開始前のヴィンテージシンセサイザー展示会の会場

2015 年 5 月 23 日、世界中のモジュラーシンセが京都に集まる世界規模のイベント
「 KYOTO FESTIVAL Of MODULAR@ @ BUZZHALL 、 KYOTO
RESARCH
PARK」の会場に私たち JSPA WCE メンバーがやってきた。
モジュラーシンセサイザーの形は主に本などで見たことはあった。ただし音色を間近で
聞くチャンスは、きっと今日ほど恵まれる機会はないだろう。楽器なのにさわる都度の毎
度が初体験の音色に一期一会と聞いている。わたしたちは今日、何を見て何を感じるのだ
ろうか。はやる気持ちで、主催の Dave Skipper 氏と畠賢一氏にお目にかかり、取材用の
リストバンドをいただいて取材開始した。
開始前の会場に鎮座する「ヴィンテージシンセサイザー」。私たち取材班もはじめて間近
で見るヴィンテージモジュラーシンセサイザーが目の前にある。タンスとも言われたセク
ションごとに区切られた箱の中にたくさんのパッチケーブルを待ち受ける「ケーブルホー
ル=穴」が規則正しく並んでいる。
改めて間近で見ると、楽器というより交換機や制御機器のシステムを目の当たりにした
ときに似ている感想を抱く。この楽器に電気が入ったとき、この楽器にケーブルがつなが
ったときにどんな音を奏でるのか。それは楽器の遣い手であるマイスター次第。
もともとシンセを作ったビルダー達が用意した音色プリセットなどない時代の楽器。
ケーブルレスでお目にかかれるのは、開始前だからである。この後の変貌ぶりが楽しみだ。
この楽器をこの会場に運んでいるオーナーたちの熱意が伝わってくる。
「どうぞ、近くで見て写真も撮ってください」と言われて、若干戸惑った。きっとシンセ
の愛で方を知っているモジュラーファンのかたがたは、パネルを 1 つ 1 つ撮りたいぐらい
アップで撮るだろうか。教科書どおりの写し方ならシステムの全体を撮るだろうか。
そんなことを考えながら、まずは撮ってみた。正直に全体の大きさがわかりづらいなと思
った。何かよい撮影方法はあるだろうか。今回はそんなことを思いながら取材でカメラワ
ークに戸惑いながら撮影していた。パッチケーブルがヴィンテージコーナーに到着。さぁ、
これからがヴィンテージモジュラーシンセの本領発揮だ。
開始前のヴィンテージシンセサイザー展示会の会場
パッチケーブルレスのヴィンテージシンセサイザー展示会場
開場前のホール内
MoogⅢC の C はキャビネットの「C」らしい貴重なバックパネル内
パッチング開始
時間は午後 1 時。「BEFACO 社」ブースにはお客様がすでに数名。
「どうぞ見てください」と入れてい
ただいたブース内では、右の写真の皆さんが真剣な表情でシンセサイザービルドの真っ最中だった。
「エレクトロン社」ブース前で準備中のサイモン社長とお話した。「モジュールシンセのすかし彫り模
様がきれいですね」とお話したところ「1 台ずつハンドメイドです」と説明してくださった。右の写真
は開場前のパッチングの様子。
パッチケーブルがカラフルにセットされ開場時間を待っていた。
ヘッドホンシンセサイザーライブの準備中
各プレイヤーさんのパッチも進んでいた
15時、KYOTO FESTIVAL Of MODULAR 開場
ホール入り口
ヘッドホンライブを聞く人
ヘッドホンライブの様子
ヘッドホンライブをプレイ中
マーケットタイム。モジュラーシンセファンがヘッドホンを付けて黙々とパッチングを開始。機材の上
にパッチケーブルが束で置いてある。
「自由につないで楽しんでください。
」ということだと理解する。
どんな音が鳴っているのか、実際に置いてあるヘッドホンで聞いてみる。
モジュラーフェスティバル初参加の私は、1台のシンセサイザーから2本のヘッドホンが出ているシ
ンセを触ってみた。同じシンセサイザーを初対面の人と触りながら「今、音なっていますか?」
「さっき
ブーンってなりましたよ。
」
「この穴つないでみましょうか。」
「音出ましたよ。
」
「ランプがついているモ
ジュールをつないだらいいんですね。
」
「音が出ましたね。」
「あれ、音が鳴らなくなりましたよ」と共同
でパッチングしてみた。音が出たとき、とても嬉しかった。
会場の様子
17:30-シンセサイザーライブの様子
音がレポートできないのが残念、皆さんそれぞれに迫力がありました。 機材を触らせてもらいました。
こんなに音が変わり、いろいろな音が作れることを実感しました。
シンセサイザーライブパッチング演奏
1本ずつケーブルが時間と共に増えていく。
これがモジュラーシンセサイザーの演奏方法。
プレイスタイルが違うと音も楽曲の作り方もまったく違う オリジナリティ
パソコンで出せない音をたくさん聴いた一日。
開場から3時間。パッチケーブルがシンセサイザーの上でカラフル
に絡み合う、ワクワクしながらヘッドホンで音を聴く。
「さっきの人
が聴いていた音と同じかな。このツマミを動かして聞いてみたら、
もっと面白い音に変わった!!」
世界中のシンセサイザー開発者がハンズオンで「この楽器ここを触ると音が変わりますよ。」
とおいしいコントロール方法を教えてくれた。つまみとケーブルがこの楽器を操る方法。
一見難しそうだが、触ってみてひとつわかったことがある。触ってみて音が鳴る=こんな
にシンプルでワクワクするシンセサイザーもあるのだということが分かった。
WCE メンバーの「KYOTO FESTIVAL Of MODULAR@@BUZZHALL、KYOTO
RESARCH PARK」体験レポート、出かけていって体験してはじめて感じることをレポ
ート。開場には女性のお客様も多かった。Dave Skipper 氏と畠賢一氏、あたたかく取材
に応じてくださった出展メーカーの皆さまありがとうございました。