九州大学【文部科学省 橋渡し研究加速ネットワークプログラム】シーズ:B13 文部科学省橋渡し研究加速ネットワークプログラム 臨床試験に向けた新規腫瘍溶解性コクサッキーウイルス療法の開発 国立大学法人 九州大学 B13 臨床試験に向けた新規腫瘍溶解性コクサッキーウイルス療法の開発 プロジェクト責任者:谷 憲三朗(九州大学病院 先端分子・細胞治療科) 谷 憲三朗 概要 図. 4 安全性の向上 図. 5 試験物の画期性・優位性 我々はエンテロウイルス属約40種のスクリーニングから、コクサッキーウイルスB群3型 (CVB3)が肺癌、悪性中皮腫、乳癌細胞を特異的に溶解することを発見した。また、担癌 マウスin vivo研究において強力な抗腫瘍効果、免疫細胞刺激性傷害関連分子パターンの 高発現誘導、及び各種免疫細胞のin vivo抗腫瘍効果への関与を明らかにした。更に、各 組織に特異的に発現するmicro RNAの相補配列を搭載した遺伝子改変CVB3-miRTを作 製し、遺伝子改変CVB3-miRTは野生型CVB3の副作用消失を実現した。我々は遺伝子改 変CVB3-miRTの抗腫瘍薬剤としての非臨床POC取得を目的に、GMP準拠における本剤 の製造法の確立、マウス及びサルを用いた非臨床安全性試験を目指す。 試験物概要 図. 1 各種エンテロウイルス腫瘍溶解性のスクリーニング スクリーニング 今年度の特筆すべき進捗 図. 6 無血清培養によるウイルス大量製造法及び大量精製法の確立. 無血清大量培養 ウイルス産生細胞及び培養液の組み合わせの検討を行い、ウイルス産生細胞をHEK293細胞を使用することにより、培養 液を無血清培地に変更可能となり、ウイルス産生量も従来法と同等まで上昇した。 また、培養をガス透過性バッグを用いて培養することにより、液量を1/10程度に減少させるこが可能となった。 大量精製 図. 2 安全性向上の為の遺伝子改変コクサッキーウイルスB群3型 ゾーナルローターを用いた超遠心法により、大量にウイルスを精製することが可能となり、従来の超遠心法の10倍以上の 処理が可能となった。 CVB3 -W T 構造領域 P1 5’ VP4 VP2 VP3 上記の大量培養及び大量精製を行った場合においても、ウイルスの精製に成功した。 非構造領域 P2 VP1 2A 2B P3 2C 3A 3B 3C 3’ 3D IRES 4 つのm iRN A 標的配列を CVB3 の 3 ’非翻訳領域に挿入 CVB3 -m iR-1 & 2 1 7 T 構造領域 非構造領域 P1 5’ VP4 VP2 VP3 P2 VP1 2A 2B P3 2C 3A 3B 3C IRES 3’ 3D m iRN A targ et 図. 7 ATA CAT A CT TCT TTA CAT TCC A cg atA TA C ATA CTT CTT TA C ATT CCA a cc g g t TCC A AT CA G TTC CTG ATG CA G TA t ca c TCC A AT CA G TTC CTG ATG CA G TA m iR-1 targ et 図. 3 m iR-1 targ et m iR-2 1 7 targ et m iR-2 1 7 targ et 効力に関する非臨床試験 悪性中皮腫 M ESO-1 M OCK CVB3 -W T CVB3 -m iR-1 & 2 1 7 T M ESO -4 肺癌 A549 N CI-H 1 2 9 9 乳癌 M D A -M B-2 3 1 M D A -M B-4 6 8 非臨床安全性試験
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