(国際整合技術指針)(TR-46)の 公開について 山隈瑞樹

TIIS ニュース No.261
2015 No. 261
TIISニュース 2015年7月10日発行
[編集・発行]
公益社団法人産業安全技術協会
〒350-1328 埼玉県狭山市広瀬台2丁目16番26号
TEL.04-2955-9901 FAX.04-2955-9902
ホームページ http://www.tiis.or.jp
[印刷]株式会社PMC
巻頭言.............................................................................................3
・安全の定義とゼロリスク
宮崎 浩一
TIIS紹介.........................................................................................4
・創立50周年記念行事
トピックス.....................................................................................6
・工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針)
(TR-46)の公開について
山隈 瑞樹
訪問記..........................................................................................10
・PTB研修報告
講座・講習会のご案内.................................................................16
・平成27年度講習会・講座の予定
協会からのお知らせ...................................................................17
・理事会開催報告 ・定時総会開催報告
・固体粉じんに対する防護服についてISO/IEC17025による
表紙写真:
公益社団法人産業安全技術協会 本館
産業安全技術協会本館は、
清瀬市、
川崎市及び
朝霞市に分散していた検定・試験部門を統合し、
業務の一元化と効率化を図るために、埼玉県
の狭山工業団地の一角に建設され、
平成15年
1月に業務を開始しました。
同建屋の概要は、以下のとおりです。
1 場所 埼玉県狭山市広瀬台2-16-26
2 敷地面積 3,205㎡
3 建築面積 561㎡
4 建築延べ面積 1,569㎡
5 構造 鉄筋コンクリート造り、3階建
試験所認定を取得
・新入会員
・関係機関・団体からのお知らせ
・公益社団法人産業安全技術協会役員名簿
・大阪事務所へのアクセス
ISO9001 認 証 取 得
JQA-QM3877 検定試験部
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TIIS ニュース No.261
巻頭言
安全の定義とゼロリスク
一般社団法人日本機械工業連合会
標準化推進部長 宮崎 浩一
最近では、“リスクアセスメント”という言葉をよく目にするようになりました。マンションの建
設現場などを見ると“リスクアセスメント-危険・有害性を除去・低減”などの横断幕や懸垂幕がかかっ
ており、10 年くらい前には見られなかった光景が見られ、随分、普及したものだと感じます。
リスクアセスメントは、怪我などのリスクを見積もり、評価するためのツールであり、当該機械な
どが安全であると判定するために必須のものとなっていますが、ここで判定基準となる安全とは何を
意味するのか安全の定義をもう一度振り返ってみたいと思います。
安全の定義は、ISO/IEC ガイド 51 によれば“受け入れ不可能なリスクがないこと”と定義されて
います。受け入れ不可能なリスクがないのであって、ある閾値をもって受け入れ可能なリスクが“ある”
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状態を許容しているともいえます。多かれ少なかれリスクがあるということが認められているという
ことです。しかし“ゼロリスク”や“絶対安全”ということは、もう考えなくてよいのでしょうか?
なぜ今更このようなことをいうのかというと、リスクが残るのは当たり前と考えて、取るべき対策
を最初から放棄してしまう、あるいは新しい安全対策を考案しようと努力するのをやめてしまう可能
性はないのであろうかと考えるからです。
カントという哲学者をご存知の方も多いと思います。18 世紀の哲学者ですが、彼の著書の中に「純
粋理性批判」と「実践理性批判」という 2 冊の大著があります。前者は、単純化して言えば論理と経
験を統一した「科学(真)」を取扱い、後者は「道徳(善)」を取り扱っており、両者の関係は、科学
を基にして、道徳が成り立つという図式になっています。ここでいう道徳は人間が思い描く理想的な
もの、完璧なものと言い換えてもよいと思いますが、詳細な内容は原著に譲るとして、後者の「実践
理性批判」には興味深い内容が含まれています。カントは、この著書のなかで道徳的な事柄は科学に
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基づいて、めざすべきもの、必然的に目指さなければならないもの、必然的にそこへ向かうものであ
るということを言っています。
この関係を安全について当てはめ、捉えなおすと次のようになろうかと思います。
安全の達成は、科学的な知識や経験を用いて、可能な限りリスクを低減することによりなされる(リ
スクは残る-純粋理性批判)。これを基にして、さらなる安全性向上のため、ゼロリスクは必然的
にめざされるべきものである(実践理性批判)。
実際には、ゼロリスクの達成は、技術面、コスト面など様々な意味で非常に困難なことで、不可能
かもしれません。しかし安易に許容可能リスク(tolerable risk)にあれば安全、受け入れられるリス
ク(acceptable risk)ならより安全といったように、リスクが残ることを当然として、それ以上のこ
とを考えなくなる、こういったことを防ぐため、両者の関係を改めて頭の中で整理し思い出すことも、
ときには必要なのではないでしょうか。
3
TIIS ニュース No.261
TIIS紹介
◆創立 50 周年記念行事
れました。当協会永石会長の式辞に引き続き、ご来賓
当協会は、昭和 40 年 4 月 21 日に安全博物館協会を
の厚生労働省労働基準局安全衛生部長 土屋喜久様及
継承し、産業安全の調査、研究及び普及向上を図るこ
び独立行政法人労働安全衛生総合研究所理事豊澤康男
とを目的に産業安全研究協会として設立されました。
様よりご祝辞をいただきました。
その後、昭和 45 年に社団法人となり、更に検定、
性能試験その他の業務が拡充されたことから昭和 51
[特別表彰]
年に社団法人産業安全技術協会に改称され活動してま
当協会の発展に顕著な功績があった方々を表彰する
いりましたが、平成 20 年に施行された新公益法人制
こととし、以下の 18 名の方々を特別表彰申し上げま
度の下で公益法人への移行を目指すこととなり、平成
した。(敬称略)
23 年 3 月に内閣府により公益社団法人として認定さ
(1)理事
れました。
酒井眞一
