して溶融した。試作番号2Aでは
加し、試作番号1A及び1Bでは再製チーズを添加せず
90℃達温後、パラフィルムとカルトンを使用して22
、さらに、試作番号1A∼1Dで、溶融塩としてクエン
5gずつ包装し冷蔵した。試作番号2B、2C、2Dで
酸ナトリウムを60g添加し、最終製品(プロセスチー
は、90℃達温後、加温を止め、溶融釜内で30分間静
ズ)の水分含有率が41.5重量%になるように水を加
置保持(溶融チーズは80℃以上を維持)した後にパラ
え、攪拌しながら90℃まで加温して溶融した。試作番
フィルムとカルトンを使用して225gずつ包装し冷蔵
号1A及び1Cでは、90℃達温後、パラフィルムとカ
した。
ルトンを使用して225gずつ包装し冷蔵した。試作番
3日間十分冷却した後、専門パネラーにより食感(口溶
号1B及び1Dでは、90℃達温後、加温を止め、溶融
け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果を表4に示した
釜内で30分間静置保持(溶融チーズは80℃以上を維
。評価方法は実施例1の方法に従った。
持)した後にパラフィルムとカルトンを使用して225 30
【0031】
gずつ包装し冷蔵した。
【表4】
3日間十分冷却した後、専門パネラーにより食感(口溶
け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果を表2に示した
。
【0027】
【表2】
【0032】
表3及び表4の試作番号2C及び2Dに示すとおり、高
熟度(水溶性N/全N(%)=23.0%及び27.0
%、脂肪/タンパク質=1.50)の硬質ナチュラルチ
40
ーズを使用した場合には、口内で砕け易く、粘弾性が低
【0028】
く、かつ口溶けが良いプロセスチーズを製造することが
表1及び表2の試作番号1Dに示すとおり、高熟度(水
できた。一方、表3及び表4の試作番号2Aおよび2B
溶性N/全N(%)=27.0%、脂肪/タンパク質=
に示すとおり、低熟度(水溶性N/全N(%)=19.
1.50)の硬質ナチュラルチーズを使用し、再製チー
7%、脂肪/タンパク質=1.50)の硬質ナチュラル
ズの添加と高温保持を行うことにより、口内で砕け易く
チーズを使用した場合には、再製チーズの添加及び高温
、粘弾性が低く、かつ口溶けが良いプロセスチーズを製
保持の有無に関わらず、口溶けが悪くて粘弾性に富んだ
造することができた。
、重い食感のプロセスチーズとなった。
一方、表1及び表2の試作番号1A∼1Cに示すとおり
【0033】
、高熟度の硬質ナチュラルチーズを使用しても、再製チ
[実施例3]
ーズの添加と高温保持の両方または一方を行わない場合 50
表5の配合でプロセスチーズを試作した。
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【表5】
【0038】
【0034】
ゴーダチーズ(ホエイ中で圧搾を行う製造法により製造
試作番号3Aではゴーダチーズ(ドライソルトタイプ) 10
されたもの)及びチェダーチーズを表7の配合で粉砕混
のみ、試作番号3B及び3Cではゴーダチーズ(ドライ
合してケトル型溶融釜に投入し、再製チーズを100g
ソルトタイプ)及びバターを粉砕混合して、最終製品(
添加し、さらに溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60
プロセスチーズ)中の脂肪/タンパク質の重量比が試作
g添加し、最終製品(プロセスチーズ)中の水分が41
番号3Aでは1.09、試作番号3Bでは1.30、試
.5重量%になるように水を加え、攪拌しながら90℃
作番号3Cでは1.50になるように調整したチーズ混
まで加温して溶融した。90℃達温後、加温を止め、溶
合物をケトル型溶融釜に投入し、再製チーズを100g
融釜内で30分間静置保持(溶融チーズは80℃以上を
添加し、さらに溶融塩としてクエン酸ナトリウムを60
維持)した後にパラフィルムとカルトンを使用して22
g添加し、最終製品の水分が41.5重量%になるよう
5gずつ包装し冷蔵した。
に水を加え、攪拌しながら90℃まで加温して溶融した
3日間十分冷却した後、専門パネラーにより食感(口溶
。90℃達温後、加温を止め、溶融釜内で30分間静置 20
