人材育成の推進 基本的な考え方 多様な個性を持つ世界中のグループ社員一人ひとりが、共通の価値観を持ち、成長感と達成感を得ながら活躍するため、 様々な能力開発の機会提供に努めるとともに、公平・公正に評価される制度づくりに取り組んでいます。 社 会 性 報 告 グローバル共通の教育体系・現地人材の育成登用 デンソーグループの海外現地社員は全社員の約半数を占め、真のグローバル企業と 現地社員の拠点長 して各国・地域で密着したマネジメントを推進するには、現地人材の積極的な育 成・登用が不可欠です。 % そのために、デンソーグループ全体で共有すべき価値観・信念を示した「デンソー (海外グループ会社) スピリット」を2004年に制定しました。 また、デンソースピリットに基づき、日々の仕事を行うための基礎的な考え方・ ツール・プロセスをまとめた「デンソーでの仕事の進め方」とデンソーにおける部下育成の考え方やプロセスをまとめた 「On the Job Development」をグローバル共通教育として全世界へ展開しています。 同時に、現地人材の経営幹部登用を加速するため、「幹部候補育成プログラム」を開発・導入するとともに、人材管理 プロセス(目標管理・評価・異動・昇進等)の共通化を図っています。 ◎海外グループ会社の拠点長ポストに占める現地社員の割合 2012年度 2013年度 2014年度 30% (21人/70ポスト) 31% (22人/71ポスト) 33% (24人/73ポスト) 2015年度 目標 33% デンソーの人事制度「Opening New Frontiers」 デンソーグループは持続的な企業成長ビジョンの実現に向け、自動車産業の新たな領域開拓を支える人材の育成方針と して、2010年度に「Opening New Frontiers」をキーワードとする人事施策を策定・導入しました。そのめざす姿は、挑 戦する風土のさらなる醸成により個人とチームの成長を促し、新たな技術・新たな市場・新たな働き方を開拓・確立す ることにあります。これらの変化を見据え、「会社の競争力の源泉は一人ひとりの成長である」という原点に立ち返り、 めざす人材像を『自ら学び、自ら考え、挑戦し続けていく人材』と定めています。 人事施策「Opening New Frontiers」では、「成長し続ける個人づくり」「支え合うチームづくり」「挑戦する風土づく り」の3つを柱に、仕組みや制度の整備を進めています。 人 材 育 成 の 推 進 自主性を尊重したキャリア形成と階層別教育の充実 ◎社員のキャリア形成 デンソーグループでは、全社員が毎年自主目標を設定し、上司との定期面接を通じて能力伸展と取り組みプロセスを重視した 評価を行っています。また中長期の目線では、社員が将来めざしたい姿と、上司が描く育成計画を持ち寄り認識合わせすることで、 それに向けた業務経験やローテーションを実施するなど、個人ごとのきめ細かなキャリア形成につながるよう努めています。 ほかにも節目ごとに行われる階層別教育、必要な人材を広く社内から募集する社内人材公募、仕事上の進路や能力開発 における悩みを相談できるキャリア相談室など、キャリア形成に関わる制度を設けています。 社 会 性 報 告 人 材 育 成 の 推 進 ◎階層別教育の充実 めざす人材像の実現をめざし、節目ごとに求められる役割の認識をより一層促進するとともに、職場での実践を通じた役割の定着を図ります。 ◎階層別教育一覧(マネジメント職以上) 【注】マネジメント職1∼3級は事技系・技能系共通 ◎階層別教育一覧(事技総合職 係長格以下) ◎階層別教育一覧(技能職) 社 会 性 報 告 人 材 育 成 の 推 進 ◎階層別教育一覧(実務職) 【注】 S1:指導専門職1級 S2:指導専門職2級 S3:指導専門職3級 J1:中堅担当職1級 J2:中堅担当職2級 T1:初級担当職1級 新人社員研修における新たな取り組み デンソーの新入社員研修では、めざす人材像『自ら学び、自ら考え、挑戦し 続けていく人材』の実現に向け、 「教える(教わる)」要素を最小限に 留めています。近年は、新入社員の主体的かつ深い学びの実現をねらい、 e-ラーニングと集合教育を組み合わせたブレンディッドラーニングの手法 を取り入れています。基本的構成は、 「個人での事前学習(iPadやスマート フォン等のモバイル端末を活用)」→「討議を中心に展開される集合教育」→ 「クラス全体での学びの共有・振り返り」とし、一部カリキュラムにおいては、 運営そのものを新入社員の自主性に委ねています。 若手技能者の育成 デンソーグループは、独創的な製品開発・生産を可能とする高度な技術者・技能者の育成を企業成長の生命線と考え、 1954年開設の「技能者養成所」の伝統を受け継ぐ「デンソー工業学園」(工業高校・高等専門課程)を運営しています。 ここで育った若手技能者の中から世界最高レベルの技を競う「技能五輪国際大会」のメダリストを多数輩出しています。 金メダル獲得数 ◎これまでの「技能五輪国際大会」での累計メダル獲得数 メダル獲得数 金 銀 銅 28個 15個 13個 個 社 会 性 報 告 技能五輪国際大会 技能五輪全国大会で多数のメダルを獲得 デンソーグループは、2014年11月に愛知県で開催された第52回技能五輪全国大会 に出場。 「抜き型」職種および「工場電気設備」職種で金メダル(金賞)をはじめ、 銀メダル5個、銅メダル7個を獲得しました。 人 材 育 成 の 推 進 今回の技能五輪全国大会で金賞を獲得した2名を含む計8名が2015年ブラジルで 開催される国際大会の日本代表選手としてメダル獲得をめざします。 池上 惣一郎 高山郁彦 (浜名湖電装(株)) 認定プロフェッショナル制度 「高度な専門性を持つ人材はデンソーの競争力の源泉」との考え方に基づき、極めて高い専門性・実績を有し、後進の 目標となる人材を個別に認定し、「認定プロフェッショナル」として呼称・処遇等を付与しています。 専門性・実績の高さを目に見える形で処遇する仕組みによって、社員のモチベーション向上や専門性強化へつなげ、事業 環境が大きく変化する中で、デンソーの未来を切り開いていける人材づくりをめざしています。 ◎開始時期 2010年度∼ ◎制度概要 極めて高い専門性・実績を持ち、今後も事業拡大への貢献ができ、 後進の目標となる人材を認定する制度 ◎対象 マネジメント職社員 ◎認定実績 人数 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 8名 3名 2名 3名 1名 期間社員の正社員登用 (株)デンソーでは、多様な人材のキャリアアップを図るため、2005年度より期間社員から正社員への登用制度を設けています。 ◎期間社員の正社員登用実績(直近3年) 期間社員の正社員登用人数 2012年度 2013年度 2014年度 83人 79人 85人 今後の取り組み 「社員一人ひとりの成長が会社発展の基盤」という考えのもと、今後も引き続き、一人ひとりが能力を最大限に発揮し て生き生きと働くことができるように、人事制度づくりに取り組んでいきます。
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