興研(株) 代表取締役会長
本年は、産業安全研究協会として創立されてから
重松宣雄
(株)重松製作所 取締役社長
50 周年に当たることから、平成 27 年 6 月 2 日の定時
利岡信和
(株)シモン 代表取締役会長
総会、第 2 回理事会に引き続き、KKR ホテル東京に
藤井信孝
おいて記念式典及び記念パーティを執り行いましたの
松村不二夫 ミドリ安全(株) 代表取締役社長
で、その模様をご紹介いたします。
三須 肇
藤井電工(株) 代表取締役社長
(株)理研オプテック 代表取締役社長
(2)監事
●記念式典
太郎良 讓二(株)PRC 代表取締役
総会出席者及びご来賓のご臨席を仰ぎ、厳粛に行わ
徳山勲男
(株)トーアボージン 代表取締役社長
(3)調査研究委員会委員長
角谷憲雄
アズビル(株) シニアアドバイザー
木村菊二
(公財)労働科学研究所 名誉研究員
冨田 隆
IECE xシステム国内審議委員会 顧問
(4)調査研究委員会委員
秋山 均
梅崎重夫
横河電機(株) シニアアドバイザー
(独)労働安全衛生総合研究所
安全研究領域長
小森雅裕
記念式典のもよう
(株)小森安全機研究所 会長
高橋岩重
コマツ 技術アドバイザ
中島次登
中央労働災害防止協会
技術支援部 専門役
土屋安全衛生部長 豊澤安衛研理事 4
表彰式のもよう
TIIS ニュース No.261
保利 一
産業医科大学 産業保健学部長
り、しばし歓談の後、太郎良監事による中締めで盛会
明星敏彦
産業医科大学 教授
の内に散会となりました。
(5)講習会講師
鈴木輝夫
春日電機(株) 営業技術課次長
[記念講演]
(株)日立製作所 研究開発グループ技師長で IEC
副会長兼 CAB(適合性評価評議会)議長を務められ
た藤澤浩道先生より「国際標準化機関 IEC と適合性
評価制度」と題して、世界貿易の促進には TBT 協定
が基本となること、TBT 協定の実現には IEC 等の国
際標準化機関の開発する国際標準が基礎となること、
IEC の活動と運営体制の概要、IEC の下で運用される
田中安全課長 関澤中災防理事長 国際適合性評価制度の概
要 と IECEx シ ス テ ム 等
についてご講演いただい
たほか、IEC の4つ目の
国際適合性評価制度とし
て最近創設された IECRE
(再生可能エネルギー試
験認証制度 ) の創設まで
の取り組みについてご紹
介いただきました。
藤澤講師 記念パーティのもよう
(総務部 広報室 安藤隆之)
記念講演のもよう
●記念パーティ
ご来賓、関係行政機関、関係団体、関係企業の皆様、
特別表彰受賞者、総会参加者、他多数のご参加の下、
執り行われました。
永石会長の挨拶に続いて、厚生労働省労働基準局安
全衛生部安全課長 田中敏章様及び中央労働災害防止
協会理事長 関澤秀哲様よりご祝辞をいただきました。
当協会神谷前副会長の音頭による乾杯で開宴とな
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TIIS ニュース No.261
トピックス
◆工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針)
(TR-46)の公開について
独立行政法人労働安全衛生総合研究所
国際情報・研究振興センター
センター長 山隈 瑞樹
および非点火防爆構造“n”)が正規の構造として規定
されるとともに、新たに容器による粉じん防爆構造“t”
および特殊防爆構造“s”が追加された。
また、TR-No.43 以前は、各防爆構造は、各「章」
として同一冊子内に記載していたが、TR-46 では、こ
1.はじめに
れを「編」として分冊化し、防爆構造ごとに独立性を
我が国で使用される防爆電気機械器具は、労働安全
もたせている。これは、IEC 規格が改正された場合、
衛生法に基づき、電気機械器具防爆構構造規格(昭和
対象となる編を速やかに改正することを可能にするた
46 年労働省告示第 16 号。以下、
「構造規格」という。)
めである。新指針の表紙を図 1 に示す。表紙には、対
に従って検定を行うこととされているが、実際には、
応する IEC 規格番号および名称が表示されているの
労働安全衛生総合研究所(以下、「安衛研」という。)
で、対応関係が容易に確認できる。
が発行する二種類の技術指針、すなわち、工場電気設
各編と IEC 規格の対応関係は、表 1 のようになる。
備防爆指針(ガス蒸気防爆 2006)
(TR-No.39)および
工場電気設備防爆指針(国際規格に整合した技術指針
2008)(TR-No.43)が検定のための技術的基準として
長く使用されてきた。特に、後者は、国際電気標準会
議(IEC)において作成・発行されている国際規格(IEC
60079 シリーズ)を基に作成されており、海外で製造
された防爆機器に対して、貿易上の非関税障壁となら
ないような配慮がなされるともに、国内企業が海外向
けに製造した機器を国内で流通させる目的にも活用さ
れている。
このたび、安衛研において作成・公開した工場電気
設備防爆指針(国際整合術指針)(TR-46)は、TRNo.43 の改正版であり、できる限り最新の IEC 規格を
採用するとともに、WTO/TBT 協定の規定に従って、
IEC 規格への整合性の向上(箇条番号、図表番号も一
致)、従来にない防爆構造の採用など、大幅な変更が
なされており、防爆機器の製造者およびユーザ双方に
大きな変革を求めるものとなっている。
以下、新指針(TR-46)の概要を、新たに採用され
図 1 新指針の表紙(JNIOSH-TR-46-1)
た項目を中心に解説する。
今回の改正に合わせて、指針番号の付与方法も見直
2.TR-46 の構成
され、今後、安衛研から発行される技術指針には、次
前述のように、TR-46 は TR-No.43 の改正版という
の規則で番号が割り当てられることとなった。
位置付けであるが、久しぶり(約 7 年)の改正となっ
ID-TR-nn- m:YYYY
たため、対応する IEC 規格のエディションも一部で
各記号の意味は、次のとおりである。
は大きく異なっている。また、TR-No.43 では参考と
ID: 発 行 機 関 識 別 記 号( 現 時 点 で は、 安 衛 研 =
して記載されていた防爆構造(樹脂充塡防爆構造“m”
“JNIOSH”であるが、将来改組された場合に
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TIIS ニュース No.261
は変更もありうる。)
たがって、一般の法令と同様に、積極的に公開・周知
TR:技術指針(Technical Recommendation)
することを原則としており、安衛研のホームページに
nn:指針の通し番号(防爆指針は“46”)
おいて、次の URL から常時閲覧可能となっている。
m:枝番(複数の編から構成される場合だけ)
http://www.jniosh.go.jp/publication/tr.html
YYYY:発行年(西暦)
ただし、前述のように、今回の指針は対応する IEC
したがって、今後、各編が改正されたときは、発行
規格と極めて整合性が高いことから、著作権保護のた
年だけが変わることになるので、版の管理は年号を元
め、WEB 上での印刷およびダウンロードはできない
に行うこととなる。なお、今回から指針の表題には年
こととしている。また、安衛研では印刷物の頒布もし
