2014 年度 スプリングプログラム

14 日間のスプリングプロジェクトを終えて
東北工業大学
工学部 建築学科・2 年
林 瑞紀(はやし みずき)
今回の留学目的は「英語を使って異文化について学ぶこと」と「TNI の学生さんたちと
交流を深めること」の 2 つである。結果から述べると 2 つとも達成できた。しかし、達成で
きるまでにいくつかの困難点もあった。
まず、初日の授業では英語が全く聞き取れなかったことと周りの留学生の語学水準
が高かったことである。私は初日から緊張して自信を失いかけた。それは授業だけで
はなく TNI の学生さんたちの英語のレベルについても同じことが言えた。それから毎日
耳を慣らそうと授業に耳を傾け先生に当てられたとき辞書を使ったりして英語で答えた
り TNI の人たちとできるだけ意思疎通をとろうとした。1 週間ほどすると耳も慣れて 6 割
ぐらいは聞き取れて自信もついてきた。何より大切なことは「理解できなくても理解しよ
うとする姿勢」と「間違ってもいいから積極的に話してみること」だと感じた。
次に授業の最終日に発表するプレゼンテーションである。プレゼンテーションの内容
は日本とタイについての文化の違いや企業進出についてだった。3 人で1つのグルー
プの発表だったが私は 1 人だけであった。ただ、最初から最後まで1人で作業したわ
けではなく、1 人が内容を考えてもう1人が日本語でプレゼンテーションを作り、残った
1人が英語でプレゼンテーションをつくってみんなで前に出て発表するというのが私の
グループの方針だった。しかし、他の2人は早めに帰国したり先日食べた海鮮物にあ
たり病院送りになったりで予定が狂ってしまうことも多々あった。ただ、1人でプレゼンテ
ーションをして自信がついたという点では私にとっては良かったのかもしれない。
その他にも大変だったことはたくさんあったが講義での異文化については終盤にか
けて 8 割程度理解できるようになりその文化の違いを認識することの重要性も知ること
ができた。そして、毎日 TNI の学生さんたちと放課後に交流することで、タイにある観
光名所や有名なお店などに連れて行ってもらい、いろんな場所を見て回ることができ
た。そしてお別れ会ではタイのダンスを踊り写真もたくさん撮りあい、思い出をつくるこ
とができ親交を深めることもできたと思う。
続いて、留学、学習、国際理解への意欲に関して留学前後の意識の変化について
書いていく。
私は留学については特にとても前向きに考える様になった。
今回のタイのスプリングプロジェクトを通して言語の障害、文化の違い、食の違い、
予定が狂ったことも全て良い教訓になったと感じたからである。それだけではなく、現
地の人たちとの交流が楽しかったというのもある。更にプロジェクトに参加した日本人
の学生さんとの交流で、たくさんの話を聞けたことを含めてとても有意義だった。私は
最初、日本を出る際に自信が無かった。なぜなら英語力に自信がなく海外での対応
の仕方も知らず、またあらかじめタイの滞在先の周りの環境についても知らなかったか
らである。タイでは英語も話せない人もいたがアドリブでなんとかなったりすることもあっ
た。思い出せば語りつくせないほどの経験をした。日本に帰ってきた時には他国の生
活をやり遂げたという自信も得られた。その自信はその後の生活に反映されている。ま
た、小さい悩みを気にしないようになった。これはタイでたくさん失敗したおかげだと思
う。以上を振り返ってみると今までの人生の中で一番為になった 2 週間であったことは
確かであろう。ゆえに、私は今後も留学には積極的に参加しようと思っている。
最後に今後の長期留学についての意欲について述べる。
私は留学を前向きに考える一方で注意すべきこともあると思う。そのひとつは「治安」だ。
確かに、留学では知識や経験以上にたくさんの見聞や文化、食などについて学べて
自分にとっては良い方向性があるように思えるが、治安について正しい認識を持ったう
えで留学をしたいと思っている。それは自分のためでもあるが、何より海外で事件に巻
き込まれたら大学だけではなく国に迷惑をかけるからである。
次に注意すべきことは、「あらかじめ留学先の文化について学んでおくこと」である。
これは今回のプロジェクトで実際に受けた文化間の違いによってショックを受けた人も
いたからである。その留学先の文化を正しく認識していれば傷付かずに済んだという
のが私の見解である。
以上を踏まえた上で私は今後、機会があれば長期留学をしたいと思っている。東北
工業大学の留学先については詳しく分からないが私は建築学科なのでアメリカのイリ
ノイ大学の留学を強く希望する。もし可能となった場合には、アメリカの文化について
あらかじめ知り、イリノイ大学付近の街の治安や観光地など積極的に調べた上で、勉
