スクーリングコード 608 スクーリング単位 2 単位 テ ー マ 民法(財産法)の 判例研究 日 程 9/24、10/1、10/22、11/19、 会 場 11/26、12/3(全日土曜日) 担当教員 石口 修 駿河台 ◆授業の目的・到達目標 《授業の目的》 判例の正しい読み方を習得する。 《到達目標》 卒業論文を始めとする「研究論文」を書けるようにする。 ◆授業の概要 本演習は、民法の財産法分野の判例を読み、分析し、論文作成に活かすという実践的目標を設定し、 民法その他の法律の基本学習スタイルを身につけるという訓練の場を提供する。 判例は、裁判官が個別具体的な事件の事実を認定し、その上で法律を適用し、解釈を行い、適切な結 論を導くというプロセスを経て出てくる一つ一つの判決が規範となったものである(判例規範から判例 法へ)。判例分析は、まさに事実と判決文から判例規範を抽出する作業であると同時に、現時の仮説たる 判例規範の意義を探求する一研究である。 判例研究の方法論といえば、一義的な方法論があるように聞こえるが、その実践方法は区々である。 近時は、法科大学院において要件事実論が実践されたこともあり、研究者においても幾分かは方向が定 まってきたように思われる。 本演習においては、近時の判例研究方法論から末弘・川島理論を取り上げ、これらを修得して、判例 を読み、使えるようにする。 ◆授業の計画 第 1 回 演習の進め方の説明、判例の読み方、判例研究方法論の研究、民法総則の判例を読み込む 第 2 回 物権法の判例を読み込む 第 3 回 担保物権法、債権法総論の判例を読み込む 第 4 回 個別研究報告(報告、質疑応答、講師によるまとめ) 第 5 回 個別研究報告(報告、質疑応答、講師によるまとめ) 第 6 回 個別研究報告(報告、質疑応答、講師によるまとめ) ◆学習指導 事前指導:演習の内容となる文献と判例を教員が事務室へ送付し、事務室から学生へ配布する。 学生は配付された資料(末弘論文、川島論文)を読み込んで、「判例研究の方法」として、 レポートをまとめる(任意)。 判例資料についても、できる限り自学自習で読み込んでくる。 資料の読み方、レポートの書き方等で分からない点は、事務室を通じて、教員に質問をす る。ただし、演習受講時にプリントを配布して説明する。 演 習:「判例研究の方法」について、質疑応答をすることから始める。 その実践として、まず、教員から判例集の形式、構造について説明する。次に、実際に判 例を読み進める(輪読形式)。 1 個の判例を読み終わったら、その分析を開始する。分析は、事実関係を図解して、徹底 的に理解する。 事実と判旨及び理由付けとの相関関係を分析する。 内容について質疑応答する。 以下、次の判例に移り、上記の判例分析を繰り返す。 事後指導:学生は事務室に質問事項を文書にて連絡する。教員はこれを受け取り、回答する(文書はで きればメール添付がよい)。 質問事項は、演習の内容及び関連事項とする。 ◆スクーリング実施方法・日程 A 方式〔 9 月 24 日、10 月 1 日、10 月 22 日、11 月 19 日、11 月 26 日、12 月 3 日(全日土曜日) ・駿河台〕 ◆成績評価 受講姿勢(10 パーセント)、自己の報告テーマに関するレジュメ作成・報告(70 パーセント)、質疑応 答(20 パーセント)などによって総合評価する。 ◆教 材 ①石口が選択し、編集した判例教材。 ②末弘嚴太郎「判例の研究と判例法」『法学入門』(日本評論社)所収 ③川島武宜「判例研究の方法」『川島武宜著作集第 5 巻』所収 (以上は、事前に判例とともに郵送します。) ④六法(何でもよいが、自宅学習用としては三省堂・模範六法がよい。持ち歩くには、同・模範小六 法がよい。) ⑤民法判例百選Ⅰ、Ⅱ(有斐閣、第 7 版、2015 年) ◆参考・推薦文献 ①我妻榮博士の民法講義シリーズ(新訂版)岩波書店(『新訂民法總則』、『新訂物権法』、『新訂擔保物 權法』、『新訂債權總論』など)。 ②近江幸治『民法講義Ⅰ』∼『民法講義Ⅵ』成文堂 ③内田貴『民法Ⅰ』∼『民法Ⅳ』東京大学出版会など、数多くの文献がある。多すぎて掲げきれない。 なお、担当講師の著書として、次の書籍がある。 石口 修『物権法─民法講論第 2 巻』 (信山社、2015 年) (7,344 円) 石口 修『民法要論Ⅲ 担保物権法』 (成文堂、2016 年) 石口 修『所有権留保の現代的課題』 (成文堂、2006 年) (6,264 円)など。
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