脳卒中のリハビリテーション①

脳卒中の
リハビリテーション
竹内
復習問題
Q1
大腿骨頸部骨折の手術方法を
決定する大きな基準(分類)を
述べてください。
Q2
大腿骨頸部骨折患者の
受傷から在宅療養までの
一般的流れを述べてくだ
さい。
Q3
大腿骨頭置換術患者
の各手術法の脱臼肢
位を述べてください。
1、後側方アプローチ
2、前側方アプローチ
Q4
大腿骨頸部骨折患者
の合併症および根本的
原因を述べてください。
Q1
大腿骨頸部骨折の手術方法を
決定する大きな基準(分類)を
述べてください。
分類
• 大腿骨頚部骨折というの呼称は広義のも
のであり,大きく2つに分かれる.
• 大腿骨頚部骨折(大腿骨頚部内側骨折):
関節包内骨折.
• 転子部骨折(大腿骨頚部外側骨折):関節
包外骨折.
Q2
大腿骨頸部骨折患者の
受傷から在宅療養までの
一般的流れを述べてくだ
さい。
頚部骨折患者の流れ
• 内側型
• 外側型
診断
手術
リハビリ
• 人工骨頭置換術
• 髄内釘
• ピン固定
• 急性期リハ
• 回復期リハ
• 在宅リハ??
患者の流れ
診断
• 内側型
• 外側型
手術
• 急性期(2〜3週間)患部の管理と全身状態の管理
• 回復期(3ヶ月)生活に密着したリハビリテーション
リハ
在宅
• 外来通院
• 訪問リハ
• 療養マッサージ
いったい目的は何なのか??
Q3
大腿骨頭置換術患者
の各手術法の脱臼肢
位を述べてください。
1、後側方アプローチ
2、前側方アプローチ
手術アプローチと禁忌肢位
• 後側方アプローチ
→大腿筋膜の切開、梨状筋、短外旋筋群の切離、
関節包のT字切開。
→股関節屈曲・内転・内旋
股関節屈曲・内転・内旋
• 前側方アプローチ
→大腿筋膜の切開、中殿筋と大腿筋膜張筋の間
を侵入、関節包のT字切開。
→股関節屈曲・内転・外旋
股関節屈曲・内転・外旋
Q4
大腿骨頸部骨折患者
の合併症および根本的
原因を述べてください。
大腿骨頚部骨折
〜廃用が生じているタイプ〜
• そもそも大腿骨頚部骨折を受傷する高齢
者は元々身体廃用を伴っているとして考
えて治療に臨む。
• 転倒予防を前提に治療を遂行していく。
• 拘縮はどこの組織の制限かを把握して
治療していく。
• 脳血管障害が合併併発している。
大腿骨頸部骨折の合併症
合併症①
• 深部静脈血栓症(DVT)
• 静脈血栓症(VTE)
• 肺塞栓症(PTE)
• 術後1週間のD-dimer値が10μg/mLを超えた
場合にDVT発生の可能性が高い
• 早期歩行及び下肢の自動運動を行うことで
血栓形成を最小限抑制することができる
合併症②
• 80歳以上の高齢者の合併症
• せん妄
• 低血圧
• 低酸素血症
• 難聴患者において、術後せん妄を生じる原因
のひとつである。
合併症③
• 人工骨頭置換術を受けた症例の4.5%に重篤
な呼吸・循環系の合併症リスクがある
• 呼吸・循環合併症発生原因は、脂肪による肺
塞栓症や脳梗塞と、深部静脈血栓症剥離に
よる肺塞栓症の2つであった。
リハビリ中止基準
日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会:リハビリテーション医療における安全管理・推進の
ためのガイドライン、医歯薬出版、2006より
リハビリ中止基準
日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会:リハビリテーション医療における安全管理・推進の
ためのガイドライン、医歯薬出版、2006より
予後及び生命予後
• 大腿骨転子部骨折のみの生命予後に関する文
献は少ない。
• 大腿骨頚部/転子部骨折後の死亡率は、術後
3ヵ月では5.1~26%、6ヵ月では12~40%、1年
では11~35%である。
• 死亡率を高める因子は、高齢、長期入院、受傷
前の移動能力が低い、痴呆、男性、心疾患、
BMI低値(18 kg/m2未満)、術後車椅子または寝
たきりレベル、骨折の既往などである。
• 術前の生活が自立していたものは死亡率が低
い。
浮腫に対する対応
• 基本的な足のむくみは全身の血流の停滞で起こってくる。
血流の停滞が血管外に水分が透過され、浮腫や尿量減
少による体重増加となるため、循環の改善が必要。
• 腎機能の低下→自覚症状がないため、専門の医師による
診察が必要
• 下肢静脈血栓症や下肢静脈瘤→これは血流を促してしま
すことで心筋梗塞や脳梗塞を誘発してしまう可能性がある
ため、マッサージ等は禁忌となる。医師による診察を勧め
る
• うっ血性心不全→心臓の機能が低下している状態で急激
に心臓への血流量を増加させてしまうため、マッサージ等
は禁忌となる
慢性期の術後患者の合併
• 転倒して骨折した患者は再転倒する可能性
が高いことを認識しておくことが重要。
• 術後、活動量の低下から廃用症候群を合併
する可能性があることを認識しておく。
• 活動範囲の狭小化により、認知機能が低下
することがある。
脳卒中のリハビリテーション
竹内
Q1
末梢神経麻痺と中枢神経麻痺の回復
の特徴を図を用いて説明してください。
末梢性麻痺
(量的変化)
0
中枢性麻痺
(質的変化) 痙性
固縮
連合反応
Ⅰ
1
Ⅱ
2
Ⅲ
3
Ⅳ
Ⅴ
4
5
(正常)
Ⅵ
共同運動の
完成
Q2
連合運動・連合反応・共同運動を
説明してください。
身体の一部に、ある運動をさせたときに、
それとほぼ対称的な部位に筋の収縮が
起こることをいう。
上肢では対称性。下肢では内外転につ
いては対称性、屈伸については相反性
であることが多い。
痙性麻痺に現れ、連合運動が助長された形で現れる。
身体の一部の運動が身体他部位の運
動を不随的に引き起こすことを言う。
歩行時の上肢の振り子運動も生理学
的連合運動である。
連合運動を利用した運動療法もある。
ある運動を行う際にその運動に必要な動作
筋だけが働くことができず、その共同筋も
同時に働いてしまう現象をいう。
これは高位中枢からの運動コントロールが
低下した結果として考えられている。
障害された上位中枢が改善されるにしたが
い、共同運動は弱くなり、分離された運動
が可能になる。
Q3
脳血管障害を診る上で竹内が必ずうこなうよう
に言っている評価は何ですか?またその理由
は何ですか?
