Untitled

LCJ
LCJ
An Introduction to Probe
1
「今日はプローブについ
「ってことは、標準で付
て考えてみよう」
いてこない特別なオシロ
スコープもあるってこと
「プローブっていうとオ
シロスコープに付いてい
ですね。」
るケーブルですね。」
「タカシくんの深読み通
りだがその話は後にする
「測定する機械につない
で信号を取り出すのに使
として、このプローブは
何のためにあるのか分か
うのよね。」
るかな?」
「その通り。一般的なオ
シロスコープには、標準
「それはアンナさんが
言ったように、測定する
付属品として付いてくる
ほどに重要なアクセサリ
機械につないで信号を取
り出すためですよ。」
なんだね。」
2
An Introduction to Probe
プローブ
オシロスコープ
プローブ
An Introduction to Probe
3
スプリング・フック
( 矢型チップ)
オシロスコープ
グランド・リード
プローブの減衰率を検出するプローブ・リングに対応
したコネクタ
「そうなんだけど、測定
「そうだね。一般的なオ
「BNCコネクタが付いてい
するね。」
する機械につなぐだけな
らどんな電線でもいいの
シロスコープでは、バヨ
ネットタイプのBNCコネ
るだけでいいのなら、
BNCケーブルでもいいは
「でも、片方がBNCコネ
クタで、もう片方がワニ
だろうか。」
クタが入力コネクタとし
て付いているね。ああ、
ずだ。実際、発信器など
と接続する場合にはBNC
口クリップになっている
ケーブルでもいいんじゃ
「ウォルターさん、プ
ローブは何か特殊な機能
タカシくん、特殊な例は
後で話をするからね。」
ケーブルが使われるよ
ね。」
ないのかな。」
があるってことなんです
ね。」
「あの差してくるっとひ
「でも、プローブの先端に
「ウォルターさん、プ
ローブは外見だけでは分
「それなら知っている
ねるタイプがバヨネッ
トって言うんですね。」
はICや抵抗の足なんかに
引っかける部品が付いて
からない何か特殊な仕組
みがあると言うことなん
いるわ。」
ですね。」
減衰率を自動的に認識す
る機構のついたものもあ
「そうだね、あの先端につ
いている部品をスプリン
「その通り、タカシく
ん。ヒントは減衰率にあ
るね。」
グ・フック、日本語では
矢型チップとか言ったり
るんだ。」
よ。まず、オシロスコー
プと接続できるようにコ
ネクタが付いている。」
「ちなみに、プローブの
4
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
5
なぜ1 0 分の1 にする
必要が?
3.3V
1:1プローブは、BNCケーブルと同じ?
「そう言えば、プローブ
「そうね、今はICの電圧
「タカシくん。減衰しな
「そうなんだ。この1:1プ
を付けると電圧が10分の
1になるわね。」
なんかドンドン小さく
なっているから、10分の
いプローブも1:1プローブ
と言ってあることはある
ローブって言うのは、形
こそ通常のプローブと同
「それは、高い電圧でも
1にする理由なんかない
わよね。」
んだ。ちなみに、通常の
10分の1に減衰するプ
じだけれど、電気的には
片方がBNCコネクタで、
測れるようになっている
からじゃないのかい。」
「そうだよ。減衰しない
ローブは10:1プローブと
言うんだけど。」
もう片方がワニ口クリッ
プになっているケーブル
「そう、それも間違い
プローブがあってもいい
よね。」
じゃない。昔、真空管を
使っていた頃は測定する
電圧も高かったので、一
挙両得だったわけだ。」
と同じなんだ。」
「その1:1プローブには何
か欠点があるんです
ね。」
「やっぱり、10分の1にす
るところに秘密があるの
ね。」
6
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
7
通常のプローブは500MHz程度まで
「そうなんだ。ところ
「その調整って何のため
「そう、まずはオシロス
「そうね、プローブを使
で、プローブは調整が必
要だって知っているよ
にするのですか?」
コープ本体の周波数特性
を考えてみよう。」
うときには1MΩにしま
