医薬品化学Ⅰ

[講義] 第4学年 前期 必修 1.5単位
医薬品化学Ⅰ
《担当者名》教授/石倉 稔
【概 要】
化学と生物は表裏一体の関係にあり、「生命は化学的機能である」との観点から生命現象を生体分子の化学の言葉で理解する
ことが必要である。医薬品の生理作用を理解するうえでも、化学的知識を基盤とする薬物と生体分子との相互作用の理解が重要
となる。本講義では、生体構成分子の基本構造、官能基の反応、分子の特異性、分子間相互作用、生体内での基本的物質変換過
程などについての基本的な化学的知識について説明できることを目的とする。
【学習内容】
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
1
糖質の化学
単糖の構造
単糖の化学反応
多糖類
単糖の基本構造と表し方(Fischer投影式、
Haworth式)を説明できる。
不斉炭素、立体化学の表示を説明できる。
単糖に含まれるヒドロキシ基、カルボニル基に基づ
く化学反応性を説明できる。
単糖の代謝経路である解糖系、糖新生などの化学反
応経路を説明できる。
多糖類の構造を説明できる。
石倉 稔
3
《関連するモデルコアカリキュラムの到達目標》
SBO:C6-(1)-1-2),3)
4
6
脂質の化学
脂肪酸
脂質
イソプレノイド
ステロイド
プロスタグランジン
脂質の構造と分類を説明できる。
石倉 稔
脂肪酸の構造、化学的反応性と命名法を説明できる。
脂肪酸の生合成と代謝過程を説明できる。
単純脂質と複合脂質を説明できる。
生体膜に含まれる脂質について説明できる。
《関連するモデルコアカリキュラムの到達目標》
SBO:C6-(1)-1-5)
7
10
タンパク質の化学
アミノ酸の構造
アミノ酸の化学反応
ペプチドの構造
タンパクの高次構造と機能
アミノ酸の化学構造、分類、化学反応性について説
明できる。
立体化学の表記法を説明できる。
アミノ酸の代謝過程を説明できる。
ペプチドの構造と表記法を説明できる。
ペプチドの化学結合と高次構造との関係を説明でき
る。
タンパクの立体構造を説明できる。
酵素の動力学と活性発現機構を説明できる。
《関連するモデルコアカリキュラムの到達目標》
SBO:C6-(1)-1-1)
SBO:C6-(1)-4-1)
―
315
―
石倉 稔
第4学年
【学習目標】
☆糖、アミノ酸、脂肪酸の化学構造について説明できる。
☆多糖、タンパク、脂質などの生体高分子について有機化学的な説明ができる。
☆核酸塩基、DNA,RNAの基本的化学構造を説明できる。
☆ビタミンの構造と機能について化学的に説明できる。
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
11
核酸の化学
核酸塩基
核酸の構造
糖の構造
DNA,RNAの構造
核酸の基本骨格と構成要素を説明できる。
核酸塩基の構造と化学反応性を説明できる。
核酸の立体構造と水素結合の関係を説明できる。
石倉 稔
ビタミンの化学
ビタミンの構造と分類
ビタミンの化学
ビタミンの構造と分類について説明できる。
ビタミンの生理機能を化学反応として説明できる。
13
14
15
《関連するモデルコアカリキュラムの到達目標》
SBO:C6-(1)-2-2)
SBO:C6-(1)-1-4)
石倉 稔
《関連するモデルコアカリキュラムの到達目標》
SBO:C6-(1)-2-3)
第4学年
【評価方法】
筆記試験 (100%)
【備 考】
教科書 : 「生体分子の化学」 相本三郎、赤路健一 著 (化学同人)
参考書 : 「分子レベルで見た体のはたらき」 平山令明 著 (講談社)
【学習の準備】
指定した教科書「生体成分の化学」の1-4章を事前に読んで、生化学の講義で習得した生体成分に関する知識との関連につい
て理解しておくこと。
【関連するモデルコアカリキュラムの到達目標】
C-6 生体分子・医薬品を化学で理解する
(1)生体分子のコアとパーツ
【生体分子の化学構造】
到達目標
1) タンパク質の高次構造を規定する結合(アミド基間の水素結合、ジスルフィド結合など)および相互作用について説明でき
る。
2)糖類および多糖類の基本構造を概説できる。
3)糖とタンパク質の代表的結合を示すことができる。
4)核酸の立体構造を規定する化学結合、相互作用について説明できる。
5)生体膜を構成する脂質の化学構造の特徴を説明できる。
【生体内で機能する複素環】
2) 核酸塩基の構造を書き、水素結合を形成する位置を示すことができる。
3) 複素環を含む代表的な補酵素(フラビン、NAD、チアミン、ピリドキサール、葉酸など)の機能を化学反応と関連させて説明
できる。
【化学から観る生体ダイナミズム】
到達目標
1)代表的な酵素の基質結合部位が有する構造上の特徴を具体例を挙げて説明できる。
―
316
―