け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果を表8に示した
保持(溶融チーズは80℃以上を維持)した後にパラフ
。評価方法は実施例1の方法に従った。
ィルムとカルトンを使用して225gずつ包装し冷蔵し
【0039】
た。
【表8】
3日間十分冷却した後、専門パネラーにより食感(口溶
け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果を表6に示した
。評価方法は実施例1の方法に従った。
【0035】
【表6】
【0040】
表7及び表8の試作番号4Aおよび4Bに示すとおり、
30
高熟度(水溶性N/全N(%)が27.0%以上)の原
料チーズ(ゴーダチーズとチェダーチーズの混合物)中
に、ホエイ中で圧搾を行わない製造法により製造されて
【0036】
いる硬質ナチュラルチーズ(チェダーチーズ)を60重
表5及び表6の試作番号3B、3Cに示すとおり、高熟
量%以上含有すれば、ホエイ中で圧搾を行う製造法によ
度(水溶性N/全N(%)が27.0%以上)の硬質ナ
り製造されている硬質ナチュラルチーズを組み合わせた
チュラルチーズを使用し、最終製品(プロセスチーズ)
場合においても、口内で砕け易く、粘弾性が低く、かつ
中の脂肪/タンパク質の重量比が1.30以上になるよ
口溶けが良いプロセスチーズを製造することができた。
うに調整することで、口内で砕け易く、粘弾性が低く、
一方、表7及び表8の試作番号4Cでは、原料チーズの
かつ口溶けが良いプロセスチーズを製造することができ
た。
全量中における水溶性N/全N(%)が27.0%未満
40
であり、かつ、原料チーズの全量中に占めるホエイ中で
一方、試作番号3Aでは、プロセスチーズ中の脂肪/タ
圧搾を行わない製造法により製造されている硬質ナチュ
ンパク質の重量比が1.30未満であるため、口腔内で
ラルチーズ(チェダーチーズ)の割合が60重量%未満
の砕け易さ、粘り(粘弾性)、口溶けのいずれも劣って
であり、さらに、プロセスチーズ中の脂肪/タンパク質
いた。
の重量比が1.30未満であるため、口腔内での砕け易
【0037】
さ、粘り(粘弾性)、口溶けのいずれも劣っていた。
[実施例4]
【0041】
表7の配合でプロセスチーズを試作した。
[実施例5]
【表7】
表9の配合でプロセスチーズを試作した。
【表9】
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製造法により製造されたもの)を粉砕してケトル型溶融
釜に投入し、試作番号6Bではチェダーチーズ100k
gおよび再製チーズ6kgを粉砕してケトル型溶融釜に
投入し、試作番号6A及び6Bで、溶融塩を3kg添加
し、次いで、試作番号6Aでは最終製品の水分が46.
5%になるように水を加え、試作番号6Bでは最終製品
の水分が41.5%になるように水を加え、その後、試
【0042】
作番号6A及び6Bで、直接蒸気を吹き込み90℃にな
パルメザンチーズ1.2kgおよびバター0.4kgを
るまで攪拌しながら加熱溶融した。試作番号6Aでは9
粉砕してケトル型溶融釜に投入し、再製チーズを100 10
0℃達温後、6Pチーズ充填機で6Pチーズの形状に充
g添加し、さらに溶融塩としてクエン酸ナトリウムを6
填、包装し、冷蔵した。試作番号6Bでは90℃達温後
0g添加し、最終製品(プロセスチーズ)の水分が41
、直接蒸気を止め、85℃以上を維持しつつ5分間攪拌
.5重量%になるように水を加え、攪拌しながら90℃
保持を行った。保持後、6Pチーズ充填機で6Pチーズ
まで加温して溶融した。90℃達温後、加温を止め、溶
の形状に充填、包装し、冷蔵した。試作品の針入硬度(
融釜内で5分間攪拌保持(溶融チーズは80℃以上を維
10℃)及び脆さ(15℃)を測定し、専門パネラーに
持)した後にパラフィルムとカルトンを使用して225
より食感(口溶け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果
gずつ包装し冷蔵した。
を表12に示す。
3日間十分冷却した後、専門パネラーにより食感(口溶
【0047】
け、砕け易さ、粘り)を評価した。結果を表10に示し
針入硬度および脆さは、レオメーター(不動工業社製)
た。評価方法は実施例1の方法に従った。
20
を用いて定法に従い測定した。
【0043】