すね。」
ね。」
「そこなんだ。この調整
をすることでプローブの
「最近は、5GHzを越える
「その通り。1MΩにする
ものも出ていますよ。」
のは被測定回路に与える
影響を小さくするためだ
「それは入力インピーダ
ンスが50Ωの場合で、今
が、入力容量を小さくす
ることが難しいんだ。」
考えようとしている一般
的なプローブを使う場合
「入力容量を小さくする
「えっ調整しなきゃいけ
ないんですか?」
周波数特性を最適にして
いるんだ。」
「オシロスコープの校正
「周波数特性っていうの
信号につないでやる調整
のことですか?」
が鍵みたいね。」
とは違うんだよ。」
「さすがだアンナさん。
タカシくんの測定はあて
にならないね。」
ことができないとどうな
るんですか?」
8
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
9
オシロスコープ
50Ω
50Ω
1MΩ
1
15pF
f=
2*π*C*R
15pF
巻末解説* 1
「オシロスコープの入力
「オシロスコープの特性
「教科書に出てくるよう
「さっきの5GHzとはずい
の等価回路を書いてみる
と、1MΩの抵抗とその
試験では、信号発生器を
使うので、被測定回路の
な、単純なCRの回路です
ね。」
ぶんと差があります
ね。」
入力容量との並列回路と
表される。」
出力インピーダンスは50
Ωと考えられるから等価
「ではタカシくん、この
「そうだね。実際1MΩで
「実際の測定を考える
回路は上図のようになる
ね。」
図で入力容量が15pFだと
するとオシロスコープの
帯域を高くすることは難
しくて500MHzがまあ最
帯域はいくらになるか
な?」
高レベルと考えて間違い
ないね。」
と、それに被測定回路が
つながるわけですね。」
「えっと...1MΩは50Ωに
対して十分に大きいので
無視して、50Ωと15pFの
CRフィルタと考えれば、
212MHzになります。」
10
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
オシロスコープ
50Ω
同軸ケーブル
100pF
プローブ
11
オシロスコープ
9MΩ
1MΩ
1MΩ
15pF
15pF
「それとプローブはどう
「1:1プローブでは帯域が
「まず、この10:1プローブ
「また、容量ですか。」
関係するんですか?」
落ちるのは分かりました
が、10:1プローブには帯
の基本的な構造をみてみ
よう。図のように、9M
「そう、その容量を今度
域を落とさない工夫がさ
れているんですか。」
Ωの抵抗が直列に接続さ
れている。」
は利用するんだ。交流的
にはコンデンサによる電
「そこだ。1:1プローブは
BNCケーブルのようなも
のと話したけど、同軸
ケーブルは1mあたり
「そうなんだ。10:1プロー
「オシロスコープの入力
圧分割器を働かせるん
だ。」
100pF程度の容量がある
ので、100mのケーブルを
ブでも同軸ケーブルを用
いるので容量は増えるん
抵抗1MΩとの抵抗分割
で電圧が10分の1になる
「コンデンサによる電圧
つなぐと、150pFも容量
が増えることを意味する
だけど、うまくキャンセ
ルしているんだ。」
んですね。」
分割器ですか?」
「ところが、それは直流
の時だけで交流的には容
「さっきの9MΩの抵抗に
並列にコンデンサをつな
量成分を考えなければな
らない訳だ。」
ぐんだ。」
んだ。」
「それは、どんなふうに
「それじゃ帯域は、10分
の1以下になってしまい
ます。計算じゃ27.7MHz
まで落ちますよ。」
しているんですか?」
12
プローブ
An Introduction to Probe
ケーブル
An Introduction to Probe
オシロスコープ
9MΩ
150pF
1MΩ
13
プローブ・ ヘッド
のコンデンサ容
量を調整する。
15pF
18.3pF
巻末解説* 2
実際には、オシ
ロスコープ接続
部に調節ボック
スを設けて、こ
こで調節する方
が一般的
「コンデンサによる電圧
「ケーブルの容量もキャ
「そして、もうひとつ。
「ところで、プローブの
分割は容量に反比例する
んだから、15pFの9分の1
ンセルできるので帯域が
