「人輝く、食の未来」 の実現に向けて

「人輝く、食の未来」
の実現に向けて
代表取締役社長
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おける国内景気は緩やかな回復基調が見られ
社会課題への取り組み
方々は食の選択肢が限られるばかりでなく、命
2015年末には、パリで開催される国連気候
の危険にさらされることもあります。このような
変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に
課題認識から、当社は1996年より食物アレル
て、世界の気候変動・温暖化対策の大枠が協
ギーの研究をスタートし、2015年には食物ア
議される予定です。ニッポンハムグループは、
レルギーの研究・啓発活動を公益性の高い社
地球温暖化防止に向けて、自社だけでなくサプ
会貢献活動として推進するため、
「一般財団法
ライチェーン全体におけるCO 2 排出量の把握
人 ニッポンハム食の未来財団」を設立しまし
に努め省エネ活動を推進します。そして限りあ
た。食物アレルギーの研究・啓発活動に特化し
る資源を次代に引き継ぐべく、省資源、再資源
た財団法人で専門的に活動することにより社
化にも積極的に取り組んでまいります。
会課題の解決に貢献してまいります。
私たちニッポンハムグループにとりまして、
また、ニッポンハムグループの事業は家畜の
CSRとは環境への取り組みを含めたコンプラ
生 命を育 むところからスタートしています。
イアンスを基盤とし、社会課題の解決に向け
い の ち
生 命の恵みを大切にし、食肉のみならず脂、
て、事業活動を活かし少しでもお役に立てる活
骨、皮などの畜産副産物を余すことなく活用す
動を推進すること、すなわち経営そのものであ
ることは、私たちが大切にしている考え方であ
ると考えています。
り、同時に食に携わる企業の責任であると認識
これらの活動を推進し、企業が持続的に成
しています。この考え方は、社内のみならず、全
長するためには、会社が従業員にとって活き活
国で行っている食育活動を通して広く啓発を
きと活躍できる場であることが欠かせません。
行っております。私たちは、生命の恵みを大切
ニッポンハムグループは企業理念にある「従業
にして、企業理念である「食べる喜び」を世界
員が真の幸せと生き甲斐を求める場」として存
の皆様にお届けすることで、楽しく健やかなく
在するために、人を大切にして、それぞれの能
らしに貢献してまいります。
力が発揮できる環境を作ってまいります。
るものの、デフレの脱却には道半ばの状態にあ
事業を展開する上で特に重要な社会課題
ります。また、TPPに関する交渉も大詰めを迎
は、気候変動による穀物収穫量の減少や家畜
最後になりますが、次代に託す未来を豊か
え、経済のグローバル化が大きく加速するとと
の疾病、新興国における食肉需要の増加など、
なものにするため、ステークホルダーの皆様と
もに、新興国を中心とした世界人口の増加によ
安定的な食糧供給が困難になる可能性がある
り、原料調達の逼迫が予想されます。
ことです。また、昨今の食の安全に対する信頼
このような中、ニッポンハムグループは「変
の失墜も大きな課題であると認識しています。
革による骨太なビジネスモデルの構築」をテー
私たちは食をお届けする企業の責任として、
マとした、
「新中期経営計画パート5(2015 年
フードディフェンスにも注力し、国内外の品質
度~2017年度)」を発表しました。これまで取
保証体制を一層強化してまいります。また、安
り組んできた「品質No.1経営」をより高次元で
全で安心な商品を安定的に調達するとともに、
とらえ、国内事業の競争優位性の確立とグロー
品質に妥協しないものづくりにも注力してまい
バル企業への加速を目指してまいります。
ります。
の対話をさらに深め、ともに社会課題の解決に
1
取り組んでまいりたく、今後ともご支援を賜り
ますようお願い申し上げます。
2
も り
1 環境への取り組み(みんなの森林)
→関連P.22
2 スポーツの取り組み(鎌ヶ谷スタジアム)
→関連P.13
3 海外事業の取り組み(ワイアラビーフ ワイアラ牧場)
→関連P.55
3
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Nipponham Group
Social and Environmental Activities 2015
Nipponham Group
Social and Environmental Activities 2015
ニッポンハムグループを取り巻く経営環境に
持続可能な社会の実現に向けて
社会課題があります。食物アレルギーを持つ
トップメッセージ
トップメッセージ
日本ハム株式会社
加えて、食物アレルギーの増加という大きな