号を入れないこととした。
ていないが、産業安全技術協会から検定用資料として
入手することが可能である。
表 1 防爆指針(TR-46)の構成
(ハッチングは、今回追加された防爆構造)
編(構造)
指針番号
対応 IEC 規格
(edition)
4.改正の要点
TR-46 は、全 10 編(第 1 編~第 10 編)で構成され、
このうち第 1 編(総則)は、個別の防爆構造に対応す
第 1 編(総則)
JNIOSH-TR46-1:2015
60079-0:2011
(ed. 6)
る他の編を適用する際に、合わせて適用するものであ
第 2 編( 耐 圧 防
爆構造“d”)
JNIOSH-TR46-2:2015
60079-1:2007
(ed. 6)
えられる事項は、次のとおりである。
第 3 編( 内 圧 防
爆構造“p”)
JNIOSH-TR46-3:2015
60079-2:2007
(ed. 5)
する防爆機器についても今回から規定されているが、
第 4 編( 油 入 防
爆構造“o”)
JNIOSH-TR46-4:2015
60079-6:2007
(ed. 3)
第 5 編( 安 全 増
防爆構造“e”)
JNIOSH-TR46-5:2015
60079-7:2006
(ed. 4)
防爆の対象となる可燃性物質については、TR-No.43
第 6 編( 本 質 安 JNIOSH-TR全防爆構造“i”) 46-6:2015
60079-11:2011
(ed. 6)
いたが、今回からは、可燃性粉じん(グループⅢ)も
第 7 編( 樹 脂 充 JNIOSH-TR塡防爆構造“m”) 46-7:2015
60079-18:2009
(ed. 3)
第 8 編( 非 点 火
防爆構造“n”)
JNIOSH-TR46-8:2015
60079-15:2010
(ed. 4)
第 9 編( 容 器 に
よる粉じん防爆
構造“t”)
JNIOSH-TR46-9:2015
60079-31:2008
(ed. 1)
第 10 編( 特 殊
防爆構造“s”)
JNIOSH-TR46-10:2015
60079-33:2012
(ed. 1)
る。旧指針との差異は多岐にわたるが、特に重要と考
なお、グループⅠ の爆発性雰囲気(坑気)に対応
労働安全衛生法の適用外であるので省略する。
(1)粉じん防爆
以前は、ガス・蒸気(グループⅡ)だけが規定されて
対象となった。粉じんは、その性質によって、さらに
Ⅲ A、Ⅲ B およびⅢ C に細分類され、これらの定義は、
表 2 に示すとおりである。また、グループ III は、構
造規格における粉じんの分類(可燃性粉じんおよび爆
燃性粉じん)とも若干異なっているため、同表に対応
関係を示した。
粉じんは、Ⅲ A、Ⅲ B、Ⅲ C の順に危険性が高くなっ
ていく。特に、Ⅲ C は導電性粉じんであり、これに
はアルミニウム、マグネシウムなどの爆発力が極めて
注:表 1 に示す IEC 規格のうち、60079-1、60079-2、60079-
高い(爆燃性)粉じんが含まれ、かつ、電気機器の回
6、60079-18 および 60079-31 については、既に改正版が発行
路に侵入すると回路をショートさせて発火するおそれ
されている(平成 27 年 7 月 1 日現在)。
がある。このように、粉じん防爆では、機器の内部に
粉じんが容易に侵入できない構造を基本とするので、
3.防爆指針の公開および入手方法
保護レベルおよび粉じんの細分類に応じて粉じん侵入
防爆指針 TR-46 は、厚生労働省の通達により、防
に対する保護等級(IP)が定められている。
爆機器の検定のための技術的基準として使用すること
粉じん環境に対応可能な防爆構造は、本質安全防爆
が定められており、いわば「強制規格」でもある。し
構造“i”、樹脂充塡防爆構造“m”および容器による
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TIIS ニュース No.261
粉じん防爆構造“t”となる。なお、現時点では内圧
Ⅲについては、ゾーン 20、21 および 22 に分類される。
防爆構造“p”は粉じん防爆に対応していないが、次
これらの定義を表 3 に示す。
期改正においては、これに対応する予定である。
EPL の表示は、機器が設置できる爆発性雰囲気を
今回の改正で特に注目すべきことは、“i”および
大文字 G または D で示し、その保護レベルを特定す
“m”については、同一の型式検定でガス・蒸気と粉
るには、小文字 a、b または c で示すこととしている。
じんの両方に適用することが可能となるので、ガス・
ここで、G はガス・蒸気(Gas)を、D は粉じん(Dust)
蒸気および粉じんが同時に存在する場所(ハイブリッ
を意味する。また、a、b および c は、それぞれゾー
ド環境)において使用可能な機器が実現可能となった
ン 0(または 20)、ゾーン 1(または 21)およびゾー
ことである。化学工場、製薬工場など、粉体と液体を
ン 2(または 22)に対応する。
同時に使用する事業所では、しばしばハイブリッド環
検定に合格した機器には、EPL を含むマーキング
境が生じるため、広範な用途が期待できる。
が施されるので、ユーザにとっては危険場所に応じた
機器の選定が容易になるとともに、リスクアセスメン
表 2 粉じん(グループ III)の分類
細分類
定義
構造規格の分類と
の対応関係
ⅢA
可燃性浮遊物
(繊維を含む可燃性
の固体粒子であっ
て公称粒子径が 500
μ m を超えるもの)
可燃性粉じんのう
ち、 繊 維 を 含 み、
公 称 粒 子 径 が 500
μ m を超えるもの。
非導電性粉じん
( 公 称 粒 子 径 が 500
μ m 以 下、 か つ、
電気抵抗率が 1,000
Ω m を超えるもの)
可燃性粉じんのう
ち、 公 称 粒 子 径 が
500 μ m 以 下、 か
つ、 電 気 抵 抗 率 が
1,000 Ω m を 超 え
るもの
導電性粉じん
( 公 称 粒 子 径 が 500
μ m 以 下、 か つ、
電気抵抗率が 1,000
Ω m 以下のもの)
爆 燃 性 粉 じ ん、 な
ら び に、 可 燃 性 粉
じんのうち抵抗率
が 1,000 Ω m 以 下
のもの)
ⅢB
ⅢC
注:電気抵抗率は、IEC 61241-2-2 に従って測定する。
トにも応用できる(第 2 編、附属書 G 参照)。
EPL の表示とその適用を表 4 に示す。
表 3 粉じんによる爆発危険場所の分類
ゾーン
定義
20
空気中に粉じん雲状で、連続または長期
間もしくは頻繁に存在する場所
21
通常の運転中において、空気中に粉じん
雲状で時々生成される可能性がある場所
22
通常の運転中において、空気中に粉じん
雲状で生成される可能性が少なく、生成
されたとしても短時間である場所
注:IEC60079-10-2 の分類に基づく。
表 4 EPL の区分方法
EPL
可燃性物質
Ga
ゾーン
0
ガス・蒸気
(グループ II)
防爆構造(保護レベル)
“ia”, “ma”
1
“d”, “e”, “ib”, “mb”,
“o”, “px”, “py”
Gc
2
“ic”, “mc”, “nA”, “nC”,
“nR”, “pz”
れているが、可燃性物質の区分(グループⅡまたはⅢ)
Da
20
“ta”, “ia”, “ma”
と危険場所の区分(ゾーン)の組み合わせによる危険