針入硬度の測定には直径3mmの円柱状プランジャーを
【表10】
使用し、試料台の昇降スピードは15cm/分であった
。脆さの測定には直径13.7mmの球状プランジャー
を使用し、試料台の昇降スピードは7.5cm/分であ
った。
【0048】
【0044】
【表12】
表9及び表10の試作番号5Bに示すとおり、高熟度(
水溶性N/全N(%)=34.1%、脂肪/タンパク質
=1.50)のパルメザンチーズを使用した場合に、口 30
内で砕け易く、粘弾性が低く、かつ口溶けが良いプロセ
スチーズを製造することができた。
一方、表9及び表10の試作番号5Aでは、低熟度(水
【0049】
溶性N/全N(%)=19.4%、脂肪/タンパク質=
高熟度(水溶性N/全N=27.0%、脂肪/タンパク
1.50)のパルメザンチーズを使用したため、口腔内
質=1.50)の原料チーズを使用した試作番号6Bで
での砕け易さ、粘り(粘弾性)、口溶けのいずれも劣っ
は、粘り気がなく、口腔内で砕け易く、口溶けが良い、
ていた。
軽い食感を有していた。一方、低熟度(水溶性N/全N
【0045】
=20.4%、脂肪/タンパク質=1.10)の原料チ
[実施例6]
表11の配合でプロセスチーズを試作した。
ーズを使用した試作番号6Aは、粘弾性に富んだ重い食
40
【表11】
感であった。レオメーターによる脆さの測定結果でも、
試作番号6Bは試作番号6Aの約2倍脆いという結果で
あり、官能評価と一致するものであった。
【0050】
[実施例7]
実施例6の試作番号6Bと同様な配合(ただし、原料の
熟度は、熟度指標である水溶性窒素と全窒素の重量比が
27∼34%の範囲で調整した。)で、試作番号6Bと
【0046】
同様な方法でプロセスチーズを9ロット分製造した(製
表11の配合で、試作番号6Aではチェダーチーズ50
造番号7A∼7I)。
kg及びゴーダチーズ50kg(ホエイ中で圧搾を行う 50
また、市販のプロセスチーズ3種を比較例とした(比較
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例1∼3)。比較例1のプロセスチーズは、商品名が「
5mm以下のサンプルにおいて、本発明品の特徴である
明治北海道十勝カマンベール入り6Pチーズ」、製造元
粘り気が少なく、口内で砕け易く、且つ口溶けが良い、
が明治乳業株式会社であり、比較例2のプロセスチーズ
軽い食感が認められた。また、この値が小さくなるほど
は、商品名が「明治北海道十勝6Pチーズ」、製造元が
、官能評価での口腔内での砕け易さも強くなった。
明治乳業株式会社であり、比較例3のプロセスチーズは
【0052】
、商品名が「明治北海道十勝6Pチーズ濃い味」、製造
【表13】
元が明治乳業株式会社である。
製造したプロセスチーズ及び市販のプロセスチーズにつ
いて、レオメーター(不動工業社製)を用いて、10℃
の温度下で折れ試験を実施した。折れ試験は、図1に示 10
すように、45mm(長さ)×15mm(幅)×8mm
(厚さ)の短冊状にカット成型した試験体1を、2つの
自由支持部2,3(ただし、自由支持部2,3は各々、
試験体1の下面に対して、試験体1の幅方向に延びる長
さ15mmの直線状の当接部分を有する。)を有する、
支持台間隔(L)30mmに調整した折試験用アダプタ
【産業上の利用可能性】
ー(不動工業社製)に、自由支持部2,3からの突出長
【0053】
さが各々7.5mmになるように載せ、試験体1の長さ
本発明のプロセスチーズ類は、粘り気が少なく、口内で
方向の中央の地点にて、中央支持部4(ただし、中央支
砕け易く、且つ口溶けが良い、新規なプロセスチーズ類
持部4は、試験体1の上面に対して、試験体1の幅方向 20
である。
に延びる長さ15mmの直線状の当接部分を有する。)
【図面の簡単な説明】
である歯型プランジャー(歯形押棒A、不動工業社製)
【0054】
で負荷を掛けた際(試料台の上昇速度:2cm/分)に
【図1】本発明のプロセスチーズ類の折れ試験方法を説
、試験体1が折れるまでに中央支持部4(歯型プランジ
明するための図である。
ャー)で押し込めた距離(mm)を測定した。また、専
【符号の説明】
門パネラーによる食感(砕け易さ)を評価した。結果を
【0055】
表13に示す。
1
【0051】
2,3
レオメーターによる折れ試験で、折れまでの距離が7.
4
【図1】
試験体
自由支持部
中央支持部