第4章 貨幣の機能 1 はじめに マクロ経済を見るうえで、貨幣の動きを見ることは重要! ・ マネーサプライ(貨幣量): 経済に流通している“現金”と“預金”の総量 ・ 金融システム: 銀行による預金や貸出行動 2 はじめに ・ 信用乗数 中央銀行によって提供されるハイパワード・マネーが、 どのようなメカニズムによって、貨幣という形で増殖さ れていくのかを示したもの ⇒ 金融政策が、貨幣量に対してどのような 影響をもたらすかを分析できる。 3 第4章 貨幣の機能 4.1. 貨幣とは? 現金だけが貨幣ではない! ・ 公共料金・クレジットカードの引き落としは、預金口座 を通して行われる。 ・ 企業も小切手や手形で支払いをし、代金の決算は 預金口座を利用。 ⇒ マクロ経済の貨幣は、通常、現金と預金の金額を あわせたもの。 ⇒ マネーサプライ 4 4.1. 貨幣とは? ただし、預金にもいろいろな形態がある ・ 当座預金、普通預金: 流動性が高い ・ 定期預金: 流動性が低い マクロ経済学を分析する際に用いられる貨幣量の指標 ・ M1 : 現金と要求払い預金(当座預金、普通預金など) ・ M2 : M1 + 定期性預金 5 4.2. 貨幣の交換媒介機能 アラブ諸国 石油 農作物 石油 日本 自動車 アメリカ ・ 日本の輸出相手はアメリカ、輸入相手はアラブ諸国 ⇒ 石油が交換媒体として使われている ⇒ アメリカにとって、石油は財ではなく交換手段 ⇒ 現実的か? ⇒ 物々交換には、“欲求の二重の一致”が必要 6 4.2. 貨幣の交換媒介機能 アラブ諸国 石油 ドル ドル 農作物 ドル 日本 自動車 アメリカ ・ ドルが貨幣として使われる ・ 取引が円滑 7 4.3.金融システムとマネーサプライのメカニズム “民間銀行”と“中央銀行(日本銀行)”との関係を理解する ⇒ 民間銀行は中央銀行なしには活動を維持できない ⇒ 銀行間での資金のやり取りは、個々の銀行が 日本銀行に預けた預金を通じて行うから 8 4.3.金融システムとマネーサプライのメカニズム 日本銀行 A銀行の口座 B銀行の口座 A銀行 Mさんの口座 Mさん B銀行 × × 不動産 Nさんの口座 Nさん 9 4.3.金融システムとマネーサプライのメカニズム ・ 中央銀行預け金(リザーブ): 民間銀行が中央銀行に預ける資金 ⇒ 民間銀行間の資金のやり取りは全てこれ ⇒ 日銀は 「銀行の銀行」 ・ 支払い準備: 現金 + 中央銀行預け金 ⇒ 預金の引き出しに備える 10 4.3.金融システムとマネーサプライのメカニズム ・ 法定預金準備: 銀行は一般預金者の預金の一定割合を中央銀行 にリザーブとして預けなければならない。 ⇒ 法定預金準備率 ・ 民間銀行はどうやって現金を手に入れる? ⇒ 中央銀行に預けたリザーブからおろす形で現金化出来る。 ⇒ 経済にどれだけの貨幣が流通するかは、中央銀行が 大きな影響力を持っている。 11
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