Db
21
“tb”, “ib”, “mb”
22
“tc”, “ic”, “mc”
(2)機器保護レベル(EPL)
機器保護レベル(EPL)とは、“点火源となる可能
性に基づいて機器に割り当てる保護レベル”と定義さ
度に応じて機器がもつ防爆性能と考えると理解しやす
い。
Gb
Dc
粉じん
(グループ III)
まず、爆発性雰囲気については、ガス・蒸気(グルー
注:防爆構造欄において、複数の保護レベルをもつものは、
プⅡ)および粉じん(グループⅢ)によるものがある。
それを示す記号 a、b または c を付記している。
次に、危険場所については、グループⅡについては、
ゾーン 0、1 および 2 に分類(構造規格における特別、
第一類および第二類危険箇所に同じ)され、グループ
8
TIIS ニュース No.261
(3)単純機器(Simple apparatus)
造後)において製造業者が機器の一つ一つに対して行
第 6 編(本質安全防爆構造)において、単純機器に
う試験であり、一部の機器については、これを行うこ
関する記述が追加された。
とが要求事項となっている。これには、耐電圧試験、
単純機器とは、比較的構造が簡単で、本安機器とと
圧力試験などがある。また、型式試験において、高い
もに用いられるものであり、例えば、スイッチ、抵抗
水準の試験を行った場合には、ルーチン試験が免除さ
器などの受動コンポーネント、コンデンサ、インダク
れる場合もある。
タ等を含むエネルギー蓄積源、および、熱電対、光電
池などのエネルギー発生源(1.5 V、100 mA および
(6)特殊防爆構造
25 mW 以下に限る。)がある。
特殊防爆構造は、国際規格に整合した指針としては、
これらについては、指針の規定では、その要求事項
今回初めて指針に取り入れられた防爆構造(第 10 編)
に適合していることを製造者自ら証明すればよいこと
である。構造規格にも特殊防爆構造が規定されてお
とされているが、我が国の制度上は第三者認証(検定)
り、そこでは検証方法を試験機関に一任しているが、
の対象となる。
TR-46 では、検証をより厳格にするため、独立検証者
ただし、指針の記述にかかわらず、労働安全衛生法
という一定の能力をもち身分保証された者がその任に
上の取扱いにおいては、表 5 に示す定格を全て満たす
当たることとしており、保護レベル(“sa”
、“sb”お
機器(単純機器を含む。)は、検定の対象とはならず、
よび“sc”)に応じて 1 ~ 3 人の独立検証者を必要と
何ら制限なく使用できることとされている(前指針と
する。現時点では、IEC において具体的な運用方法が
は、定格の数値等が変わっているので。注意が必要で
決まっていないため、当面は国内においてもこの指針
ある。)
に沿った検定は行うことができないが、近い将来には
実施されると見込まれることから、前広に周知するた
表 5 検定から除外される機器の定格
区分
値
定格電圧
1.5 V 以下
定格電流
100 mA 以下
定格電力
25 mW 以下
め、指針に採用することとした。
5.おわりに
今回の改正は、7 年ぶりであったが、その間に防爆
に関する IEC 規格は質・量ともに大幅に改正されて
おり、また、整合性を確保する観点から、翻訳作業お
よび国内法令・規格との調整に多大の労力と時間を要
した。これらの作業に携わっていただいた防爆指針改
(4)Ex コンポーネント等
正委員会および分科会、ならびに事務局の各位に対し、
Ex コンポーネントは、空の容器、または防爆機器
誌面を借りて御礼申し上げる。
に取り付けて使用する部品またはアセンブリである。
なお、現時点において、既に半数の対応 IEC 規格
同種のものとして、Ex ケーブルグランド、Ex ねじア
が改正され、海外ではこれに従って試験および認証も
ダプタおよび Ex 閉止用部品があり、これらをまとめ
行われていることから、安衛研では、新指針を発行し
て Ex コンポーネント等という。
たばかりではあるが、次の指針改正に向けて早急に取
従来、Ex コンポーネント等は、単独では検定の対
り組むこととしている。
象とされなかったため指針には記載はされていなかっ
新指針が大いに活用され、安全・安心な社会の実現
た。今回の指針でも単独での検定対象ではないが、検
のために貢献することを願ってやまない。
定機関で認証を受けた Ex コンポーネント等は、それ
を含む機器の検定において活用できることとなった。
(5)ルーチン試験(Routine tests)
ルーチン試験は、機器の製造工程(製造中または製
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TIIS ニュース No.261
訪問記
◆ PTB 研修報告
・機械物理、計量情報技術
2015 年 1 月 14 日から同年 4 月 10 日まで、約 3 か
・その他技術
月にわたり、当協会の検定員である久保卓郎がドイ
・資源管理
ツ の Physikalisch-Technische Bundesanstalt( 以 下
私が今回訪問しました防爆関係は、上記化学物理、
PTB)で研修を受けてきました。今回は PTB 自体の
防爆の部にあり、主に 2 部門に分かれています。本質
紹介及び研修内容の概要を報告します。
安全防爆構造(以下本安)や樹脂充填防爆構造などを
PTB はドイツ国立の研究、試験機関で、ブラウン
主に扱う部門 3.6 と耐圧防爆構造を中心に、部門 3.6
シュバイク及びベルリンに施設を有しています。今回
で扱わない内容を扱う部門 3.5 となっております。今
訪問した防爆関係の部署を含め、主たる設備はブラウ
回私は、部門 3.6 が主に入っている Bunsen-Bau とい
ンシュバイクにあり、自然豊かな広大な土地に 50 以
う建物で日々研修を受けました。そのほかの防爆関係
上の建物を有しています。
の建物としては、部門 3.5 が主に入っている建物、耐
圧防爆構造の試験を行う建物の大きく 3 グループに分
かれています。さらに、PTB 敷地内に事務所を有する
協力機関が保有する設備を含め、恒温槽や IP 試験装
置(粉、水)といった、防爆の試験に限らず、電気機
器に広く用いられる設備が置かれた建物もあります。
(PTB( ブラウンシュバイク ) の敷地空撮写真)
最 寄 り の 空 港 は ハ ノ ー フ ァ ー 空 港 で、 空 港 か ら
PTB までの距離は約 50km と、羽田空港から当協会
までの距離と同じくらいの立地となっております。ハ
ノーファーが交通の要衝ということもあり、高速道路
が発達しており、現地で自動車を使うことができれば
(Bunsen-Bau 外観)
非常に利便性良く、移動時間も短く PTB へアクセス
することができます。
滞在当時、現地は冬だったこともあり、屋外は日本
PTB 全体としては、組織運営、出版を除き 10 の部
に比べると寒く、コートが手放せない気候でした。屋
課に分かれており、その構成は大きく以下のとおりと
内は建物自体の保温がしっかりしており、また、サー
なっております。
モスタットと呼ばれる装置で常にほぼ一定の温度に保
・機械、音響
たれているため過ごしやすく感じました。これらは
・電気
ヨーロッパの中部から北部にかけて、ごく一般的な設
・化学物理、防爆
備だろうと思われます。また、時間は中央ヨーロッパ
・光学
