9月号 遺言書のススメ

山根会計事務所
山根所長
〒860-0801
熊本市中央区安政町 8-16 村瀬海運ビル 6 階
TEL:096-342-6307
FAX:096-342-6308
URL:www.yamane-tax.net
9 月号です!
遺言書のススメ
政府・与党は7月、有効な遺言による相続を条件に、一定額を相続税の基礎控除に上乗せして控除する「遺言控除」を新設す
る方針を固めました。遺言を普及させて遺産相続をめぐる紛争を抑止し、若い世代へのスムーズな資産移転を図るほか、在宅介
護の促進などを目的として、早ければ平成29年度税制改正での実施を目指しているようです。その控除額については、数百万
円を軸に検討されております。今回は、その遺言書については、簡単にご説明したいと思います。
1.遺言書の種類
費用は必要ですが、無用なトラブルや被相続人の思いを確実に伝える意味でも公正証書遺言がお勧めです。
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
作成方法
・本人が自筆で作成
・日付、氏名、押印(認印でも可)が必要
・遺言者が作成後、日付、氏名、押印後、封をする
・本人が口述し、公証人がそれを筆記作成し、最終的 (このとき、同じ印で封印する)
に本人、証人(2人)、公証人が署名、押印する
・公証人(2人以上)に住所、氏名を申述し提出
・代筆作成も可
作成場所
・どこでもOK
・公証人役場
(公証人は出張も可能なため、自宅や病院でも可)
・公証人役場
(公証人は出張も可能なため、自宅や病院でも可)
保管場所
・本人が自宅の金庫等に保管
・原本を公証人役場で保管
・正本は本人が保管
・原本を公証人役場で保管
・正本は本人が保管
メリット
・作成費用が掛からない
・手軽に作成できる
・遺言の内容を秘密にできる
・改ざんや紛失の恐れがない
・家庭裁判所での検認が不要
・遺言の存在を明確にすることができる
・改ざんや紛失の恐れがない
・作成費用が安い
・遺言書の存在を明確にすることができる
・代筆、パソコン作成も可能
・改ざん、紛失の恐れがある
・形式面で法的に無効になる恐れがある
(パソコン、ビデオ撮影、録音は不可)
・相続開始後に家庭裁判所での検認が必要
・死後、発見されない可能性もある
・作成に費用が掛かる
・手続きが、自筆証書遺言とくらべて面倒
・遺言内容が漏れる恐れがある
・手続きが、自筆証書遺言とくらべてやや面倒
・公証人が内容を確認できないので、形式面で法的
に無効になる恐れがある
・相続開始後に家庭裁判所での検認が必要
デメリット
2.遺言書の作成件数と推移
「争族」に対する不安を反映しているように、遺言書の件数も年々増加傾向にあります。
「司法統計
家事事件編」及び「日本公証人連合会調べ」より
一昔と比べて、遺産分割をめぐる相続人間の争いが増えてきており、裁判所での紛争が相続財産1億円以下で約87%を占め
ており、相続財産5,000万円以下で約75%を占める統計も公表されております。今後、ますます相続人同士の争い事を少
しでも和らげる意味でも、遺言書の意味は大きなものになってくるのではないでしょうか。
№13 平成 27 年 9 月 4 日発行 【担当】山根 和彦