医用高輝度モニタの特性に合った処理パラメータの検討

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医用高輝度モニタの特性に合った処理パラメータの検討
兵庫医科大学病院 ○ 槌谷達也 尾崎隆男 鎌倉敏子 堀眞規 中村満
井上裕之 池内陽子 上東隼 坂本清
【背景・目的】
医用画像のPACS化に伴い、画像診断はフィルムから医用
高輝度モニタへ移行しているが、医用高輝度モニタの特性に
合った処理パラメータはない。そこで、本研究は従来使用され
ていたフィルムと医用高輝度モニタの特性を比較し、医用高輝
度モニタに合った画像処理パラメータを検討したので報告する。
【方法】
使用したモニタはEIZO社製のコンソールモニタ、HI-C、医用
高輝度モニタである。測定はJIRA社製のテストツールを用い、
KONICA MINOLTA社製の望遠型輝度計を用いて行った。
まず、JIRA BN01~18パターンを用いて各モニタの輝度を測
Fig.1 各モニタの輝度特性
定し、各モニタの輝度特性の比較を行った。次に、JIRA SMPTE
パターンを用いてフィルムの濃度およびモニタの輝度を測定し、
フィルムとモニタの特性の比較を行った。また、骨系画像用の
階調処理を加えたアクリルステップを用いてフィルムの濃度お
よびモニタの輝度を測定し、フィルムとモニタの特性の比較を
行った。
ここでモニタ輝度を濃度に変換するために、以下の濃度値変
換式を用いて、輝度値を濃度値に変換した。
D=-log(射出光強度/入射光強度)+カブリ
【結果】
各モニタの輝度特性において、コンソールモニタのコントラ
ストは他のモニタと比較すると低く、最高輝度も低かった。
Fig.2 フィルムとモニタの特性の比較
(Fig.1)フィルムとモニタの特性の比較でSMPTEパターンを用い
ると、フィルムとモニタでは若干の差が見られた。(Fig.2)ま
た、骨系画像用の階調を加えたアクリルステップを用いると、
モニタは低濃度部ではコントラストが保たれていた。高濃度部
ではコントラストが低かった。ここで、FCRで用いられている
CSというパラメータを変更し、コントラストを高くすることに
よりモニタのコントラスト特性はフィルムのコントラスト特性
に近づいた。(Fig.3)骨系画像領域に着目すると、アクリルス
テップの1から5段目まででは、フィルムはコントラストが低く
なっているのに対し、モニタではコントラストが高くなった。
(Fig.4)
Fig.3 フィルムとモニタの特性の比較
【考察・結語】
医用高輝度モニタでフィルムと同様のコントラストを得るに
は、CSを大きくすることが必要であると考える。また、低濃度
部領域においては、モニタはフィルムと比較するとコントラス
トが高くなる。よって、モニタではDR圧縮の程度を弱くするこ
とが可能となり、かぶりの増加やオーバーシュートの軽減が可
能となる。
これらのことから、医用高輝度モニタ専用の画像処理パラ
メータが必要である。
Fig.4 骨系画像を想定した輝度の範囲
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