のタイムゾーンが適用され、通常、日本とは 8 時間の
・精密工学
ずれ(日本のほうが早い)、3 月 29 日より、サマータ
・電離放射線
イムが適用され、7 時間のずれとなりました。
・温度、シンクロトロン
当協会からは 2002 年にも、当時の検定員らが訪問
10
TIIS ニュース No.261
し、研修を受けています。当時の研修は、日本におい
ちろん、機関ごとの特色もあるとは思いますが、参考
て当時指定外国検査機関となっている(2015 年現在
にできる部分は大いに参考にしたい内容でした。また、
継続中)PTB との協力関係構築、試験等の受け入れ
1 件の評価方法、評価のための回路解析の進め方など
を容易にするための試験設備や試験方法の見学を主な
にそれぞれのエンジニアの特徴が出る部分は当然ある
目的としたものでした。今回は、当協会が IECEx シ
ものの、結果に個人差が出ない様、PTB 内向けの規格
ステムにおいて、ExCB 及び ExTL として活動を始め
類の解釈文書などがあるなど、配慮されておりました。
ましたので、それらの内容を含んだものとなりました。
細かい規格の解釈、行間の読み方なども、私が思いつ
また、研修の一環として、PTB の研究チームに参加
く範囲、時間の許す限り質問し、回答をもらうことが
させていただき、基礎研究や、今後規格化が目されて
できました。このように、同じ ExCB、ExTL として、
いる内容のデータ収集、解析にも参加することができ
ともすれば競合関係にある機関同士ではありますが、
ました。試験、認証機関としての PTB だけでなく、
非常に友好的で、同様の認証、試験機関と協力するこ
研究機関としての PTB の側面を垣間見ることができ
とがお互いの利益につながるという考え方に立った活
たことも今回の研修の重要な成果であったと考えてい
動をされているということを感じました。
ます。なお、研究についての概要は後述します。
【PTB における試験と適合性評価】
【主な研修内容】
部門 3.6 の部門長から、PTB の紹介及び PTB にお
滞在期間である 3 か月の大部分は、研究チームで
ける防爆の規格適合性評価について説明していただき
日々の実験やデータ処理、打合せに費やされましたが、
ました。PTB には学生や外部協力機関の職員を除き、
各エンジニアとの対談の場も設けていただくことがで
約 1500 人のスタッフがおり、そのうちの約 60 名が防
き、有意義な情報交換の機会となりました。
爆に関する仕事をしているそうです。また、当協会に
以下に主な対談内容を記します。
も興味を持っていただき、お互いの組織に関する情報
・本安の評価方法
交換の場とすることもできました。そのほかに、我々
・PTB における試験と適合性評価
が経験のない ATEX 指令における PTB の活動につい
・火花点火試験装置を使った試験
ても説明していただき、IECEx と同じ部分、似てい
・温度測定、照明関係の評価、試験
る部分、異なる部分をかいつまんで教わりました。し
・容器への試験、恒温槽を利用する試験全般(PTB 内
かしながら、ATEX 指令だけでなく、欧州指令自体
に事務所を有する外部協力機関)
への私自身の知識・経験不足から、話を聞くだけになっ
・電池の測定、試験
てしまったことが悔やまれます。
・本安の故障解析、ソフトウェア ispark について
・樹脂充填防爆構造
【火花点火試験装置を使った試験】
・耐圧防爆構造関係の設備
ここでは、火花点火試験装置を用いた業務を主に行っ
・Proficiency Testing
ているエンジニアと対談及び火花点火試験装置を利用
・光放射
したいくつかの実験を見せていただきました。PTB
・試験装置、測定機器の校正
では試験室の一角に机一つが火花点火試験用にカスタ
次項から、個々の内容について、概要を順に記します。
マイズされたスペースが 2 箇所あり、それらを用いて
各種試験を行っています。ガスに安全率を適用した実
【本安の評価方法】
験も頻繁に行われているようでした。PTB で用いら
PTB の部門 3.6 に所属する 3 名のエンジニアとそれ
れている火花点火試験装置は、下図のようなもので、
ぞれ 1 対 1 で話をすることができました。そのうちの
金属製で頑丈に作られており、圧力センサによって、
1 名は、本安グループの長であり、本安の申請があっ
点火、爆発を検知し、試験器を止める機構が組み込ま
た際の一般的な書類(紙媒体、電子媒体問わず)の流
れています。また、試験電極の一方であるタングステ
れ、試験の実施方法についても教わり、当協会と同じ
ン線は、IEC 規格(IEC60079-11)にも紹介されてい
部分、異なる部分といったものが見えてきました。も
るように、溶断して作成しており、一定回数の接触を
11
TIIS ニュース No.261
もって新しいタングステン線と交換していました。
方々に IP、衝撃などの容器への試験を行う設備及び
見せていただいた試験は、単純な抵抗性回路での点
恒温槽を利用する試験全般について説明していただき
火実験、誘導性回路での点火実験、非線形回路での点
ました。
火実験及び過去に Proficiency Testing Program で使
IP 試験などは防爆に限らず、高グレードなものは
用された試験装置を使用した実験の 4 種です。それぞ
様々な部署から彼らへ依頼が来るそうです。このよう
れの点火時に、電圧、電流がどのような波形となるか
に、様々な分野から試験の依頼があることから、防爆
も見せていただきました。当協会でも火花点火試験装
のほか、一般の機器及び特定用途の機器に関する試験
置を用いた試験は行っておりますが、私自身はこれま
方法を把握しておく必要があるため、様々な規格に精
でに試験回路毎に点火時の過渡的な電圧、電流波形に
通したエンジニアが数多く居り、彼らの活動内容を大
焦点を当てたことが無かったため、大変興味深い内容
変興味深く聞かせていただきました。
でした。
また、PTB のエンジニアに尋ねたところ IP は通常、
規格要求のグレードまでを評価するが、高グレードの
試験が必要な場合には、ここで紹介していただいた
PTB 内の外部協力機関へ試験を依頼しているとおっ
しゃっていました。
【電池の測定、試験】
主に、短絡させ、短絡電流の測定、電解液、ガス発
生の有無の確認、電池表面温度の測定を実施すること
が本安における電池の試験となっております。ここで
は、これらの試験に必要な接点、スイッチ、電流測定
のための抵抗、必要に応じて使用されるオーブンを見
(蓋を外した火花点火試験器)
せていただきました。短絡回路としては、接点が 1m
Ω未満、スイッチが 1m Ω、電流測定のための抵抗が
【温度測定、照明関係の評価、試験】
1m Ωとなっており、規格要求値未満となるよう構成
部門 3.6 内の本安以外の業務として、照明器具に関
されております。接点は、電池の+極及び-極と接触
する説明および設備案内をしていただきました。主に
し、スイッチまで配線するための器具です。スイッチ
適用される耐圧防爆構造や安全増防爆構造の IEC 規
は電子部品を利用したもので、トリガとして別途回路
格のうち、照明器具に関係する部分を中心に説明して
が設けられており、そちらで ON/OFF を制御できる
いただきました。設備の案内では、試験用に一室全体
ものでした。抵抗は電池を短絡させる試験において、
を暖めることができる専用の部屋やランプ寿命末期の
