海外安全対策情報(平成27年4月~6月期) 1 社会・治安情勢 ラジャオナリマンピアニナ大統領が就任して1年以上が経過しましたが、未 だ経済状況・貧困問題・国民生活の改善等目に見える成果は乏しく、マダガス カル国民及び国際社会は現政権が推進する各種施策の進展を注視しています。 今期は大規模な反政府デモの動きは見られませんでしたが、4月中旬、アン バトビ・プロジェクトの労働組合によるストライキが発生、また6月中旬頃か らはマダガスカル航空組合によるストライキが継続しており、国内線及び国際 線とも限られた便数のみ運航されている状況です。このマダガスカル航空のス トライキ長期化は当国主要産業の1つである観光業を中心に、当国経済に多大 な影響を及ぼしていると指摘されています。今後これらを背景とした治安情勢 の悪化には引き続き注意が必要です。 2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向 (1)上記社会・治安情勢を背景に、一般犯罪は引き続き高い発生率で推移して います。暫定政権時代に国軍などから流出した火器、密造銃器や手製爆弾を 用いた事件に加え、昨年頃から外国人富裕層をターゲットとした誘拐事件が 多発しています。 (2)邦人被害 観光客の多い首都アンタナナリボ市内の独立大通り周辺において、夜間、 複数の警察官が検問と称して邦人観光客を車から降ろし、パスポート等を確 認するとしつつ、金銭を要求、支払うまで執拗に要求を繰り返し、進路を阻 むといった事案が発生しています。たとえ要求額が少額であっても毅然とし た態度で断ることが重要ですが、逆に金銭の支払いを拒み続けることで状況 が悪化し、危険な状況に陥るケースもありますので、状況に応じて臨機応変 に対応する必要があります。特に深夜に少人数で行動する際には十分に注意 して行動してください。 (3)邦人以外の被害事案 スリ・ひったくり等の一般犯罪は引き続き多発しています。又、当国では、 以前から一部のインド・パキスタン系などの実業家(フランス国籍者を含む) が財を成していると目されてきており、これら外国人を標的とした強盗、身 代金目的の誘拐事件が引き続き発生しています。 3 テロ・爆弾事件発生状況 当地ではイスラム過激派等のテロ組織の存在は確認されていません。 ただし、一般犯罪の手口として、手製爆弾や手榴弾を用いる事件が時折発生 しています。 4 誘拐・脅迫事件発生状況 (1)邦人被害事案 邦人が標的となる誘拐・脅迫事件は発生していません。当地では一般的に マダガスカル国民の対日感情は良好であり、日本人が特定の標的となる背景 はありません。ただし、貧困問題を背景に金銭目当ての犯罪が多く発生して おり、常に身辺に対する注意を怠らないよう留意する必要があります。 (2)邦人以外の被害事案 当地における外国人誘拐事件の被害者は、インド・パキスタン系実業家(フ ランス国籍者を含む)及び中国系人で、身代金の支払い要求に応じて人質が 解放されるケースがほとんどです。 5 日本企業の安全に関わる諸問題 従前より、一般的にマダガスカル国民の対日感情は良好と言われており、日 本企業の安全に関して特段問題となる事案は見られません。(了)
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