落ちないのか。こんな秘
9MΩに並列に入れたコ
ンデンサの容量が小さい
調整はどうなったんです
か?」
にすればいいんだな。」
密があったなんて知りま
せんでした。」
ので、結果的にプローブ
の入力容量が小さくなっ
「そうそう、オシロス
「ケーブルの容量も忘れ
ないで。全部で115pFだ
て被測定回路への影響を
小さく抑えることができ
コープの入力容量は少し
ばらつきがあるんだ。そ
からその9分の1で
12.8pFってことね。」
るんだ。」
こでそのばらつきに合わ
せてコンデンサによる分
「こうすると、周波数に
「小さなコンデンサが直
列に接続されるので、
割比を最適に調整する訳
なんだ。」
関係なく10分の1の減衰
率が得られるんだ。」
トータルの容量が小さく
なるんですね。そんなと
ころにも秘密があったん
ですね。」
14
An Introduction to Probe
コンデンサによ
る分割が支配的
An Introduction to Probe
抵抗による分割
が支配的
調整波形
15
周波数特性
巻末解説* 4
巻末解説* 3
「あの調整にはそんな目
「ところが、繰り返し周
「立ち上がりが鈍ってい
「これをちゃんと調整す
的があったんですね。で
も、どうして方形波を
波数は一定でも方形波の
立ち上がり部分は高周波
る時は、コンデンサでの
電圧分割、つまり交流の
しなければ、500MHzの
帯域が出ないのか、そ
使って調整するんです
か?」
成分を多く含んでいてる
のでコンデンサの働きが
電圧が小さくなるという
ことで帯域が落ちるんで
りゃ大事ですね。」
すね。」
「抵抗での電圧分割とコ
支配的になり、時間が経
つにつれて抵抗の働きが
「実は、ユーザーが調整
しているのは500MHzな
ンデンサでの電圧分割と
を合わせるて、周波数が
支配的になる。この方形
波が平坦になれば調整完
「すると、立ち上がりに
オーバーシュートがある
んかよりもずっと低い周
波数の部分調整なんだ。
変わっても電圧分割比が
一定になるようにするん
了というように、調整具
合が視覚的に分かり易い
のは逆に高域が持ち上
がっているということで
もっと高周波での調整と
いうのは、もう少し細か
だから、信号の周波数を
変えないといけないん
んだ。」
すね。」
なノウハウがあって工場
で調整されているんだ。
「その通り。だから調整
が重要なんだねタカシく
ユーザーは手を出せない
のでここでは割愛するけ
ん。」
れどね。」
じゃないんですか?」
16
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
17
9MΩ
プローブ
50Ω
BNCコネクタ
一般的なオシロスコープ
オシロスコープ
SMAコネクタ
広帯域オシロスコープ
巻末解説* 5
「ところで、後に回した
「それでSMAとかいうコ
「それに1MΩのように高
「ああ、電圧がすごく小
特殊なケースをお願いし
ます。」
ネクタが使われているん
ですね。」
いインピーダンスでは
500MH程度しか帯域が出
さくなってしまいます
ね。」
「そうだったね。プロー
「BNCコネクタのプロー
せないので、入力イン
ピーダンスが50Ω専用の
「通常の10:1プローブが付
ブが付属していないと
か、入力コネクタがBNC
ブはつなげないから付属
でつかないってのも納得
機械も多いんだ。」
属で付いてこない理由は
分かりましたが、どんな
じゃないという特殊な例
というのは、ほとんど帯
だな。」
「50Ωで通常の10:1プロー
ブを使うとどうなるんで
プローブが使えるのです
か?」
域が広いオシロスコープ
での話なんだ。帯域が
すか?」
3GHzを越えると、まず
BNCコネクタが使えなく
「プローブの9MΩと50Ω
とで抵抗分割するとどう
なる。コネクタの帯域が
足りなくなるからだ。」
なるかな?」
18
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
19
小型
広帯域
被測定物
オシロスコープ
高インピーダンス
FETプローブ内部回路
「よく知られているのは
「なるほど。ところでそ
「まず、比較的高価であ
「別のアプローチってな
