【ポスターセッション】 13:00~13:30 (第 3 会場・国際会議室) 医療技術部門(リハビリテーション) -リハビリテーション部門- 慢性期片麻痺患者に対してボツリヌス療法を施行した 1 症例 《演者》 朝霞台中央総合病院 安本 誠志 【目的(はじめに)】 脳梗塞発症後に右片麻痺を呈し、歩行時の上肢の痙性による腹部の圧迫および不快感を訴えた患者様に対 し、ボツリヌス療法施行前後で、ADL や歩容に改善が認められるかを検証する。 【方法(内容)】 A 型ボツリヌス毒素製剤を希釈した溶液を、大胸筋、上腕二頭筋、長母指屈筋、深指屈筋および浅指屈筋の 筋腹に注射を行い、施行前後における FIM、MAS、歩容の評価を行った。 【結果(結論)】 MAS、歩容の改善は認められたが、FIM の改善にはつながらなかった。しかし、自身の訴えでは、歩行時の 不快感は軽減し、手指衛生のセルフケアも可能となった。また、家族による上着更衣動作の介助も円滑となっ た。 【考察】 ボツリヌス療法本来の目的は痙性筋の抑制であり、当該筋の随意収縮の改善を見込むものではない。本症例 では、拮抗筋の随意収縮は困難な状態であったと考えられ、痙性筋が抑制されても能力面では変化は見られ ず、FIM の評価尺度では改善を認めることができなかったと思われる。 第 51 回TMG学会
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