強も頑張り向こうの学生さんとの交流をしてみたいと考えている。
林 瑞紀:右から 2 番目、下河辺真太郎:一番右
TNI スプリングプログラムの活動報告
スプリングプログラムの活動報告
東北工業大学
ライフデザイン学部 経営コミュニケーション学科 2 年
下河辺真太郎(しもこうべ しんたろう)
1. 留学目的の達成度
今回のタイ留学において、私が目標としていたものは、英語でのコミュニケーション
能力の向上と国際経営の講義を通して知識を深めることであった。
まず、英語でのコミュニケーション能力の向上について述べる。2週間授業を受けた
TNI(泰日工業大学)では、授業や同校の学生とのコミュニケーションがほぼ英語であ
った。私は今回の留学が初めての海外経験であり、周りの日本人学生と比べると英語
を話すことが上手ではなかった。しかし、ボディーランゲージや表情などの非言語コミ
ュニケーションを使ったり、覚えている単語を使ったりして先生や学生とコミュニケーシ
ョンを取ることができた。そのようなことを2週間続けることによって、英語でのコミュニケ
ーション能力が向上した。
次に国際経営の講義を通して知識を深めることについて述べる。今回は授業日数
が9日間あり、毎日3時間程の講義があった。その講義の中で、東北工業大学で学ん
でいなかった国ごとの経営理論の違いなどについて学ぶことができた。また、タイの企
業の工場を見学し、見聞を広げることもできた。さらに、授業で学んだことを生かして、
グループワークを行い、最終日の講義に英語でプレゼンテーション発表を行った。こ
れにより、英語で発表する力をつけることもできた。
2. 留学、学習、国際理解への意欲に関する留学前後の意識の変化
留学に行く前は長期休暇で時間に余裕があり、英会話同好会の活動の中で海外に
行ってみたいと思っていた。今回の留学で日本では経験できない体験をたくさんした
ことにより、様々な国に行ってみたいと思うようになった。それにより、英語力をつけた
いと強く思うようになったことが変化として挙げられる。
3. 今後の長期留学の意欲
今回のプログラムを通して、これから海外留学をしたいと思うようになった。海外に行
って異文化について学ぶことや英語力を向上させることができるとわかった。特に英語
力については日本にいて英語を学ぶより格段に上達すると思った。今後の予定として
は、英会話同好会の活動に参加し、夏休みに留学できる機会があれば行ってみたい
と考えている。
4. タイ留学中の出来事のまとめ
上記3項目以外でタイ留学において経験したことについていくつか述べる。
1つ目はタイと日本における文化の違いに驚いたことである。例えば、タイのコンビ
ニエンスストアでは、日本と同じようにビールやウイスキーなどのアルコール飲料が置
いてあるが、購入できる時間帯が決まっており、11 時~14 時と 17 時~24 時の間のみ
購入することができる。(写真1)また、タイでは日本と異なり、水道の水を飲むことがで
きない。そのため、スーパーマーケットの飲料水売り場が日本に比べ、かなり広くなっ
ている。(写真2)その他にも、車の交通マナーの違いや屋台文化であることなど、タイ
に来て最初の数日は日本との違いにかなり戸惑った。
2つ目はタイの寺院を見学したことにより、仏教について詳しく知ることができたこと
である。タイは仏教国であり、バンコク周辺にはたくさんの寺院があった。それらを見学
する際には短パンやサンダルは原則禁止であり、場所によっては写真撮影禁止など
かなり厳しい決まりがあることがわかった。また、タイの人々は毎日決まった時刻にお
祈りをするなど宗教があまりない日本との違いを体験することができた。
3つ目は日本の他の大学に在籍している学生と交流できたことである。今回のプロ
グラムは現地集合・解散であったため、北海道から関西までの様々な大学の学生が参
加していた。その中には中国人や韓国人の留学生も何人か参加しており、その人たち
とも交流することができた。参加者の中には今回のプログラムの前にも留学経験がある
人もいて、その人たちからほかの国の話も聞くことができ、今後も留学してみたいと思
えるようになった。
5. TNI の学生との今後の交流
今回の留学の後、4月中旬から2ヶ月ほど TNI の学生が2名、東北工業大学に留学
することになっている。私の学科とは異なる工学部に配属されるが、英会話同好会のメ
ンバーと交流したり、近くの観光名所(松島・山寺など)に案内したりできれば良いので
はないかと考えている。TNI の学生と交流することにより、自らの英語力を高めることに
もつながると考えているため、彼らが来日した際には積極的に交流していきたいと思
う。
写真 1:コンビニエンスストアのアルコール規制
写真 2:スーパーマーケットの飲料水売り場