規格上許容されている範囲に収まる抵抗値で、本抵抗
口金加熱に対する保護の試験として壁一面にランプが
での電圧降下から電流を算出します。オーブンは電池
並べられ、照らされた部屋があるなど、見ごたえのあ
を温めて試験をする際に使用されます。
る施設見学となりました。
本試験は、IEC 規格にも抵抗値等の制限こそあれ、
参考までに PTB における温度測定について紹介し
細かな要件が載っているわけではないため、試験機関
ます。通常、試験結果として採用する測定に使用する
ごとに短絡回路の構成に差が生まれ得る部分で面白い
ものは熱電対(型は K や J など各種)でφ 0.1mm な
かもしれません。
どある程度細いものを使用し、放射温度計(サーモグ
ラフィー)等は測定対象の高い温度上昇を示すスポッ
トを探る目的での使用が多いとのことでした。
【本安の故障解析、ソフトウェア ispark】
“ispark”は PTB で開発、サポートされている火花
点火試験のシミュレーションソフトウェアです。パラ
【容器への試験、恒温槽を利用する試験全般】
ここでは、PTB 内に敷地を有する外部協力機関の
12
メータを入力するだけでそのパラメータにおいて許容
できるインダクタンスやキャパシタンス値を出力でき
TIIS ニュース No.261
るため、大変簡便に火花点火の評価が可能というもの
だくことができました。
です。簡便さはもちろん、このソフトウェアは過去の
そ の ほ か、 総 則(IEC60079-0) や 耐 圧 防 爆 構 造
火花点火試験等によって得られた膨大なデータを基に
(IEC60079-1)に関する規格の解釈についても意見交
作られたもので、他の試験と比べ、再現性を保つこと
換ができ、お互いに有意義な時間を過ごすことができ
が困難な火花点火試験に対して、誰が、いつ行っても
たと考えております。
一定の出力を返すことも目的の一つとしています。今
では、数多くの防爆関係の検査機関、製造者等で規格
【Proficiency Testing】
適合性の評価、確認等のために使用されています。
Proficiency Test は、 以 前 は PTB が 主 催 と な り、
この“ispark”の開発者の一人で、サポートを担当
各試験所へ呼びかけ、同じ題材、試験にすべての参加
している方と対談することができ、“ispark”が得意
者(試験所)が取り組み、結果の比較やフォローアッ
とする回路や適用できないあるいは苦手な回路等の説
プを行うプログラムでしたが、これからはすべての
明をしていただきました。本ソフトウェアでは、私が
ExTL(IECEx における試験所)に対して参加を義務
事前に想像していたよりはるかに多くのデータを活用
付けるなど、IECEx 全体としての取り組みへと移っ
しており、出力された結果の活用方法など、興味深く
てゆくようです。
説明を聞かせていただきました。
担当のエンジニアとは、過去の Proficiency Test と、
PTB では、前述のとおり、火花点火試験装置も日
今後についての話、Proficiency Test の枠組みにおけ
常的に稼働していますが、試験器を用いた実試験は
る PTB の立ち位置などについて話をすることができ
規格適合性の評価に限らず、様々な実験等にも積極
ました。
的に利用されており、規格適合性の評価においては
一つ誤解を受けがちな大切なこととして、PTB と
“ispark”が対応可能な範囲は“ispark”の結果を利用
しては、Proficiency Test の正解を示す意図はないと
する方法が一般的のようです。
いうことだそうです。当然、Proficiency Test として
は、結果として何らかのデータを示す必要があります
【樹脂充填防爆構造】
が、その結果の示し方も、参加者全体の平均値を結果
樹脂充填防爆構造を主に担当しているエンジニアと
の中央値として採用しています。仮に他の試験所と大
規格の要求事項や試験方法について話を聞くことがで
きく異なる結果となった場合の原因の探索やどのよう
きました。PTB への滞在直前の昨年 2014 年末に版が
に対策を取るかといったことも参加者(試験所)の自
上がった IEC 規格(IEC60079-18)についても簡単に
主性に任されています。
ではありますが話を聞くことができました。また、対
過去に以下に示す四つの Proficiency Test が実施さ
談の中で、過去に実際に不適合となったコンデンサと
れてきました。
樹脂充填材の例や教材として保管されているカットサ
プログラム 1:爆発圧力
ンプルなどを見ることもでき、非常に有意義な時間と
プログラム 2:火花点火
なりました。また、私からは滞在当時の日本における
プログラム 3:火炎逸走
樹脂充填(てん)防爆構造の状況、適用する規格及び
プログラム 4:温度等級
その版(発行年)について伝え、関連する事柄につい
既に次なる Proficiency Test の計画があり、題材は、
ての情報交換を行いました。
「静電気帯電」と「本質安全」の 2 種で、同時期に進
められる予定です。静電気帯電は総則の内容で、非金
【耐圧防爆構造の設備】
属製の容器等に適用される各種要求事項のうち、実際
この内容は、当初予定に入っておりませんでしたが、
に試験を実施して各試験所の結果(例えば表面抵抗)
耐圧防爆構造のエンジニアと都合をつけていただいた
を比較するようです。本質安全については、安全保持
ことで急きょ実現しました。耐圧防爆構造関係の事務
器の机上評価がテーマに挙がっており、参加者間の評
所と試験設備を一通り案内していただき、見ることが
価結果の比較がなされるようです。当協会も 2015 年
できました。いくつかの試験はサンプルを用意してい
に行われるこれら 2 種の Proficiency Test に参加しま
ただき、実際に試験を実施している様子を見せていた
す。
13
TIIS ニュース No.261
【光放射】
IEC60079-28 として規格になっている比較的新しい
防爆構造について担当のエンジニアに話を伺ってき
ました。本規格は、記号として、op is、op pr、op sh
の三つに分けられますが、主に op is について、今回
話をしました。従来の日本の検定にはない考え方のた
め、規格の土台となっている部分や光の持つエネル
ギーの測定方法など、基本的な部分から学ばせて頂き
(参加した実験の試験系)
ました。
また、試験設備も見学することができ、光のエネル
簡単に内容を説明しますと、火花点火試験器を模擬
ギーを測定するための電源や光源のコントロール、セ
したタングステン線とカドミウムディスクを入れ物
ンサなどについて教えていただきました。また、規格
(上図中 Test chamber 部)の中で接触させ、生じる
に試験項目として挙がっている試験(ignition tests)
火花の形状及び電圧、電流波形を測定、比較するとい
については、試験実施可能な設備は用意されていま
うものです。火花の形状は窓を覗き込むような格好で
すが、ほとんど試験を実施することはないともおっ
ハイスピードカメラで撮影し、オシロスコープによる
しゃっていました。
波形測定のトリガとハイスピードカメラによる撮像の
トリガを同期させることで火花形状と電圧、電流波形
【試験装置、測定機器の校正】
の比較を可能としていました。
PTB では、部門 3.6 で保有する全測定機器の校正を
