ここ最近の国内ハイブリッド証券市場の現状について

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2015年7月9日
ここ最近の国内ハイブリッド証券市場の現状について
国内金融機関(銀行、保険)によって発行されたハイブリッド証券(劣後債、優先出資証券)市場は、6月以降足元
(7月9日)までやや軟調に推移しています。欧米の長期金利が上昇したものの、邦銀によって発行されたバンク・
キャピタル証券は総じて、コール償還日までの期間が短く、その影響は限定的でした。信用スプレッドは、国内金
融システムの安定、円安による企業業績の好転などを背景に、低位安定が続きました。一方で、保険会社によっ
て発行されているハイブリッド証券は、初回コール償還日までの期間が相対的に長いことから、こうした金利上昇
の影響を少なからず受けています。
代表的な銘柄の騰落率
銘柄名
種別
建値
クーポン
5月29日
7月9日
騰落率
三菱UFJ・FGキャピタルフィナンシャル1
優先出資証券
米国ドル
6.346%
104.88 ⇒
104.60
-0.27%
三菱UFJ・FGキャピタルフィナンシャル2
優先出資証券
ユーロ
4.850%
103.50 ⇒
103.09
-0.39%
三井住友FGプリファード・キャピタル
優先出資証券
米国ドル
6.078%
106.00 ⇒
105.25
-0.71%
三井住友銀行
劣後債
ユーロ
4.375%
101.42 ⇒
101.16
-0.26%
日本生命保険
劣後債
米国ドル
5.000%
106.75 ⇒
103.25
-3.28%
第一生命保険
劣後債
米国ドル
7.250%
119.25 ⇒
116.44
-2.36%
三井住友海上火災保険
劣後債
米国ドル
7.000%
119.63 ⇒
115.50
-3.45%
(パインブリッジ・インベストメンツ調べ)
【今後の見通し】
欧州では、ギリシャの国民投票実施以降、先行き不透明感が一段と高まりました。交渉窓口は開かれています
がギリシャのユーロ、EU(欧州連合)離脱は予断を許さない状況にあります。また、中国では株価が急落してい
ます。上海と深セン市場の43%の銘柄が売買停止との報道もあり、市場の先行き不安が高まりました。米国では、
FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利引き上げのタイミングを図っています。いずれも、グローバル金融、
信用市場へネガティブな影響を及ぼす問題であるため、市場がこれらの影響を十分織り込むまでは、神経質な
展開が続くと予想されます。
【国内金融機関が発行するハイブリッド証券についての見通し】
中期的には、1)質への逃避を受けて米国債や独国債が大きく売られる可能性は小さい、2)中国、ギリシャ及び問
題の波及が懸念される国々へのエクスポージャーが小さい邦銀発行のハイブリッド証券のスプレッドが大きく拡
大する可能性は小さい、3)コール償還までの期間が短く、下値では買いニーズが強い状況が続いていること、等
がサポート要因になると見ています。
ポートフォリオが銀行発行のバンク・キャピタル証券で構成されているファンドは市場混乱の影響は小さいと見て
います。一方で、デュレーションが長めの保険会社発行のハイブリッド証券を中心にポートフォリオが構成されて
いるファンドは、一時的に価格変動ボラティリティが高まる可能性はありますが、中期的には魅力的な利回りへ
の需要が価格を下支えすると見ています。
当コメントは、パインブリッジ・インベストメンツの運用関係者の作成したコメントを基に作成しています。
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重要な注意事項:投資信託に関する留意点
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