4年 1組 算数科 見つけよう!いろいろな四角形のいろいろなきまり【修正版】 寺井 1 子供と単元 昌人 (1)問 題 追 求 の 状 況 と 子 供 へ の 願 い 前 単 元 「 角 の 大 き さ 」 で は , 交 わ る 二 つ の 直 線 の 角 度 を 考 え た 。 90 ° や 180 ° , 360 ° と い っ た 決まった角度を利用することで,効率的に角度の測定や作図ができることを見いだしてきている 子供たちである。 本単元では,台形・平行四辺形・ひし形の特徴について考える。それぞれの四角形の定義や性質を用 いることで,弁別の方法を明らかにしたり,作図の方法を見いだしたりしていく子供の姿を期待する。 (2)教 材 の 価 値 と は ぐ く み た い 資 質 ・ 能 力 本単元では,台形・平行四辺形・ひし形の定義や性質を明らかにしていく。図形の構成要素の 数量や位置関係を調べることで,それぞれの四角形の定義や性質を見いだす。そして,それぞれ の四角形の定義や性質を用いることで,構成要素に着目しながら弁別したり,見通しをもって作 図したりしていく子供の姿を期待する。 本単元では,作図の際に,定義や性質を用いることを大切にしていく。そこで,四角形を構成 する際に,点を結ぶ作図,折り紙で制作,長さや角度を指定した作図を行う。四角形を構成する 際の条件を段階的に高めることにより,定義や性質に照らし合わせながら作図した四角形を仲間 と確かめ合ったり,出来上がる図形を定義や性質を基に説明したりする子供の姿を期待する。 そこで,本単元の中核となる学習内容を「図形は構 成 要 素 の 数 量 や 位 置 関 係 に 着 目 す る と 決 ま る こ と 」 と おさえた。 また, 本単元と 関連する 単元で,は ぐくみ たい資質 ・能力は 以下の通り である 数学的な問題やその解決方法を見通すこと 考えを数学的な表現で表し伝 え合 うこ と 数学的な知識をとらえ直すこ と (以下,見通すこと) (以下,表し伝えること) (以下,とらえ直すこと) 第2ステージ 辺や頂点の数量を基に,三 具体物や図を用い,辺や頂点の 辺や頂点の数量から,三角形 小2 角形や四角形の分類の仕方 数量から自分の考えを説明した の仲間や四角形の仲間の共通 三角形 四角形 の見当を付ける。 り , 仲 間 の 考 え を 受 け 止 め た り 点を見いだす。 しようとしたりする。 第3ステージ 辺 や 角 の 数 量 や 位 置 関 係 を 具体物や図を用い,辺 や 角 の 相 等 辺 や 角 の 数 量 や 位 置 関 係 か ら , 小4 基 に , 四 角 形 の 分 類 の 仕 方 関 係 や 位 置 関 係 から自分の考えを 四 角 形 の 共 通 点 を 見 い だ し , 本単元 の見当を付ける。 説明したり,仲 間の考えを受け止 四角形同士を関連付ける。 めたりしよ うとしたりする。 第4ステージ 対応する辺や角の数量や位 定義や性質を用い,対応する辺や 対応する辺や角の数量や位置 小5 置 関 係 を 基 に , 合 同 か ど う か 角 の 数 量 や 位 置 関 係 か ら 自 分 の 考 関 係 か ら , 図 形 の 共通点を見いだ 図形の合同 の見当を付ける。 え を 説 明 し た り , 仲 間 の 考 え を 受 け し, 図 形 同 士 を 関 連 付 け る 。 止めたりしようとしたりす る。 2 「協働型学習」の構想 (1)本 単 元 に お け る 「 協 働 」 場 面 の 位 置 付 け 本単元は,四角形の構成要素には数量や位置関係があることを基に,作図の方法を検討する中で, 図 形の 新 たな 性 質を 見い だし て いく ところに「協働」場面を位置付ける。 (2)本 単 元 の 問 題 解 決 の サ イ ク ル に お け る 「 協 働 」 場 面 の 位 置 付 け 本単元は,問題解決のサイクルの「見通しをもつ」と「解決する」の過程に「協働」場面を位置付ける。 問題をもつ 見通しをもつ 解決する 振り返る (3)「 協 働 」 場 面 を つ く る 手 だ て 1場面・目的意識に関わる手だて 2交流相手・3交流させるものに関わる手だて 4交流方法・形態に関わる手だて 5記録方法 に関 わ る 手 だ て 「協 働」 場 面 ① 1 「協働 」場 面 ② 弁別や作図の方法について,一人で解決するこ 解 決 方 法 の 異 同 を 顕 在 化 し , 解 決 方 法 に 不 確 か さ を 感 とに困難を感じる状況が生まれるよう にす る。 じ る 状 況 が 生 ま れ る よ う に す る 。 こ こ で は , 数 学 的 な ここでは,既有の知識やアイディ アとを 関連付け 表現に内在している共通点を基に解決方法や考 え方の妥 て解決の見通しを検討する 活動を組 織する。 2 ・3 当性・有効性・関連性を検討する活動を組 織する。 四角形の定義や性質を用いて考えている子, 着 目する構 成要素の数量や位置関係が異なる 子同士 解決方法が想起できない子の意見を交流す る。の 考 え を 交 流 す る 。 4 学級全体で解決方法を出し合い検討する。 同 じ 解決 方 法 の少 人数 グル ープ( 3 ~ 4 人) を編 成し 説 明 の仕方を検討する。その後,学級全体で比較・検 討す る。 5 ノートやワークシートへの考えの記述や発言。 3 単元の目標 台 形 ・ 平 行 四 辺 形 ・ ひ し 形 の 弁 別 や 作 図 の 方 法 を 仲 間 と 検 討 し て い く 中 で , 四 角 形 の構 成 要 素 の 数 量 や位置関係に着目することで特徴を理解し,台形・平行四辺形・ひし形の定義や性質を用いて弁別や作 図をすることができる。 4 単 元 計 画 (全 16時 間 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 本 時 9/ 16) 1次 い ろ い ろ な 四 角 形 を 見 つ け よ う <抽出児 A さん> <抽出児 B さん> 既 習 の 知 識 を 基 に , 問 題 の 解 決 自分の考えを大切にし,問題 の 解 方 法 を 考 え て い こ う と す る 子 。 決方法を 考えてい こうと する 子。 ・点をつないでいろいろな四角形をかこう。 名 前の な い 四 角 形 も 仲 間 に 分 け 4 本 の 直 線 で い ろ い ろ な 四 角 られそうだ。 形ができることが分かった。 ・台形のきまりを見つけてどれが台形かはっきりさせよう。 点と点をつないで平行をつくれ ば 見 た 目 だ け で は 台 形 は 分 か ら な 台形は簡単につくることが でき い平行を調べることが大切 だ。 る。 ◎ 折 り 紙 を 1回 だ け 切 っ て 台 形 を つ く ろ う 。 折り紙の平行を利用すると台形 折り紙の切り方の角度で,プ リ は簡単につくることができる。 ン ・ 滑 り 台 型 の 台 形 ができる。 ・縦と横の平行を使って四角形をかこう。 平 行 な 辺 が 二 組 あ る 四 角 形 は , 平行四辺形とひし形は,見る角 度 辺 の 長 さ で 平 行 四 辺 形 と ひ し によって同じような形に見 え る か 形に分けられる。 ら辺の長さに気を付け る。 いろいろな四角形は,辺や角の大きさ,平行で名前が決まってい る。今度は,平行四辺形やひし形をつくってみたい。 2次 い ろ い ろ な 平 行 四 辺 形 や ひ し 形 を つ く ろ う ⑦ ・折り紙の平行を使って平行四辺形をつくろう。 ⑧ 平行四辺形は向かい合う角の大きさ 角を調べたら平行四辺形の新しいき が等しいというきまりが見つかった。 まりを見つけることができた。 ⑨ ◎切 ら な い で ひ し 形 が で き る こ と を 説 明 し よ う 。 本 ひし形の辺と角は重なってい る。だ 折り紙を開いていくと,同じ c 時 から,四つの辺が等しく,向かい合 直角三角形が四つできて,ひし形に った角が等しいひし形ができ る。 なる。 ⑩ ・対角線から四角形を調べよう。 いろいろな四角形には対角線 対角線の交わる角度で四角形 からもきまりが見つかった。 が見えてくることが分かった。 <留意点> ・学級目標の背景(敷き詰め模様) をつくるという目的意識をもつ 。 ○ 円 型 ド ッ ト 図 を基に,様 々な四角形をかく場の設 定 ○ 台 形 の 定 義 や 性 質 を話し 合う 活動の組 織 ・定義:垂直,平行,台形 ○折り紙で台形を作成する 活動の組織 ○ 平行四辺形とひし形の定 義 や性質を話し合う活動の組 織 ・ 定 義 : 平行四辺形,ひし形 ・平 行 四 辺 形 , ひし形の性 質を 知る。 ○平行四辺形の作図方法を 話し合う活動の組織 ・平 行 四 辺 形 の性質 を知る ○ ひし形ができることを説明する 活動の組織 「協働」場面①② ・ひし形の性質を知る。 □できるひし形予想<複 線 化> ○対角線から四角形の性質 を調べる場の設定 ・四 角 形 の 対 角 線 の 性質を 知る 。 平行四辺形・ひし形の折り紙でつくったら,きまりを見つける ことができた。今度は同じサイズの四角形を作図してみたい。 3次 い ろ い ろ な 四 角 形 を 作 図 し よ う ⑪ ・学級目標に貼る大きさの指定された平行四辺形をかこう。 ⑫ 調べたきまりを使うと平行四辺 形 きまりを使って角度を正確に 測 る を か く こ と がで き る。 平 行 の かき と 平 行 四 辺 形 を か く こ と が で き 方やコンパスを使うとかきやす い。 る。分度 器を使う とか きやす い。 ⑬ ・学級目標に貼る大きさの指定されたひし形をかこう。 長さや角度が指定されたひし形 ひ し 形 は 辺 の 長 さ が 全 て 等 し は,平行四辺形とほぼ同じ方 いからかくことが簡単だ。後 法でかくことができる。 は一つの角度が分かればいい。 ⑭ ◎ いろいろ な四角形で学 級のシンボ ルのデ ザインを考えよう(敷き 詰 め) 。 台形・平行四辺形・ひし形は全 台形でも敷き詰められることに 部敷き詰めることができた。ひ 驚いた。長方形や正方形でも敷 し形の敷き詰めがかっこい い な。 き詰めができることも分 かっ た。 ⑮ ・学習のまとめをしよう ⑯ 台形・平行四辺形・ひし形のきまりを使うと仲間分けやかくこ とができる。今度は,他の図形も調べたい。 5 評価 ○平行四辺形の作図方法を 話し合う活動の組織 ・垂 直 , 平 行 の 作 図 ○ひし形の作図方法を話し 合う活動の組織 ・対角線からの作図も扱う。 ○台形・平行四辺形・ひし 形の敷き詰め方法を話し 合う活動の組織 ○ 学習のまとめをする場の 設定 ○ 「 見 通 す こ と 」: 四 角 形 の 弁 別 ・ 作 図 の 方 法 の 見 通 し , 振 り 返 り ( 行 動 ・ 発 話 ・ 記 述 , 自 己 評 価 ) ○ 「表し伝えること」: 四 角 形 の 定義 や 性質 を 基 にし た 説 明の 仕 方( 行 動 ・発 話 ・記 述 ・ 相互 評 価や 自 己 評価 ) ○「とらえ直すこと」: 四角形の定義や性質の発見・四角形同士の相互関係,考えの変容(行動・発話・記述・自己評価)
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