2015 年 2 月 14 日 薄井澄誉子 エネルギーの有用性

2015 年 2 月 14 日
薄井澄誉子
エネルギーの有用性(Energy Availability)について
(補足)
エネルギーの有用性は、エネルギー摂取量からトレーニングによるエネルギー消費量を差し
引いた値として求められます。
エネルギー有用性の定義としては、「摂取したエネルギーが運動後にその他の代謝機能に使
われるためにどれだけ残っているか(例:壊れた細胞の修復、体温調節、免疫機能、発育な
ど)」ということです。
IOC のまとめ(2010 年)ではエネルギーの有用性の低下はパフォーマンスの低下やトレー
ニングの効果の減少、さらには健康を損ねる危険性があるということを示しています。
エネルギーバランスが保てるエネルギー有効性は 45kcal/kg FFM であり、カーボローディ
ング/成長期/体重の維持を目的にする場合は 45kcal/kg FFM 以上、体脂肪の減少を目的とす
る場合は 30-45kcal/kg FFM ということが示されています。さらに、健康を損ねる危険性が
現れる、特に、女子選手の三主徴(摂食障害、無月経、骨粗鬆症に至る 3 つの症状)が現れ
る可能性が否定できないエネルギー有効性は 30kcal/kg FFM 未満であることが報告されて
います。
参考資料
Journal of Sports Sciences(Volume 29, Supplement 1, 2011)という学会誌に 2010 年 10
月 25 日にスイスのローザンヌで行われた IOC Conference on Nutrition in Sport の報告が
なされている。その中に Energy availability in athletes について上記のことが報告されて
います。
J Sports Sci. 2011;29 Suppl 1:S7-15.
doi: 10.1080/02640414.2011.588958. Epub 2011 Jul 28.
Energy availability in athletes.
Loucks AB1, Kiens B, Wright HH.