FETプローブなどのアク
ティブプローブだね。」
の特徴は何ですか?」
ること。高い電圧は測れ
ないこと。静電気などで
んですか?」
「アクティブプローブと
「入力インピーダンスが
高くて帯域が広いのでプ
壊れやすいこと。などが
あげられるね。」
「オシロスコープが広い
帯域を持つ50Ωの時に使
FETプローブは同じもの
でしょ。」
ローブの理想に近いとい
うことだね。それに、IC
「それでもアクティブプ
うことを前提として、プ
ローブも作ればいいん
「アクティブ素子として
技術の発展で、小型化が
進んでいることもある
ローブは最も理想に近い
プローブと言えるのです
FETを使ったものをFET
プローブと呼び、それ以
ね。」
ね。」
外にバイポーラトランジ
スタを使ったものもある
「でも、欠点もあるんで
しょう?」
「総合的には、理想のプ
ローブに非常に近いと言
んだ。」
えるだろう。でも超高周
波信号に限れば、別のア
プローチも考えてみた方
がいいだろう。」
だ。」
20
An Introduction to Probe
プローブ
An Introduction to Probe
アクティブ
プローブ
21
低容量プローブの方がイン
ピーダンスが高い
450Ω
低容量
プローブ
50Ω
インピーダンス( Ω)
オシロスコープ
周波数(MHz)
巻末解説* 6
「じゃあ、9MΩの代わり
「タカシくん、インピー
「えっと、1GHzで計算す
「ああ、よく間違えてし
に450Ωにするってこと
ですか?」
ダンスとは何かな?」
ると、アクティブ・プ
ローブが159Ω、低容量
まうんだが、本当に高周
波の信号を観測する時に
「交流に対する抵抗のこ
とに決っていますよ。」
プローブが393Ωになり
ますね。」
は、注意が必要だ。」
「ただし、オシロスコー
プが低インピーダンスな
ので、さっきのように調
「そうだ、交流というか
「アクティブ・プロー
「でも、こんなにイン
ピーダンスの低くなった
整用のコンデンサは必要
ないんだ。」
らには周波数が何Hzとい
う条件が必要だね。ここ
ブっていうのは広帯域で
高インピーダンスってい
プローブを被測定回路に
つないでも大丈夫なんで
に1MΩで1pFの容量を持
つアクティブプローブと
うので、高周波までイン
ピーダンスが高いものだ
すか?」
「でも、ウォルターさ
ん。450Ωと50Ωとでは
500Ωにしかなりません
500Ωで0.25pFの低容量
プローブがあったとき
と思っていました。」
よ。これではインピーダ
ンスが低すぎて使えない
1GHzでインピーダンス
が高いのはどっちかな?」
じゃないですか。」
22
An Introduction to Probe
回路ブロックA
An Introduction to Probe
回路
ブロックA
回路
ブロックB
回路
ブロックA
回路
ブロックB
23
5 0 Ω系では低
容量プローブ
が有効
回路ブロックB
50Ω系では、低容量プローブは有効
高インピーダン
ス系には低容量
プローブは不適
「そう、それはとても重
「ってことは、インピー
「本当に、高速信号ライ
「プロービングですか」
要な点だね。500Ωが、
被測定回路にとって低イ
ダンスの高いCMOS回路
なんかでは高速信号が駆
ンしか測らないのなら非
常によい解決法と言える
「アクティブ・プローブ
ンピーダンスかどうか
は、その回路の駆動能力
動できないって事なんで
すか。」
が、やっぱり、CMOSの
ように高いインピーダン
がIC技術の発展で、小型
化していると話をしたよ
に対して考えなければな
らないね。非常に高速な
「そういうことなんだ
スの回路も見てみたいと
なると、プローブの交換
ね。それは、測定対象の
回路の小型化と無縁では
信号を駆動するには、と
ても大きな駆動能力が必
が、CMOSといっても、
50Ωを駆動できる、高速
が必要となる。このあた
りはアクティブ・プロー
ないんだ。」
要なんだ。一般的に、高
速信号が通る回路は、50
のものもあるので注意を
してくれ。」
ブの万能性が便利になる
ね。それと、これから話
「そうよね、最近のICは
ピッチが狭くなってきて
Ω系で設計を行ってい
る。50Ωに対してなら
「じゃあ、高速信号を見
