2 点目として、公営企業会計決算についてお伺いいたします。公営事業

2 点目として、公営企業会計決算についてお伺いいたします。公営事業会計の内、水道事業会計決算
については水道事業経営懇話会が本年 2 月から開催され、先日、姫路市に対して 15%の値上げ案が提
出されたことは記憶に新しいものと思われます。水道事業会計に関しては、純損失で 57 億 8483 万 6 千
円という結果であり、また長期前受金戻入を除く経常収支比率でも 94.9%と既に経営困難な状況である
事は一目瞭然です。中核市の水道料金を比較した場合にも 1 か月 20 ㎥あたりの平均が 2620 円である
のに対し、2164 円と非常に安価であり、1㎥あたりの給水原価が 166.10 円に対して供給単価が 144.14
円と原価割れを起こしている状況にあります。今後、市民に安全な水を供給し続けるためには、価格改定
が喫緊の課題であるものと思われますが、今後の水道料金についての考え方について、どのようなスパン
で、どの程度値上げをしていく予定でしょうか。当局のご所見をお聞かせ下さい。
また、水道料金だけでなく、一般会計からの法令によらない繰出しによって財源不足の補填を行ってい
る状態である下水道事業会計に関しても、1㎥あたりの汚水処理原価が 167.3 円に対して使用料単価が
151.6 円と水道事業会計同様原価割れ状態となっており、受益者負担の面で考えると早晩値上げが必
要になってくるものと思われます。前述の法令によらない一般会計からの繰り入れを減少させる為には、
下水道事業会計についても見直しが必要な状況の中、下水道料金についても検討が必要と思われます
が、今後の値上げ等について当局のご所見をお聞かせ下さい。
また、現時点での水道・下水道合算で 2 か月に 1 度の請求で、両方を受益者負担の原則に従って値
上げした場合、毎月請求と実質的に同じ金額であっても、見た目の金額が一挙に増えてしまい、滞納を誘
発するおそれがあります。姫路市として、滞納による債権放棄を減らすための方策として、現在の 2 か月に
1 回の合算請求から毎月の請求に変更を行う、クレジットカードでの支払いに対応するなどの対策も考えら
れますが、当局のご所見をお聞かせ下さい。
<答弁>
下水道局に関することについてお答えいたします。
人口減少や節水機器の普及に伴う労金収入減少とまた施設設備の老朽化に伴う更新費用の増大等
によりまして、今後下水道事業の経営環境はより一層厳しさを増すものと予想されます。
そのため、収入面では入用地を活用した太陽光発電等により増収対策に努める一方、表面では効率
的な機器の運転や省エネ機器の導入などによる維持管理費の節減。コミュニティプラント及び集落排水
の公共下水道への接続統合事業の推進。更には施設の長寿命化対策等により経営合理化に取り組んで
参ります。
しかしながら、一般会計からの繰り入れが多額であることもあり、今年度中に作成予定の経営戦略の中
で将来見通しを明らかにした上で下水道使用料の値上げにつきましても時期を見極めながら、市民の皆
様にご理解を求めながら進めていきたいと考えています。
水道事業会計決算についてお答え申し上げます。
議員ご指摘の通り、平成 26 年度水道事業会計決算は 57.8 億円の純損失を計上いたしております。
純損失の主な要因といたしましては、特別損失が 62.4 億円となったことによるもので、その内訳は排水管
の減価償却方法の見直しによるものが 54.4 億円。退職給与引当金の計上等新会計基準の適用によるも
のが 8 億円となっております。
特別損失などの影響を除いた計上収支では、4.5 億円の黒字となっておりますが、新会計基準適用に
より生じた長期前受金戻入 9.3 億円を除いた実質的な収支では 4.8 億円の赤字となっております。
収支悪化の主な要因といたしましては原価償却費等の増による費用増加と水使用の減による給水収
益減少により供給単価が給水原価を割っていることによるもので安定した、事業運営に必要な料金水準と
なっておらず、経営の健全化に向けて水道料金の見直しが必要な状況でございます。
一方、安定給水を行うために必要不可欠な、水道施設や管路の老朽化が進んでおり甲山浄水場など
機関施設の耐震化と老朽管路の更新や耐震化にスピードアップして取り組んでいく必要があります。
このような中、持続可能な水道事業を実施するためには中長期的な視野で事業経営に取り組んでいく
ことが重要であるため、現在水道事業経営懇話会からの意見を踏まえ水道事業経営戦略の策定に取り
組んでいるところであります。この経営戦略の策定の中では、経営の効率化、投資費用の合理化を検討し
つつ中長期的な投資計画に基づく投資費用の試算を行っておりますが、水道施設や管路の更新等には
多大な費用が見込まれるため、その財源確保が大きな課題となっております。
財源の確保にむけては水道料金の改定と企業負債の発行水準について検討する必要がありますが企
業負債につきましては世代間の負担公平性の観点から一人当たり企業負債残高を維持していくことが重
要だと考えております。
また、水道料金につきましては経営努力に努めた結果平成 9 年より改定しておりませんでしたが、今後
の改定スパンにつきましては事業運営に必要な資金を確保し、経営健全化に取り組んでいくため、定期的
に見直していくこととし、改定水準につきましては経営懇話会からの 15%程度の労金改定が妥当という意
見を踏まえ、これをベースの平成 27 年度の改定に向け検討を進めて参りたいと考えております。
次に、滞納による債権放棄を減らすための方策についてですが、滞納による債権放棄の抑制に向けて
負担公平化の観点から督促や停水等による滞納整備の強化に取り組むとともに、民間委託している収納
業務では相手方の収納努力を評価するインセンティブ制度を新たに設け、更なる水道料金の収納率向
上に向け努めているところであります。
議員ご提案の納付頻度を現行の 2 か月ごとの納付から毎月納付に変更する点については、利用者の
負担感軽減という面では効果があると考えていますが、2 か月ごとの納付が困難である場合には現在相
談の上分割納付していただく手続きも行っています。
毎月納付に切り替えるためには料金システムの改修や検針などの収納業務に要する経費・金融機関
に支払う手数料の増大等が考えられることから現時点では困難であると考えております。
また、クレジットカード払いの検討につきましては一件あたりの振込手数料が金融機関で税抜き 5 円、コ
ンビニで税抜き 54 円であるのに対しクレジットカード払いの手数料は納付額の 1%程度と高額になります。
加えまして、料金の納付方法別におきまして現在口座振替が全体の 78%、コンビニ納付を含む納付
書での支払が全体の 22%を占めている状況の中でクレジットカード払いの導入は利用者の利便性の向上
にはつながるものと思われますが、収納率向上につながるものかどうかについては検証が必要なため、今
後先行導入した自治体の状況も含め調査研究したいと考えております。