本件に関する研究チームは 5 名程度で、PTB 構内
担当している方がおり、その方に話を聞くことができ
の図書館を利用した文献調査にも参加させていただ
ました。
き、研究機関としての PTB の側面も垣間見ることが
主に、校正している機器にどのようなものがあるの
でき、貴重な体験となりました。
か、各測定機器の数について話をし、機器の管理方法、
測定機器の関連する文書の管理方法について知ること
【ドイツでの生活について】
ができました。また、校正以外の日常的な保守や点検
今回初めてドイツを訪れましたが、国土面積や人口
についても話を聞くことができました。
も日本とそう変わらず、気候も多少日本より寒かった
また、PTB には数多くの部門があり、基本的には
程度で大変なじみやすいと感じました。もちろん人口
それぞれの部門で必要な機器を保有していますが、他
密度などは日本と同様で都市部に集中していると考え
部門で管理している測定機器も必要に応じて融通し
られますが、街行く人々の様子は当協会のある埼玉県
あっているとのことでした。
狭山市と大きな違いはないように感じました。
【研究内容】
本安で想定する火花の特性に関する基礎研究チーム
に参加させていただき、データの収集やデータ解析、
種々打合せに加わることができました。具体的なデー
タに触れて説明することができませんので概要を記す
に止めます。
条件は種々変えつつ試験を実施しましたが、以下の
図のような試験系での試験に参加しました。
(ブラウンシュバイクの町並み)
14
TIIS ニュース No.261
ブランシュバイクは州都であるハノーファーに近
団扇
く、駅周辺は人の出入りも多く、平日、休日問わずに
ぎわっていました。また、自転車による交通が発達し
ており、道路にも、自動車道と歩道の間に自転車道が
設けられている道も多くありました。
また、滞在中は PTB 構内にあるゲストハウスに宿
泊させていただきました。基本的に日常生活を送る上
で必要なものはゲストハウスに揃っている、あるいは
近所のスーパーマーケット等で入手可能でしたので、
大変快適に過ごすことができました。また、共同のキッ
チンを利用して各自食事を準備できるようになってお
り、時間帯によっては、他部門にゲストとして訪問し
ている方々と軽い世間話をするなど面白い体験ができ
ました。
漢字でうちわは「団扇」と書きますが、そもそ
もこれは宛て字です。ただしそれぞれにはちゃん
とした意味があります。「団」は丸い物を表現す
る漢字です。例えば「団子」「団栗」(どんぐり)
など。「扇」は風を{あおぐ}という意味です。元々
は「あおぐ」が「あおぐ」…「おうぎ」となった
そうです。
基本的には涼をとるための道具として利用され
てきた団扇(うちわ)は、歴史上さまざまな場面
で利用されています。
昔は主に公家・役人・僧侶の間で威厳を示す為
に顔を隠したり虫を払う道具として使われていま
した。また天皇の食事を冷ましたり宮中の火起こ
しにも使用されてきました。
戦国時代には軍配団扇として戦の指揮用とし
て使用され、今でも大相撲の行司が使用している
軍配はその名残なのです。
江戸時代では多色刷りの役者絵や美人画など
のうちわ(今でいうアイドルうちわのようなもの)
が出回りました。他にも、神事や厄払いの道具と
して使用されることもありました。
最近では スポーツ応援用や広告として使用し
(ゲストハウス外観)
たり、外でバーベキューをする時に煙を避けたり、
火を熾したり、お土産、贈呈品、インテリアに…
とその時代時代で団扇は色々な使われ方をしてい
【まとめ】
今回ドイツ国立の研究、試験機関である PTB を訪
ます。
問させていただきました。3 か月という研修としては
長めの、ただし何かを成すには短い期間ではありまし
たが、仕事、防爆に関することもそれ以外のことも学
ぶことが非常に多い研修となりました。日本での仕事
に活かせることは積極的に活かすことができるよう努
めていきたいと思います。
帰国後、日本での仕事に復帰したばかりではありま
すが、PTB のエンジニアの視点から投げかけられた
様々な事柄は、当協会内での打合せのきっかけとして
も非常に良いものとなっていると感じております。
(試験部 検定員 久保 卓郎)
15
TIIS ニュース No.261
講座・講習会のご案内
◆平成 27 年度講習会・講座の予定
平成 27 年度に開催を予定している講習会のご案内をいたします。なお、都合により開催時の変更あるいは中止、
また新たな講習会を実施することがあります。開催予定時期に近づきましたら、当協会のホームページ、メールマ
ガジン等でご案内いたします。ご関心のある方々、また、社内教育の一環としてもお役に立つかと思いますので、
是非ご参加くださいますようお願いいたします。
○講習会
No.
講習会名
日時
場所
内容
1
改正防爆指針の概要説明会(指針全般) H27/ 未定 *
東京
大阪
改正予定の国際整合防爆指針について、そ
の改正の要点を説明する。
2
工場電気設備防爆指針 - 国際整合指針
H27/ 未定 *
改正版解説(各論1)
東京
大阪
(その1)改正予定の国際整合防爆指針に
ついて、その内容を解説する。
3
工場電気設備防爆指針 - 国際整合指針
H27/ 未定 *
改正版解説(各論 2)
東京
大阪
(その 2)改正予定の国際整合防爆指針に
ついて、(その 1)以外の方式の内容を解
説する。
東京
大阪
(I)初心者向けに防爆とは何かを、その
歴史、作動原理等を、特に初心者の方にわ
かりやすく解説する。社内教育の一環とし
てもお役に立つかと思います。また、海外
検定 / 認証機関と協会の関係 / 役割につい
ても、概要・現状を述べる。
東京
大阪
(I)で解説した防爆方式以外の方式につ
き、初心者向けに防爆とは何かを、初心者
の方にわかりやすく解説する。(Ⅰ)と(Ⅱ)
で完結する。社内教育の一環としてもお役
に立つかと思います。また、海外検定 / 認
証機関と協会の関係 / 役割についても、概
要・現状を述べる。
大阪
静電気とは何か。なぜ静電気による事故が
起こるか。どのようにすれば、事故を減ら
すことができるか。静電気の計測方法など
も含め、それらの事例も示し、解説する。
また、静電気放電による、爆発現象を机上
実験で示す。
初心者向け防爆基礎講座(Ⅰ)
(原理、耐圧、内圧、油入、安増の防
4
H27/ 未定 *
爆方式についての概略説明、海外認証
機関紹介)
初心者向け防爆基礎講座(Ⅱ)
( 原 理、 本 安、 樹 脂、 非 点 火、 特 殊、
5 粉じんの防爆方式についての概略説 H27/ 未定 *
明、海外認証機関紹介)
6
静電気災害・障害防止のための基礎知
識
H27/12
*現在、防爆電気機器に対する検定の基準の一つとして、「工場電気設備防爆指針(国際規格に整合した技術指針 2008)」が採
用されておりますが、近年、技術指針の基礎となる IEC 規格の版等が更新されていることから、独立行政法人労働安全衛生総
合研究所では同指針の改正作業を進め、「工場電気設備防爆指針(国際整合技術指針)」として取りまとめられました。
当協会では、厚生労働省が新しい技術指針を検定の基準として位置づける通達の発出を待って「改正防爆指針の概要説明会」
等を開催することとしており、関係通達が発出され次第、改めて開催日程等を確定しご案内いたします。ご理解のほどよろし
くお願い申し上げます。
○講座
No.
