GeMnTe/EuSスピンフィルタ型強磁性トンネル接合素子の研究

シリコンナノ加工と高品質真空利用技術に関する支援 (高品質真空利用技術に関する支援)
Engineering and academic support to Silicon nano fabrication technologies
and nano technologies utilizing extremely high vacuum
超微細加工領域における支援成果
山口大学
平成22年度 トピックス
G
GeMnTe/EuSスピンフィルタ型強磁性トンネル接合素子の研究
/
ピ
タ型強磁性
ネ 接合素
究
宇部高等専門学校
仙波 伸也, 松本 直樹
【研究目的】
新規な強磁性トンネル接合素子(MTJ)として、障壁層に強磁性絶縁体を用いたスピンフィルタ
型(SF-)MTJが注目されている。本研究ではキャリヤ誘起強磁性を示すⅣ−Ⅵ族強磁性半導
体Ge1-xMnxTe(GeMnTe)と強磁性絶縁体EuSを含むフルエピタキシャルなSF-MTJを設計・製作
し、良好な磁気抵抗(MR)比を得るために、その接合構造及び作製条件とMR比の関係を調べ
ることを目的としている。
【成
果】
Fig.1にGeMnTe/EuS/GeTe SF-MTJに対して得られたMR比の磁場依存性を示す。急峻な抵
抗変化が確認できるが、MR比は約4%とEuSのスピンフィルタ効率から予測される値に比べて小
さい。GeMnTeとEuSの直接的な接触による交換相互作用がMR比を低下させている可能性が
あるためGeMnTeとEuS間にGeTe非磁性層を挿入したSF-MTJ を作製した。Fig.2にMR曲線を
示す。挿入図は接合抵抗の温度依存性である。EuSのキュリー温度付近を境に増減の特徴が
変わっており、良好なトンネル接合が実現できていることを示している。磁場に対する応答はブ
ロードな変化になっているもののMR比は向上した。GeMnTeはp型であり、本研究により、p型
強磁性体を用いた構造におけるスピンフィルタ効果を確認することができた。
MR比の向上には両強磁性層の磁化の平行・反平行状態の遷移が重要と思われる。Fig.3は
GeMnTeをより高温成長させたSF-MTJの磁化特性を示す。挿入図はその微分曲線である。微
分曲線には大小2つのピークがみられ、磁化特性は2段ヒステリシスになっており、平行・反平
行状態の急峻な遷移が実現できていることを示唆している このことから成長温度により磁気
行状態の急峻な遷移が実現できていることを示唆している。このことから成長温度により磁気
特性を制御できることがわかった。今後、より詳細に接合構造及び作製条件とMR比の関係を
明らかにしていく。
Fig.1. Magnetoreistance
of
GeMnTe/EuS/GeTe junction at
12K.
Fig.2.
Magnetoreistance
of
GeMnTe/GeTe/EuS/GeTe junction
at 7K. The inset shows the
temperature
dependence
of
junction resistance.
Fig. 3. Normalized magnetization
of
GeMnTe/GeTe/EuS/GeMnTe
junction at 6K. The inset shows
the differential curve of M-H
characteristic.