化学発光分析を⽤いた ⾼分⼦材料の劣化解析 わずかな変化を捉えて劣化状態を検証します ■ モノづくりと劣化評価の短縮 不具合品の対策を⾏うとき、試作品を準備して、加速劣化試験にてその効果の検証を⾏いますが、 通常、この作業には数週間の時間を要します。化学発光分析は、材料の劣化(とくに酸化)に対する 検出感度が⾼いため、加速劣化時間を⼤幅に短縮して評価を⾏えることが期待できます。 ■ PEチューブの低劣化状態の⾼感度検出 本試料は光+熱劣化と、熱劣化の領域が得られるように、半分をアルミホイルで覆い劣化試験を⾏ いました。可視化像、UV-FL像による外観観察結果は、光+熱劣化部分ではともに劣化が確認でき ますが、熱劣化部では確認できません。この熱劣化部分を化学発光分析で確認すると、発光ピーク が認められ、酸化劣化していることがわかりました。このように、従来法では検出されない劣化程 度でも感度よく検出することができます。 外観観察結果 化学発光分析結果 1.0×105 光+熱劣化部 UV-FL像 温度 (℃) 可視化像 150 新品 光照射部(光+熱) 遮光部(熱) 100 温度 [℃] 50 0 0 *UV-FL:UltraViolet - Fluorescence 250 200 発光量 (counts) 熱劣化部 5 10 時間 (分) 0 20 15 ■ 化学発光分析結果とフォトンカメラによる多試料同時評価 200℃の酸素雰囲気で試料を酸化させ、その時の発光開始時間を計測しました。化学発光分 析結果から、耐熱性評価を⾏うことができます。また、フォトンカメラによる多試料同時測 定の結果、ナチュラル>Tn-1.0>Tn-0.5>Ir-0.5>Ir-1.0の順に発光している様⼦が可視 化できます。この⽅法は、複数の候補から配合や材料を選定する場合に有効です。 Ir-1.0 Ir-0.5 0min Tn-0.5 1.5min 1min 2min 40min 60min Tn-1.0 5,000 200 ナチュラル Tn-0.5 Ir-0.5 150 Tn-1.0 Ir-1.0 0 0 1 2 20 時間 (分) 40 60 80 100 温度 (℃) 化学発光量 (Counts) ナチュラル 100 120 200℃の酸素雰囲気で試料を酸化させ、その時の発光開始時間を計測 F0390
© Copyright 2024 ExpyDoc