マイクロカプセルを用いた細胞機能制御 - COE Initiatives for DESIGN

大阪大学基礎工学研究科
未来ラボ「デザインバイオニクス研究拠点形成」
マイクロカプセルを用いた細胞機能制御
大阪大学基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
境 慎司
動物細胞は、培養環境によって増殖性や機能発現が異なることが知られている。私の研究では、中空構造を有
するマイクロカプセルを用いて、培養環境をデザインしそれらを制御することを目指した検討を行っています。例え
ば、カプセル膜の物性をコントロールすることにより増殖性を制御したり、中空サイズを制御する( 50~1,000 µm
で精度良くコントロール可能)ことにより幹細胞(間葉系幹細胞やiPS細胞)の分化を制御することを試みています。
【細胞回収までのフロー】
細胞回収までのフロー】
カプセル製造速度:数十万個/h以上
本カプセルの特徴
・ 中空径の均一性が高い
・ 短時間に大量に製造可能
細胞包括ゲルビー
ズを作製
別の材質のゲルビー
ズに包括
内部のゲルビーズを
溶解させ中空とする
カプセル内の細胞挙動と特徴
作製直後
内部で細胞が
増殖
カプセル膜を分解
・ 容易・低侵襲に分解可能
カプセル膜による細胞増殖制御
2日後
10日後
細胞接着性カプセル膜
非接着性カプセル膜
200µm
21日後にカプセル分解
分解翌日
200µm
カプセル断面
非中空カプセル
非接着性カプセル膜
細胞接着性カプセル膜
細胞接着性の高いカプセル皮膜を用いると接着性細胞
200µm
100µm
中心部の細胞も生存
攪拌培養による
大量培養も可能
の増殖速度を向上させることができる。
その他の研究
ヒト骨芽細胞MG63
カプセル内で増殖
静電紡糸ナノファイバーの細胞培養担体としての高機能化
作製プロセスが穏和であり、さまざまな細胞に適用可能。
これまでに培養した細胞:ヒト肝ガン細胞(HepG2, Huh7), Hela細胞, ネコ腎由来繊維芽細胞
(CRFK), マウスES細胞, ヒト間葉系幹細胞, 神経幹細胞, ヒトiPS細胞など
細胞の三次元組織化により生体に近い各種応答を示す
と期待される。
薬剤スクリーニングなどへの利用
マウスES細胞
凍結保存
解凍直後
解凍3日後
生体外ヒト疾患病巣組織シミュレータシステムの構築
(未来ラボ:代表-木原先生(基礎工機能創成))
条件)
解凍11日後
Hela細胞
解凍直後
凍結保存液
通常培養培地
+10%DMSO
凍結方法
-80℃-1晩
→ 液体窒素
保存期間
マウスES細胞: 1週間
Hela細胞: 2ヶ月間
カプセル状態で液体窒素で凍結保存可能であり、必要な
時に必要な量を解凍して使用できる。
関連する主要
関連する主要な研究業績
主要な研究業績
Shinji Sakai, et al, Enzymatically fabricated and degradable microcapsules for
production of multicellular spheroids with well-defined diameters of less than
150 µm, Biomaterials, 30:5937-42, 2009.
Shinji Sakai, et al, Small agarose microcapsules with cell-enclosing hollow core
for cell therapy: Transplantation of ifosfamide-activating cells to the mice with
pre-established subcutaneous tumor, Cell Transplantation, 18:933-9, 2010.
Shinji Sakai, et al, Calcium-alginate microcapsules with spherical liquid cores
templated by gelatin microparticles for mass production of multicellular
spheroids, Acta Biomaterialia, 6:1446-52, 2010.
Shinji Sakai, et al, In-situ simultaneous protein-polysaccharide bioconjugation
and hydrogelation using horseradish peroxidase, Biomacromolecules,
11:1370-75, 2010.
特開2008-174510, 特願2009-146588.