日常生活と災害時のユニバーサルデザイン 片岡 幸壱 私は、聴覚のハンディを持っています。日常生活上で思っている事・感じて いる事が有ります。 ≪電車・バスのアナウンス≫初めての場所は、案内の声・アクセントに聞き 慣れていないので、聞き取れない事が多いです。電光掲示板が無い駅で事故・ 遅れている時は、情報が得られません。 ≪携帯電話・FAX≫聞き取りにくいので、メールを利用しています。FA Xも必需品です。 ≪テレビ≫生放送の番組・ニュースなど字幕が無い時は、情報が得られにくい です。 ≪カラオケ・騒音のある環境≫30分したら5分は耳を休ませる為、静かな 場所(外に出るなど)に心掛けています。長時間いると騒音の音が耳に残り、 耳鳴り・聴力が低下する事が有ります。 ≪講演会≫手話が出来ない為、ノート・パソコンテイク(パソコンによる要 約筆記通訳)のサポートをお願いしています。普段は相手の口を見ながら口話・ ジェスチャーなどで会話。一番前の席でも部屋の大きさ・音響設備により、マ イクの音が反響し、聞き取れているのは1割ぐらいです。資料・パワーポイン トで補っているが、直接聞きに行く事も有ります。 ≪就寝≫補聴器を外している為、目覚まし音が聞こえません。宿泊時は、腕に 「バイブ目覚し器」をはめていますが、周りの人にも頼んでいます。 私自身、阪神・淡路大震災で約3ヶ月弱、小学校での避難生活も経験し、そ の時に困った事・感じた事が 「情報や避難を知らせる時は目で見て分かる様にして欲しい」 「地域の方との交流は大切」 「字幕放送のテレビが必要」 「筆談・手話が出来る様な環境を整えて欲しい」 「補聴器の新しい電池が購入出来にくくなって困った」 などでした。 避難所は色々なハンディを持った方がいるので、どのように情報を伝えるか日頃か ら話し合っておく事が重要であると実感しました。特に「地域の方との交流を深め て情報交換する」ことは非常に大切であり、積極的に取り組んでいく事が必要だ と思います。正確な情報が全ての障害者の方に行き届かない問題点が有ります。 将来、ユニバーサルデザインへの取り組みの機会を増やし、関心を高めるこ とで「みんなが安全・安心な社会となって、よりよい人と人とのつながり」に なることを期待しています。 私は現在、仕事と両立させながら学生時代より取り組んでいる防災を、ライ フワークとして続けております。「インクルーシブデザインワークショップ」(高齢者 や障がいのある人とともに、生活の中での困難や工夫に気づき、そこから多くの人に とって魅力的で機能的なデザインを生み出す試み)のリードユーザー(自分の経験、 普段の生活での困難や工夫を紹介する人)などに参加し、貴重な経験をしまし た。今後、災害時要援護者への配慮の必要性を多くの人々に呼び掛け伝えてい きたいと思っています。 インクルーシブデザインワークショップでの片岡さんs
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