講習会名
日時
場所
内容
静電気安全指針をテキストとして、その内
産業安全
容を、第1章から解説し、静電気のエキス
技術協会
パートになっていただくための、5 日間の
を予定
集中講。
1
静電気安全エキスパート養成講座初級
H27/10
2
静電気安全エキスパート養成講座中級
H27/11
同上
初級講座を終了した方を対象にした、静電
気レベル・アップのための 3 日間の集中講座。
3
静電気安全エキスパート養成講座初級
H28/3
同上
No.1 の講座と同内容
16
TIIS ニュース No.261
協会からのお知らせ
◆理事会開催報告
場所:KKR ホテル東京
平成 27 年度の第 1 回及び第 2 回理事会が下記の通
出席理事:永石治喜 三須 肇 神谷明文 榎本克哉
り開催されました。
(第 1 回理事会)
第 1 回理事会では、平成 26 年度の事業報告及び決
算等について審議が行われ、提案通り承認されました。
日時:平成 27 年 5 月 15 日(金)11:00-12:05
場所:KKR ホテル東京
出席理事:永石治喜 三須 肇 神谷明文 榎本克哉
秋田 徹 川池 襄 神田正之 神田良昭 重松宣雄
利岡信和 豊福正典 泥 正典 福岡達夫 藤井信孝
松永 朗 宮川重雄 本山建雄 山本為信
出席監事:太郎良譲二 徳山勲男
(議案)
・第 1 号議案 平成 26 年度 事業報告 ( 案 ) について
秋田 徹 市川信行 川池 襄 神田正之 神田良昭
重松宣雄 利岡信和 泥 正典 福岡達夫 藤井信孝
松永 朗 松村不二夫 宮川重雄 山本為信
出席監事:太郎良譲二 徳山勲男
(議案)
・第 1 号議案 平成 26 年度事業報告承認の件
・第 2 号議案 平成 26 年度決算報告承認の件
・第 3 号議案 役員選任の件
(報告事項)
・第 1 点 平成 27 年度事業計画
・第 2 点 平成 27 年度収支予算書
・第 3 点 資金調達及び設備投資の見込みについて
・第 2 号議案 平成 26 年度 決算報告 ( 案 ) について
◆固体粉じんに対する防護服について
・第 3 号議案 理事 ・ 監事候補者の選定 ( 案 ) について
ISO/IEC 17025 による試験所認定を取得
・第 4 号議案 「機械等登録型式検定機関業務規程」 の
当協会は、かねてより安全靴及び防爆構造電気機械
改正について
(第 2 回理事会)
第 2 回理事会では、会長、副会長及び常務理事の選
任について審議が行われ、提案通り承認されました。
日時:平成 27 年 6 月 2 日 ( 火 ) 15:25-15:45
場所:KKR ホテル東京
出席理事:永石治喜 三須 肇 森本勝一 榎本克哉
内橋聖明 川池 襄 神田正之 小松 正 重松宣雄
利岡信和 藤井信孝 松永 朗 松村不二夫 宮川重雄 宮崎浩一 本松 修 山隈瑞樹 山本為信
出席監事:神田良昭 太郎良譲二
(議案)
・第 1 号議案 代表理事 ( 会長 )、 副会長及び常務理事
の選任 ( 案 ) について
◆定時総会開催報告
平成 27 年度定時総会が下記の通り開催されました。
定時総会では、平成 26 年度事業報告、決算報告及び
理事選任の件について審議が行われ、提案通り承認さ
れました。また、下記の報告事項について報告が行わ
れました。
日時:平成 26 年 6 月 2 日(火)14:00-15:15
器具について財団法人日本適合性認定協会(JAB)か
ら ISO/IEC 17025(JIS Q 17025)に適合する試験所
として認定されておりましたが、本年 3 月に認定範囲
拡大を申請し、6 月 23 日付けで次の試験規格・試験
の種類について拡大認定が認められました。
JIS T 8124-1(固体粉じんに対する防護服−第1部:
浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5化学防護服)
の性能要求事項)の 4.3.2 防護服完成品の微粒子エ
アロゾル漏れ率
及び JIS T 8124-2(固体粉じんに対する防護服−第2部:
微粒子エアロゾルに対する全身化学防護服内部への
漏れ率試験方法)
◆新入会員
○入会申込(平成 27 年 6 月 10 日現在)
会社名:株式会社テクノカシワ
所在地:〒 140-0004
東京都品川区南品川 2-4-7 アサミビル 9F 営業品目:電気ヒーターシステムの設計・施工・販売
17
TIIS ニュース No.261
◆関係機関・団体からのお知らせ
・15:45 ~ 16:35
○労働安全衛生総合研究所 「安全衛生技術講演会」
「サービス・介護分野で人と協働するロボットの安全
独立行政法人労働安全衛生総合研究所では、「平成
評価」
機械システム安全研究グループ 統括研究員
27 年度安全衛生技術講演会」(無料)を次のとおり行
います。
池田 博康
・16:40 閉会
テーマ
「労働安全衛生行政施策と調査研究 -改正労働安全衛
生法令関連事項を中心として- 」
1. 開催日時・場所
〇東京会場:
平成 27 年 9 月 24 日(木)10:00 ~ 16:40
詳しくは、下記をご覧下さい。
http://www.jniosh.go.jp/announce/2015/kouen.html
◆公益社団法人 産業安全技術協会 役員名簿
(平成 27 年 6 月 2 日現在)
きゅりあん(品川区立総合区民会館)
〒 140-0011 東京都品川区東大井 5-18-1
(役 職)
Tel:03-5479-4100(代表)
会長(代表理事)
常勤
永石 治喜
JR 京浜東北線・東急大井町線・りんかい線
副会長
非常勤
三須 肇
「大井町」駅から 徒歩 1 分
副会長
非常勤
森本 勝一
〇大阪会場:
常務理事(業務執行理事)
常勤
榎本 克哉
平成 27 年 9 月 30 日(水)10:00 ~ 16:40
理事
非常勤
内橋 聖明
エル・おおさか(大阪府立労働センター)
理事
非常勤
川池 襄
〒 540-0031 大阪市中央区北浜東 3-14
理事
非常勤
神田 正之
Tel:06-6942-0001(代表)
理事
非常勤
木下 哲也
地下鉄谷町線・京阪電鉄「天満橋」駅から西へ 300m
理事
非常勤
小松 正
2. プログラム
理事
非常勤
重松 宣雄
・10:00 開会
理事
非常勤
利岡 信和
・10:20 ~ 11:10
理事
非常勤
豊福 正典
理事
非常勤
藤井 信孝
理事
非常勤
松永 朗
理事
非常勤
松村 不二夫
理事
非常勤
宮川 重雄
理事
非常勤
宮崎 浩一
・特別講演(13:00 ~ 13:50)
理事
非常勤
本松 修
「改正労働安全衛生法の施行と行政施策の推進」
理事
非常勤
山隈 瑞樹
理事
非常勤
山本 為信
・13:50 ~ 14:40
監事
非常勤
神田 良昭
「事業場におけるメンタルヘルス対策
監事
非常勤
太郎良 譲二
「工場電気設備防爆指針の改正について」
国際情報・研究振興センター長 山隈 瑞樹
・11:10 ~ 12:00
「足場からの墜落災害の現状とその防止対策について」
労働災害調査分析センター長 大幢 勝利
厚生労働省労働基準局安全衛生部計画課
- ストレスチェック義務化と職場環境改善 -」
過労死等調査研究センター長 茅嶋 康太郎
・14:55 ~ 15:45
「化学物質の見えないリスク
- そのアセスメントと管理に向けて -」
環境計測管理研究グループ 部長 小野 真理子
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(氏 名)
TIIS ニュース No.261
◆大阪事務所へのアクセス
和泉中央駅前南海バス『5番乗り場』から、0系統のグリーンポリス前経由「府立産技研前」行き、
又は、2系統、3系統の「テクノステージセンター前」行きで約10分「府立産技研前」下車
公益社団法人産業安全技術協会 大阪事務所
〒 594-1157 大阪府和泉市あゆみ野 2-7-1
地方独立行政法人 大阪府立産業技術総合研究所新技術開発棟 F103
Tel: 0725-53-5001 Fax: 0725-53-5006
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