Q1
Brunnstrom stageⅢ患者におけるリハビリテー
ションの禁忌と方針を下記のキーワードを用い
て説明してください。
痙性・共同運動・分離運動
末梢性麻痺
(量的変化)
0
中枢性麻痺
(質的変化) 痙性
固縮
連合反応
Ⅰ
1
Ⅱ
2
Ⅲ
3
Ⅳ
Ⅴ
4
5
(正常)
Ⅵ
共同運動の
完成
BRSⅢの概要と禁忌
• 麻痺の回復段階において、最も痙性が高まる
時期
• この時期に痙性を助長してしまうような運動
や動作は禁忌となる
例えば…
・非麻痺側での過剰努力(寝返りや起き上
がり等)
・カールレイズ(Gastroの痙性助長)etc…
身体的特徴
•
•
•
•
筋緊張亢進
連合反応が出現しやすい
共同運動パターンでの動作
装具は筋緊張に合わせて処方する
筋緊張(高>低)
SLB>SHB(5mm,4mm,3mm)
>継手付きSHB(オクラホマ,タマラック)
>オルトップ
Q2
Brunnstrom stageⅡ患者におけるリハビリテーション
の方針を下記のキーワードを用いて説明してください。
弛緩性麻痺・筋緊張・基本動作
末梢性麻痺
(量的変化)
0
中枢性麻痺
(質的変化) 痙性
固縮
連合反応
Ⅰ
1
Ⅱ
2
Ⅲ
3
Ⅳ
Ⅴ
4
5
(正常)
Ⅵ
共同運動の
完成
身体的特徴
• 弛緩性麻痺であり、随意収縮は認められない
• 脳では出血や梗塞範囲は広範囲
• 6ヶ月以上経過している場合の麻痺の回復は
ほとんど認められない
• 感覚障害や高次機能障害の合併
• 上肢はアームスリング必要
• 下肢は立位以上の動作ではLLBが必要
治療のポイント
①基本動作能力の獲得
②座位自立の獲得
③立位・歩行訓練を積極的に
④非麻痺側の機能維持
※ADLの介助量軽減が目的
(更衣動作や移乗動作など)
※非麻痺側の筋力維持とバランス能力の向上が
重要!
①基本動作能力の獲得!
•
•
•
•
麻痺側の忘れに注意すること
体幹筋の促通
寝返りしやすい動作を見つける
柵を引っ張るなどの代償動作を使っても寝返り
の獲得を目指す
• 起き上がり動作はカウンターウェイトが重要
※基本動作の獲得は介助量の軽減はもとより、褥
瘡を作らないために非常に重要であることを理
解する
②座位自立の獲得!
• 体幹筋の促通
• 立ち直りの再獲得
• 麻痺側への荷重
※座位を安定させること(座位訓練をおこなうこ
と)で、体力の維持や自律神経を整える効果
が得られる
③立位・歩行訓練を積極的に!
• LLBまたはSLBを使用する必要がある
• 感覚入力
• 麻痺側への荷重を促すことで、体幹や下肢へ
の収縮を促す
※基本的に臥床時間が長いため、外部刺激が
著名に低下しているため、立位をとることで外
部刺激↑し、認知機能面の低下の予防にも
繋がる
④非麻痺側の機能維持
• 筋力強化
• バランス能力の維持と向上
※非麻痺側の筋力は個別筋へのアプローチと
立位や歩行などの動作による機能維持及び
向上を目的に行う
Q3
Brunnstrom stageを検
査する意義を答えてく
ださい。
末梢性麻痺
(量的変化)
0
中枢性麻痺
(質的変化) 痙性
固縮
連合反応
Ⅰ
1
Ⅱ
2
Ⅲ
3
Ⅳ
Ⅴ
4
5
(正常)
Ⅵ
共同運動の
完成