まずは推進する側の農業委員が加入し、自信を持った

まずは推進する側の農業委員が加入し、自信を持った説明で推進
茨城県 八千代町農業委員会
地域の農業者に加入を勧めるにも、推進する側の農業委員が加入
していないと、自信を持った説明ができないため、まず、農業委員
やその息子さんに加入を勧めました。
地域の農業者も、加入者が増えてくると「あの人も加入したのか」
と、口コミなどでも連鎖して、制度に興味を持つ者も増え、加入者
の増加につなげることができました。
○ 八千代町の農業の概要
八千代町の農業の概要は、総農家数が1,844戸。販売農家数が1,292戸
で、内訳は主業農家524戸、準主業農家244戸、副業的農家524戸。農業産
出額は約115億円で、主な内訳は、野菜77億円、畜産16億円、米14億円で
す。基幹作物は、白菜、キャベツ、レタス、水稲で、特に白菜の生産量は全国第1
位の大産地で、主に冬から春にかけて生産されています。本県産の冬場の白菜の生
産量は圧倒的に多く、11月から1月にかけての東京都中央卸売市場への出荷量の
シェアは9割近くになります。
○ 農業者年金の加入状況
〈新規加入者の推移〉
平成24年度の新規加入者数
33人
新制度加入者数合計(14年~23年度末) 37人
○ 加入推進の取り組み
1 加入推進計画の検討、加入推進対象者名簿の作成
4月に加入推進部長、農委事務局で加入推進計画の作成、加入推進対象者の選定に
ついて検討し決定いたしました。
加入対象者名簿は、認定農業者を中心に、各担当地区の農業委員からの加入対
象者の情報提供をお願いし作成しています。
農業者年金の加入推進打合せの様子
小竹会長(右)、秋葉事務局長(中央)、高野参事(左)
2 加入推進の方法
① 担当地区農業委員による働きかけ
11月の農地法等許可審議のための現地調査の後に、旧村毎(5地区)に1人ず
つ設置している幹事農業委員に加入推進をお願いし、地区毎の農業委員が推進班を
編成し戸別訪問を実施しています。訪問は、年度当初作成した加入推進対象者名簿
に、農業委員からの新たに情報提供を受けた対象者を追加して行っています。
農業委員が訪問のうえ、制度に興味がある者に対しては、事務局が再度訪問し、
制度のメリット・デメリットを再確認してもらったうえで、加入手続きを取ってい
ます。
② 農業委員が自ら加入
特徴としては、はじめに農業委員やその息子さんに加入を勧めてきたことに
あります。地域の農業者に加入を勧めるにも、推進する側の農業委員が加入し
ていないと、自信を持った説明ができないためです。
H24年9月に農業委員の改選があったことから、まずはじめに、前農業委
員やその息子さんで加入要件を満たす者を選定し推進を図りました。良く制度
の内容を説明すると理解が得られ、加入につなげることができました。続いて
現農業委員やその息子さんで、要件を満たす者に推進を図り加入につなげまし
た。
地域の農業者も、加入者が増えてくると「あの人も加入したのか」と、口コ
ミなどでも連鎖して、制度に興味を持つ者も増え、加入者の増加につなげるこ
とができました。加入者の中には、制度があることは知っていたが、もう一歩
踏み込めずにいた者も多く、農業委員に背中を押してもらうことや他の者が加
入したことで、加入した例が見られました。
③ 一目で分かる資料の作成
加入対象者に、一目で制度の理解を深めてもらうため、事務局で手書きの資
料を作成しています。聞く方は文字で説明されるよりも、図解された、一目で
わかる資料があると理解しやすいようです。
④ 加入対象者に制度パンフレットの配布
その他、加入対象者に幅広く推進するため、選挙人名簿登載申請の調査時に、パ
ンフレットを配布しました。また、農業委員会だよりへの制度内容の記事の掲載。
窓口にパンフレットを設置し、該当者には声かけなどをし推進を図っています。
加入推進活動のポイントとしては、次の点が考えられます。
①
メリットを良く理解してもらうこと。
特に、保険料の全額が社会保険料控除になること。
人件費など運営コストは国が負担しているため、保険料が年金に直結し
ていること、等が説明できます。
② 加入者が増えてきたことで、口コミにより未加入者にも制度が広まりは
じめ、町全体で制度に対する意識が高まってきたこと。
③ 後々、トラブルがないように、加入者にはよく制度の特徴や留意すべき
点を理解してもらったうえで、加入手続きを進めていること。
④ 未だに旧制度の不信感が残り、説明を聞いてもらえない場合もあります
が、加入者が増えてくれば、そういった者も意識が変わってくると考えて
おり、じっくり待って推進していこうと考えています。
4 今後の推進について
今後は、加入者が増え、町農業者の制度に対する関心が、さらに高まってくると
考えています。積立方式による財政的な安定、社会保険料控除など、他にない良い
制度と考えているので、一人でも多くの人に農業者年金に加入してもらえるよう、
推進を図っていきたいと考えています。