をする、プロービングが
問題となってくるん
いるので、プローブを当
てるのにも本当に困るわ
500Ωのインピーダンス
は結構高いということに
るには、比較的安価な低
容量プローブがいいって
だ。」
ね。」
なるんだ。」
ことになるんじゃないで
すか。」
24
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
25
リード線のインダク
タンスが付け加わ
り、リンギングの原
因となる。
「なんだ、そんなことか
「最初に、プローブの容
「そう、その容量と複合
「プローブの容量とコイ
い。ICにはプローブを接
続するための専用クリッ
量が周波数特性に問題を
起こすといったよね。」
して起きる問題なんだ
が、このIC専用のクリッ
ル成分が共振回路を作っ
てしまう。すると、特定
プっていうのが付いてい
るじゃないか」
「今度も、その容量が問
プを繋ぐとなると、接続
用のリード線が必要にな
の周波数が増幅されてリ
ンギングが発生すること
るね。しかし、高周波的
に見ると、このリード線
になる。リード線は1cm
あたり10nH程度のイン
だよ実はね。」
はもはや単なる線ではな
くてコイル成分を持って
ダクタンスだから、8cm
のリードと15pFの容量と
「何が、問題なんです
か?」
いることになるんだ。」
なら、145MHzで共振す
る。」
題なんですか?」
「それが、くせものなん
「コイル成分ですか。そ
れってどう影響するんで
すか?」
「そんなことが起こるん
ですか。ではどうすれば
いいんですか。」
26
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
27
グランドを最短距離で接続する
アダプタ
「基本的には、リード線
「そうだね、例えば、プ
「ああ、これかい。これ
「そう、高周波信号の測
などを無くして、最短距
離でプローブと接続する
ローブのスプリング・
フックを取ると、針が出
はグランドになっている
んだ。グランドのリード
定では、よけいな容量や
コイル成分を発生させな
ことを考えなければなら
ない。」
てくるね。この針を直接
ICの足に接触させること
線もコイル分があるの
で、できるだけ短くする
いように最短距離で接続
するってことが重要にな
が必要になる。」
必要があるので、プロー
ブのアクセサリの中には
る。」
ローブを直接ICの足に接
触させることが必要にな
「ああ、なるほど。それ
でこの先のところが外れ
グランドを最短で接続す
るグランド・リードもあ
「そのためには、プロー
ブも小型であるほうが有
る訳なんですね。」
るようになっているんで
すね。ところで、このプ
るんだ。」
利って事なんですね。」
ローブの先にある金属の
帯は何ですか?」
「あっ、なんだ。これっ
て、こんな風に使うんで
「その通りなんだが、い
くつか問題がまだ残って
したか。」
いるんだ。」
「そういうことなら、プ
28
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
位置の微調整ができる高性能の
プローブ・ホルダ
間単にプローブの保持が
できるプローブ・ホルダ
29
実体顕微鏡
照明付き拡大鏡
「その問題って何です
「確かに、便利だけれど
「それは、接続する回路
「笑い事じゃないんだ
か?」
も、非常に高価だという
ことがネックになるね。
が細かすぎて肉眼で確認
することが難しくなって
よ、タカシ君。アンナさ
んの言うとおり、実体顕
「まずは、プローブの支
持という問題だ。ようや
もう少し簡便化した機構
のものでも充分役に立つ
きているということなん
だ。」
微鏡を使って測定してい
る例もあるんだ。でも、
く狭いピッチのICのリー
ドに接触させたとしても
のでそちらの検討をして
みるのも手だね。でも、
「そうなのよね、細かな
顕微鏡はやはり高価なの
で、拡大鏡付き照明など
それを測定中維持できな
ければならない。手で保
それ以外にも大きな問題
があるんだ。」
ところは実体顕微鏡など
を使ってる人も居たりす
は重宝するね。ちゃんと
対象物が見えさえすれ
持するのには限界がある
ので、なにかしら保持す
るわよ。」
「大きな問題って何です
