味の素グループ研究開発 - イノベーション研究所

イノベーション研究所
味の素グループの先端研究の中心
新しい価値の創出と新領域への挑戦で
人類社会に貢献する
ビジョン
私たちイノベーション研究所は、新しい顧客価値の創出と新事業領域への挑戦において味の素グループの成長を牽
引し、世界の先端科学と味の素グループの保有する技術との融合による高度な独自技術の開発を通じて、人類社会
の課題を解決し世界中の人々の「Eat Well, Live Well.」に貢献します。
イノベーション研究所は、幅広い先端技術を活かして、「食」、「医療・健康・栄養」
、「環境・生活」の各領域を中心に、
重なり合った領域の新製品開発や新規事業創出をめざした研究など、将来の味の素グループの成長を支える研究開
発
「尖がり研究」
を行っています。また、各事業に共通した「基盤技術」の開発を行い、生産技術をリードする役割も担っ
ています。さらに、味の素グループのシーズ探索や技術基盤領域の研究を有機的に連携させながら、相互に情報交
換することで独自の相乗効果を生み出しています。
所在地
味の素(株)イノベーション研究所
〒210-8681 神奈川県川崎市川崎区鈴木町 1 番 1 号
イノベーション研究所の取り組み
「食」に関する感覚や情動を研究し、「おいしさ」を追求
「食」の領域では、味と香り、食感などの食に関わる感覚および人の情動(好き、食べたい、
など)について研究を進めています。その仕組みをミクロなレベルで解析する分子生物
学や物理化学の技術、食品の味や嗜好性(好き / 嫌い)を評価する官能評価技術に加え、
脳の働きについても研究し、生活にもっと役立つ調味料の基盤技術を開発しています。
さらに、味の素グループの 100 年を支える素材であるグルタミン酸ナトリウムの新し
い有用性を広げる研究も進めています。
味蕾
(味覚受容細胞の集合組織)の顕微鏡写真
マウスの有郭乳頭
アミノ酸をベースに医療技術や栄養支援で人類に貢献
「医療・健康・栄養」の領域では、アミノ酸を軸とした生体の代謝情報解
析技術、機能評価技術と高機能素材開発技術を基盤に研究を進めていま
す。アミノ酸診断技術や再生医療用培地開発といった健康長寿社会実現
に向けた先端・先制医療技術開発や、途上国の低栄養、先進国の過栄養・
高齢化課題解決とアスリートの競技力向上に向けたトータルな栄養支援
策の提示、高機能動物飼料の開発から新たなビジネス構築へ向けた貢献
ヒト i P S 細 胞 を 用 いた 再 生 医 療 の イメージ
を目指しています。
先端バイオ技術と化学の融合によって「より快適な生活を」
「環境・生活」の領域では、味の素グループの強みである先端バイオテク
ノロジーと独創的ファインケミストリーの融合技術を基盤に、新しい価
値を世の中の人々へお届けすることを目指しています。サステナブル世
界の実現に向けて、再生可能資源からの高付加価値素材の創製、また豊
かな食資源のために、より良い農作物の生産に貢献できる資材や技術の
提供、さらに、新規バイオナノ融合技術による ICT 関連スペシャリティー
素材の開発など、「より快適な生活」へとつながる顧客価値の創製に取り
組んでいます。
タンパク質 ナノ粒 子 配 列
フェリチンタンパク質に金 属 化合 物 の ナノ粒子を 形 成 させ て、
配 列した 像 をとらえ た 電 子 顕 微 鏡 写 真 およ び 模 式 図
世界をリードする基盤技術で安全性や新領域を追求
各事業に共通する「基盤技術」研究として、分析・解析・情報技術の高
度化、将来の生産技術構築、安全性評価とその先端化に向けた研究を進
めています。アミノ酸の短時間・高感度分析技術や、酵素等の生体高分
子の構造解析は、味の素グループのコア技術として、最先端の機器と世
界をリードする技術水準を備えています。モノづくりをトータルに見据
えた総合技術としての安定生産、新しいプロセス開発を推進し、お客様
に安心して商品を使用していただくための有用性と安全性を徹底して研
究しています。これら基盤技術は、他の領域研究と融合し、既存事業や
新しいビジネスの価値を高めています。
X 線 結 晶 構 造 解 析 に よる分 子 構 造 解 析
図 は 、リン 酸 基 転 移 酵 素( 核 酸 生 産 に 利 用 )の 構 造