BGW労務ニュース

2015年9月14日
マイナンバー制度開始に向けた会社の対応策
事例
いよいよ来年からマイナンバー制度が始まりますが、実際に制度開始に向けて、会社がどの
ような対応をして、従業員からマイナンバーを集めていけば良いのかがイメージできません。
マイナンバー制度の概要と、マイナンバーの収集や保管の方法と注意点を教えていただけ
ませんでしょうか。
回答
マイナンバーは平成27年10月から通知が始まり、平成28年1月以降に国の行政機関等において、
税、社会保障、災害対策の分野で利用されます。
会社は従業員等に対して、マイナンバーの利用目的を明示し、厳格な本人確認のもとにマイナン
バーを取得する必要があります。また、取得から廃棄までは適切な安全管理措置が求められます。
●マイナンバー(個人番号)制度とは
平成27年10月から、日本国内の全住民に通知される12桁
の番号をマイナンバーといいます。マイナンバーは平成28年1
月以降、国の行政機関などにおいて、税、社会保障、災害対
策の分野で利用されます。これにより、行政事務が効率化され、
行政サービスの不正受給の防止や、行政手続きの簡素化が
可能になります。また、公的な身分証明書として使用可能な個
人番号カードの交付を申請することができます。
制度導入にあたり会社は、税や社会保障の手続きで従業員
などのマイナンバーを記載する必要があります。(右図)
このため、会社は従業員等からマイナンバーを取得し、保管し、
必要がなくなったら廃棄をしなければならず、さらにこれらの過
程で、適切な安全管理措置をとることが求められます。
●マイナンバーの取得方法と時期
会社が従業員等からマイナンバーを収集するにあたって、ま
ずしなければならないことは、利用目的の明示です。会社は
従業員等に対し、マイナンバーを税、社会保障等の法令で定
められた目的で使用することを明示する必要があります。さら
に、マイナンバーを従業員等から取得する際には、他人のな
政府広報 マイナンバー制度パンフレットより
りすまし等を防止するため、厳格な本人確認を行います。
具体的には、運転免許証等で身分確認をし、マイナンバー通知カードのコピー等で番号確認をします。なお、従業員
が扶養親族のマイナンバーを記載した書類を会社に提出する場合、従業員自身が扶養親族分の本人確認を行いま
す。
マイナンバーの取得時期ですが、記載が必要になる書類は、平成28年1月1日(健康保険・厚生年金は平成29年1
月1日)以降に提出する書類からです。したがって、マイナンバーの通知が始まる平成27年10月から12月までに取得
をすることが一つの目安になりますが、マイナンバーは平成28年1月以降の入退社手続き、源泉徴収票交付、報酬
の支払い等の書類作成時に取得すれば良いため、必ずしも平成27年中に取得する必要はありません。
●マイナンバーの保管・廃棄
従業員等から収集したマイナンバーは、取扱担当者を限定し、書面の場合は鍵付きの棚を用意し、データの場合は
アクセスパスワードを設定する等、厳しい管理体制で保管をすることが求められます。また、マイナンバーを書類作成
事務で使用しなくなった場合や、法令で定める保存期間を経過した場合など、不必要になった場合は、速やかに廃棄
しなければなりません。マイナンバーの取扱いは、個人情報よりも厳格な保護措置が必要なため、事業内容や規模
に合わせた出来る限りの対応を検討していくことが大切です。
資料作成: 社会保険労務士法人 アーク&パートナーズ
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