ば、人間の手先は意外と
器用で、細かなところで
る機構が必要だ。」
か?」
「顕微鏡を使って作業を
するなんて、脳外科手術
も当ることができるん
だ。」
「微調機構もついたプ
ローブの支持器ってある
みたいですね。」
じゃないんだから。」
30
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
31
50Ω
50Ω
通常の10:1プローブ
1MΩ
15pF
高周波用の低容量プローブ
高入力インピーダンス機器の特性試験回路構成
応用の広いアクティブ・プローブ
巻末解説* 7
「いや、随分知らなかっ
「もう1つ重要なのはそ
「一般的には標準信号源
「そうなんだ。プローブ
たことが多かったなと反
省しています。」
のプローブをどうやって
測定回路とつなぐかとい
の信号を50Ωで終端をす
る。その終端抵抗にジグ
の特性というのは、こう
した測定の回路と同じ系
うことなんですね。」
を使って最短距離でプ
ローブを接続して計測を
でないと充分発揮しな
いってことが重要なんだ
スが高くて帯域の広いプ
ローブが理想ということ
「非常に良く出来たね。
プロービングには、経験
するんだ。」
ね。」
だけど、測定する信号の
性質をよく理解してプ
も必要だからね。でも、
失敗したら原点に戻って
「以前計算した、オシロ
スコープの例で、帯域を
「被測定回路系のイン
ピーダンスが高いと、帯
ローブ選びをしなければ
いけないということです
考えてみよう。」
計算し直すと、50Ωで終
端されているので直流
域が出ないこともあるっ
て事なんですね。」
ね。」
「原点と言えば、プロー
ブの特性はどうやって測
で、電圧が信号源の半分
になっているから、これ
るんですか?」
を基準にすると、あれ、
425MHzになりますよ、
「基本は、インピーダン
さっきは212MHzだった
のに。」
32
An Introduction to Probe
An Introduction to Probe
巻末解説* 1
50Ω
50Ω
500Ω
1MΩ
15pF
1MΩ
50Ω
1pF
1MΩ
5kΩ
等価的にC R フィル
タに置き換えられ
ます。この時のR
は、2 つの抵抗の並
列接続されたもの
になります。
15pF
1 M Ωは、5 0 Ωに対して充分大きいの
で、この並列接続の合成抵抗は、5 0 Ωに
非常に近いものとなります。CRフィルタ
のカットオフ周波数は、
1/(2πCR)なので
1/(2*3.14*15*10 -12 *50)=212*10 6
212MHzと計算できます。
実際の被測定回路につな
ぐと350MHz
15pF
計算してみてください。
「では、入力インピーダ
「あら、350MHzで-3dB落
ンスが1MΩと1pFで等価
的に表せるアクティブ・
ちてしまいますね。」
プローブで考えよう。」
「そう、被測定回路に
よってはプローブの帯域
9MΩ
「さっきの試験回路で考
えると、6.375GHzになり
を活かせないこともある
から、スペックだけを盲
18.3pF
ますね。これはすごい。
でも1GHzでインピーダ
信することは大事なこと
なんだ。」
ンスが159Ωに下がるん
でしたよね。」
「すごく、勉強になりま
「では、出力インピーダ
した。ありがとうござい
ました。」
ンス500Ωの回路と、入
力インピーダンス5kΩの
回路の途中の信号を見よ
るとどうなるかな?」
1MΩ
50Ω
1pF
50Ω
プローブの特性試験回路
では、6.375GHz
33
巻末解説* 2
100pF
1MΩ
15pF
抵抗による電圧分
割回路と、コンデ
ンサによる電圧分
割回路が合成され
ています。
9MΩ
1MΩ
12.7pF
115pF
抵抗による電圧分割比は、1MΩ/(1MΩ+9MΩ)で1/10
コンデンサによる電圧分割は、
1 / ( 2 πf* 1 1 5 p F ) / [ 1 / ( 2 πf* 1 1 5 p F ) + 1 / ( 2 πf* 1 2 . 7 p F ) ]でやはり
1 / 1 0 になります。
このように、抵抗による分圧比とコンデンサによる分圧比が同じであれ
ば、周波数に依存することなく分圧比を一定にすることが出来ます。
34
