演習問題4:複雑な時間換算 - Keio University

演習問題4:複雑な時間換算
問1 Sさんが子供の誕生日を記念してX万円信託銀行に預けておいて,10
回目から20回目までの誕生日に100万円ずつ引き出せるようにしたいと考え
ている。Xを求めよ。銀行の年利は10%とする。
問2 K道路公団では,ある地区を有料道路を作ることを計画している。必要
な投資は現時点で100億円,1,2,3年後に建設費用として,それぞれ50億
円ずつかかる。そして,それ以降は5年間隔でメンテナンス費用が5億円ずつ
かかる。資本の利率は8%とする。
イ)この道路を建設し,43年後までの40年間維持するのに必要な総投資
額の現価を求めよ(43年後にもメンテナンス費用の支払いがある) 。
ロ)この道路を永続的に維持するとすれば,4年後からの毎年末の料金
純収益がいくら以上ならペイするか?
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問1 Sさんが子供の誕生日を記念してX万円信託銀行に預けておいて,10回目から
20回目までの誕生日に100万円ずつ引き出せるようにしたいと考えている。Xを求めよ。
銀行の年利は10%とする。
100万円/年
0
10
20
現価にしていくらか?
X  100   S  P 10  100   S  P 11    100   S  P 20
10%
10%
10%
 275.5万円
X  100   M  P 11   S  P 9
10%
2015, Inada Laboratory, Keio University
10%
 275.5万円
1
問2 K道路公団では,ある地区を有料道路を作ることを計画している。必要な投資は現
時点で100億円,1,2,3年後に建設費用として,それぞれ50億円ずつかかる。そして,
それ以降は5年間隔でメンテナンス費用が5億円ずつかかる。資本の利率は8%とする。
イ)この道路を建設し,43年後までの40年間維持するのに必要な総投資額の現価を求
めよ( 43年後にもメンテナンス費用の支払いがある) 。
1 2 3
50億


8
5億
38
43
5億
5億
100億
P  100  50   M  P 3
8%
5   S  M 5   M  P 40   S  P 3
8%
8%
8%
 236.9億円
ロ)この道路を永続的に維持するとすれば,4年後からの毎年末の料金
純収益がいくら以上ならペイするか?
X?

1 2 3
50億
5億
5億
5億
100億


0.08
X  100   P  S 3  50   M  S 3
8%
8%
P  M 
8%

5   S  M 5
8%
 23.9億円/年
2015, Inada Laboratory, Keio University
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演習3:正味利益による採否判断(名目法と実質法)
丙工場では,現在,生産工程の自動化に取り組んでいる。この自動化
案では,2,000万円の設備投資をすると,人件費を,現在の給与水準
で毎年600万円ほど節減することができる。人件費は年々12%ずつ上
昇することが予想されている。
一方で,設備投資を行うと,年々の維持・修理費が,現在の物価水準
で毎年100万円ほど,自動化の実施前に比べて増加する。この維持・
修理費は,修理部品等の物価上昇に伴って,年々3.7%ずつ上昇する
ことが予想されている。
資本の利率(名目利率)は12%,設備の寿命は6年とする。
(問1) 名目法を使って,この自動化案の正味現価を計算し,案の採否
を決定しなさい。
(問2) 実質法を使って,この自動化案の正味現価を計算し,案の採否
を決定しなさい。
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問1 名目法を利用して採否判断を行いなさい。
P  2000万円
6
1  0.12 1  0.12 2
1  0.12  

600万円 


2
6

1
0.12

1
0.12


1  0.12  

6
1  0.037 1  0.037 2
1  0.037  

100万円 


2
6 
1  0.12 
1  0.12  
 1  0.12
 1,137.7万円
よって,工程の自動化は経済的にペイすると考えてよい。
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2015, Inada Laboratory, Keio University
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問2 実質法を利用して採否判断を行いなさい。
600


100
5,000
k1 
1  0.12
 1  0%
1  0.12
k2 
1  0.12
 1  8%
1  0.037
P  2000万円+600   M  P 6 -100   M  P 6
0%
8%
 1,137.7万円
よって,工程の自動化は経済的にペイすると考えてよい。
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2015, Inada Laboratory, Keio University
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