An Introduction to Probe
巻末解説* 3
方形波の立ち上がりでは、突入電流がコンデンサに流れ、抵抗にはほと
んど電流が流れません。従って、抵抗での電圧分割は機能せず、コンデ
ンサによる電圧分割で出力電圧が決ってしまいます。逆に、時間がたっ
てコンデンサがチャージされるてしまうと、ほとんど電流は抵抗に流れ
て、抵抗による電圧分割で出力電圧が決ってしまいます。各々の分圧比
が同じであれば、出力電圧は一定となります。
巻末解説* 4
計算式を使って説明すると、
電圧分割はR1とC1の合成イ
C1
ンピーダンスと、R2とC2の
R1
合成インピーダンスとで構成
される電圧分割器の分圧比を
R2
C2
求めることになります。
注意しなければならないの
は、リアクタンス成分は虚数であるということで複素数演算をしなければ
ならないということです。変形をすると、左の式のようになりますが、
R1C1の積とR2C2の積が同じであれば、R1に
掛かる分数の値は1となり、通常の抵抗分
割と考えることができます。コンデンサの
電圧分割が小さいということはC 1 が大きい
ということなので、R2C2の積に比べてR1C1の積が大きくなります。すると
R 1 に掛かる分数の値は1 より小さくなるので、分割比が抵抗によるものに比
べると小さなものになります。これは、周波数が高くなるに従って大きく効
くので、高い周波数で電圧が落ちることとなります。
An Introduction to Probe
35
巻末解説* 4
コンデンサの調整をすれば、周波数に関係なく減衰率が一定になるとい
う説明ですが、この調整は数十K H z 程度の周波数での調整なので、
500MHzのような広帯域を保証するものではありません。500MHzのような
広帯域を実現するには、使用するケーブルのインピーダンスを上げた
り、表皮効果の補正をしたり、マッチング回路に工夫をしたりと様々な
方法が取られています。ただ、複雑な回路構成を論じるのはプローブの
基礎の理解を目的とする本小冊子には適さないと考えました。詳しく知
りたい方は、CQ出版トランジスタ技術SpecialのNo.42などを参考にな
さってください。
巻末解説* 5
9MΩ
50Ω
C1
C2
通常の1 0 : 1 プローブは、オシロスコープの入
力抵抗が1MΩであると仮定して、この1MΩと
9 M Ωで作る電圧分割器として働きます。分割
比は1MΩ/(1MΩ+9MΩ)と計算され、10分の1
となるわけです。ところが、オシロスコープ
の入力抵抗が5 0 Ωであったとすると、この分
割比は、50Ω/(50Ω+9MΩ)と計算されるわけ
ですから、18001分の1という非常に大きな分
割比となってしまい、オシロスコープで観測
される波形が非常に小さなものになってしま
います。プローブは、オシロスコープの入力
インピーダンスとの組み合わせではじめて機
能する部品であることを忘れないで下さい。
36
An Introduction to Probe
巻末解説* 6
1MΩ
1pF
最も簡単な、プローブを先端から見た入力回
路の等価回路は抵抗とコンデンサの並列回路
と見ることが出来ます。この合成インピーダ
ンスの求め方は、左下の式で求めることが出
来ます。(
複素数計算であることに注意しま
しょう。) R が1 M ΩでC が1 p F であると、イン
ピーダンスが複素数なので、絶対値をとると
159Ωになります。Rを500ΩでCを0.25pFとし
て計算すると、3 9 3 Ωになることが分かりま
す。1 G H z になもなると、1 p F という容量の影
響が非常に大きいということが分かります。
抵抗の値よりも容量の方を気をつけなければ
ならないことが分かりますね。
巻末解説* 7
回路の入力端で5 0
Ωで終端されるの
でオシロスコープ
側は5 0 Ωと考える
ことが出来ます。
50Ω
50Ω
50Ω
50Ω
15pF
15pF
25Ω
15pF
すると、CRフィルタのRは50Ωと50Ωの
並列接続、つまり2 5 Ωとなりカットオフ
周波数は、
1/(2πCR)なので
1/(2*3.14*15*10 -12*25)=425*10 6
425MHzと倍になるのです。